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ベルリンで見た、植物工場を導入したレストラン

2017年。僕はカンボジアに住んでいて、会社の新規事業として、現地で植物工場事業を立ち上げようとしていました。(結局、カンボジアの市場規模では採算が取れないという結論にいたり、計画はストップしてしまったのですが・・・)

そんな当時、日本国内外の植物工場関連企業の方々と何度もお会いし、また海外の植物工場事情も調べていました。そんな中、ドイツにINFARMという名前の植物工場会社があるのを知りました。

INFARM社は、他の植物工場企業と少し違っていました。彼らは大規模な中央集中型の植物工場を作るのではなく、小規模な店舗設置型の植物工場ユニットを、地元のスーパーやレストランに設置。しかも、サブスクリプションで。分散型のコンセプトがとてもいいと思ったのと、植物工場企業にしては事業モデルもユニーク。一方、この小規模なユニットでどうやって利益を出しているのかとても気になりました。(通常、植物工場は大規模化すればするほど儲かるため)

気になって気になって仕方がなかったので、今年の2月、ベルリンまで実際に飛び、INFARM社がシステムを設置した2つのレストランを訪問してきた。(INFARM社自身にもコンタクトしたものの、残念ながらアポ取れず・・・)

Layla Berlin 

まずは、Layla Berlin(ライラ・ベルリン)という地中海料理レストラン。2018年10月にオープンしたばかり。

INFARM社の植物工場が、店内に2機。客席に隣接する形で設置されていました。

植物を育てるために波長を最適化されたLEDから発せられる紫色の光が、店内を照らします。システムは4つのレイヤーから構成されており、LEDは固定型。よく見ると、送風用のエアーダクトも見えます。INFARM社のシステムの最大の特徴でもある、遠心状に広がる栽培ポットも実際に見ることができました。栽培ポットが遠心状に広がることで、円の中心にタネを植え、苗が大きくなる過程に合わせて、円の外側に向かって徐々に場所が移動できる、という仕組みです。

そばに座っていたお客さんも、面白がって写真を撮影していました。植物工場って、光の色も独特なので、あまりお店のインテリアにマッチしないケースが多いかと思いますが、不思議とこのレストランではうまい具合にレストランの雰囲気と合っていました。

「新鮮な野菜がその場で手に入ることが導入した理由。遠心状に広がっていくデザインも魅力的だしね」とスタッフが導入理由について説明してくれた。

こちらが、植物工場から採れたハーブやベビーリーフを使用したサラダ。

メインのタコも、美味しかったです。こちらにもベビーリーフが添えられていました。

システムの価格については回答を得られなかったものの、レストランの店内に植物工場を設置しているという稀有なレストランを実際に訪問することができたのは良かったです。

GOOD BANK

翌朝、ベルリンテレビ塔近くにあるサラダバーGOOD BANK(グッド・バンク)を訪れました。

この店も、INFARM社の植物工場システムを導入しており、サラダバーの主材料であるリーフレタスを、自分たちの店の中で生産している。壁一面に設置された植物工場は圧巻。未来感がすごい。

前日のライラ・ベルリンに導入されていたシステムとは若干異なる仕様でした。栽培レイヤーは7段、LEDは回転式。栽培品目はフリルレタスが中心。

店長に話を聞くと、毎朝このシステムからレタスを収穫し、サラダバーに使っているという。水耕栽培の溶液には、化学肥料は使用せずに、オーガニック由来の液肥を使っているとのこと。もちろん、屋内なので農薬を使用する必要もないので、肥料も農薬も完全にケミカルフリーのレタスと言えます。きっとドイツの人々はオーガニックに対する意識も高いため、水耕栽培だからといって化学肥料の入った溶液を使うことはできないのでしょう。

「ぶっちゃけ、電気代めちゃ高いですよね?」と聞いてみたところ「そうだね、安くはないかな」という返答。システム自体の値段については先日のライラ・ベルリン同様、回答を得られず。きっとINFARM社とのNDAがあるのでしょう。

実際にベルリンまで行ってみると、ネットからは見えてこない「実情」がよく理解できますね。

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こんにちは。ベトナムのホーチミンに住んでます。Pizza 4P'sというレストランのサステナビリティ担当です。2018年末までカンボジアに住んでました。著書『CAMBODIA BOOK カンボジア観光ガイドブック 知られざる魅力』

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2014年からカンボジア移住。2018年末からお隣のベトナムへ引っ越し。Pizza 4P'sというレストランのサステナビリティ担当。著書『カンボジア観光ガイドブック 知られざる魅力』
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