トラック運ちゃん必見!?激烈映画5選
激烈映画とは、苦しい、辛い、妬ましい、憎いなど負の感情を毒をもって毒を制する映画です。
きっとあなたの救いとなる、少なからず僕が救いになった5選を純粋に楽しんでもらえればと思います。
トラック運ちゃん必見!?激烈映画5選というタイトルですが、まずは僕の大学時代の話をさせてください。
私は、高校生くらいの時から将来漫画家になりたいという夢を持っていました。大学生の時に漫画を描いて手に汗握りながらも東京の某出版社に持ち込みに行きました。
編集者の方に漫画を見ていただき感想やアドバイスを頂きました。
編集者の方に「君の作風は〇〇(雑誌名)に向いている」と言われました。
そこそこの手応えを感じました。
そこで僕は〇〇(雑誌名)さんの読者層について尋ねました。
すると「トラックの運転手です」と編集者の方は仰りました。
僕の感性はどうやらトラックの運ちゃんにうけるまたは、近いものがある様です。
そんな僕が選んだ激烈映画を5作品紹介したいと思います。出来るだけ紹介する映画を見て頂きたいのでストーリーの内容についてはあまり触れないで良さをお伝えしたいと思います。
1作品目は「修羅」です。
いきなりヤバそうな映画がきたなーと思うかもしれませんがこの映画すごいです!
まず監督について説明したいと思います。この「修羅」の松本俊夫監督は実験映画監督・映像作家であり、この「修羅」も劇映画と位置付けられています。多数の大学の教授にもなった経歴があられます。
映像に関する研究をずっとされていた方で
という著書を出されています。映像を撮るということはどういったことか?戦前の日本映画のみならずドイツ表現主義・ヌーベルバーグについても考察が記されており興味深い一冊になっているので映画が好きな人必読の本です。
「修羅」のストーリー構成やモンタージュの使い方は1971年の映画とは思えないダラダラした感じがなく飽きない作りになっています。是非見てください。
2作品目は「実録・私設銀座警察」です。
なんか古臭そうな映画ばかりだなーと思うかもしれませんが日本映画史に重要な映画の一つなので見てください。
監督は「男たちの大和/YAMATO」や「新幹線大爆破」の佐藤純彌が担当しました。ミスター超大作とも呼ばれていた日本映画界の巨匠です。
役者も素晴らしいです。最近亡くなった梅宮達夫さん、芸能界喧嘩最強説があった渡瀬恒彦さん、元インテリヤクザの安藤昇さん(あえてさん付けで呼びます!)といういかにも血生臭い配役になっております。
この方達があの有名なヤクザ映画「仁義なき戦い」に対抗して作ったのがこの「実録・私設銀座警察」です。戦後すぐの日本ってこんなにヤバかったんだと誰もが感じると思います。なのであえて若い世代の方に見て頂きたい映画です。
3作目は「大菩薩峠(1966)」です。
この「大菩薩峠」はシリーズがたくさん制作されており、中でも僕が好きなのがこの1966年の「大菩薩峠」です。
鬼才・岡本喜八が監督した作品です。岡本喜八監督は戦争映画ばかり撮っているイメージが強いですがこの映画が監督の作品の中で僕は最高でした。
この作品は、海外からの評価も高くその理由をご自身の目で確かめて頂きたいです。
主人公の奇行は、追い詰められた人間には理解できるはず。
作品の内容が狂気じみていて共感しづらいかもしれませんが、この作品が作られた高度経済成長の日本の熱量やベトナム戦争で失敗したアメリカ人の心情を察すると納得できます。
実存主義(神ではなく人間を中心とした考え)やカウンターカルチャー(社会に反発する文化)など型にはまらない思想が色々出ていた時代だからこそ認められたのではないかと思います。
4作目は「タクシードライバー」です。
童貞の冴えない中年男が無差別殺人を起こすという強烈な内容の作品ですが、日本でも人気の高い有名な作品です。
「タクシードライバー」は、今年アカデミー賞ノミネートされた「アイリッシュマン」の監督マーティン・スコセッシと主演のロバートデニーロのコンビで制作された映画になります。
ロバートデニーロはキレたら何をするか分からないキャラクターを後にたくさん演じることになります。
この映画の素晴らしいところは、上映された時代の若者の心を捉えたところです。スコセッシは、バイオレンス描写の多い映画をたくさん作っていますが実は小心者で暴力を恐れるが故に暴力の恐ろしさをリアルに表現できる監督です。
さらにイタリア系アメリカ人ばかりが住む超保守的な地域で育つといった経験も作風に生かされていると思います。
ニューヨークという都会に住んでいるのにも関わらず孤独な主人公。そこの演出のうまさはスコセッシ本人を投影しているように僕は思います。
5作品目は「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」です。
最後に紹介するのは、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」です。
何と言っても見所は若い頃のミッキー・ロークです。映画評論家の淀川長治さんが美しいと言っていただけあってイケメンです。
監督は「ディア・ハンター」のマイケル・チミノです。脚本は「プラトーン」のオリバー・ストーン。このベトナム戦争映画を作った2人が組み合わさります。
とにかくミッキー・ロークが暴れまくる映画ですが、もちろん主人公の熱血刑事はベトナム戦争帰りです。アメリカ映画はベトナム行っていたら何やってもいいのか?というくらいむちゃくちゃな主人公に酔いしれましょう。
まとめ
ここまで読んで頂きありがとうございます。激烈映画5選紹介しました。
バイオレンスやアクション映画は正直あまり見ないという人はむしろ見て欲しいです。どの作品も強い個性を持った監督の作品であり、時代の背景を知ることで面白さが倍増します。
映画は主観的に見るだけでなく時代の背景を知り、俳優のことを知り多様な角度から見ることでさらに深い世界に連れて行ってくれます。
心の毒を浄化できそうですか?できると嬉しいです。
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