ボランティアだけじゃない。カンボジアから生まれる、新しい〈ソーシャル〉のカタチ
カンボジアと聞くと、やはり「学校建設ボランティア」のイメージが強いのでしょうか?
向井理主演の映画『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia』が公開された直後は、カンボジアを訪問する日本人が急激に増えたそうですから、やはりカンボジアで学校建設ボランティアしたい!という人はそれなりに多いのでしょう。
学校建設に限らず、カンボジアのボランティア活動は多いです。世界の中でも、活動しているNGOの数がとても多い国でして、それはやはり70年代の内戦が背景にあります。
新著『CAMBODIA BOOK カンボジア観光ガイドブック 知られざる魅力』を執筆する上でも、いくら「カンボジアの新しい側面に光を当てる」ようなコンセプトで執筆していても、カンボジアの過去の悲劇と、その後の社会支援、つまり「ソーシャル的」な活動を無視することはできません。(そもそも、「カンボジアの新しい側面に光を当てる」ことができるのは、過去のそういうコンテクストがあるからですし)
そこで、今回の本では、カンボジアで生まれつつある、これからの「新しいソーシャルのあり方」を僕なりに模索してみました。
つまり、70年代の内戦以降、時代ごとに政府やNGO組織がカンボジアに対する支援を主に行ってきましたが、これからは民間による支援が活発になると僕は感じたのです。
ということで、やっと本題に入りますが、今回の本ではいくつかの新しい社会支援の方法を実践する民間事業者を掲載しました。そして、彼らがいかに、ビジネスと社会支援を両立させているのか、について考察しました。
例えば、シェムリアップのリゾート〈シンタマニホテル〉は、ホテルで生んだ利益を〈シンタマニファンデーション〉という財団の活動資金として充て、村の子ども達がシェムリアップのホテルで働けるようになるためのホスピタリティスクールを運営しています。(なんと就職率は100%)
他にも、南の島リゾート〈ソンサー・プライベート・アイランド〉は、一泊十万円以上するただのラグジュアリーリゾートではないのです。そもそも、このホテルのオーナーがリゾートを作った経緯には「いかに、コーロン諸島の自然生態系を保護するか」という課題意識があり、その手段としてリゾートを始めたのです。以前は周辺のサンゴ礁は破壊され、海洋生物もみられなかった状態が、今ではサンゴが回復し、タツノオトシゴやウミガメなども見られるようになったとのこと。
これからは、ビジネスと社会貢献の境目は益々なくなっていきますね。
詳しくは、本の中で書いていますので、お楽しみに。
こんにちは。ベトナムのホーチミンに住んでます。Pizza 4P'sというレストランのサステナビリティ担当です。