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『to the CIDER ROAD』-アルバムジャケットの動物は、1つの大きなことを知っている-[考察/感想/レビュー]

今回は軽い考察回になります。

考察よりも歌詞の解釈や感想がメインになりますので、
ぜひ、ユニゾンファンの方は最後まで読んでいってくださいm(_ _)m
(そして自分の解釈をぶちまけていってください)

どうも、Mosukyです。

今回は題名の通り、今年の2月に発売から10周年を迎えた4thアルバム『CIDER ROAD』の1曲目について書いていこうと思います。

10歳の節目なので、CIDER ROADについて何か書こうとずっと思っていたのですが、中々いいネタが思いつかず・・・

ただ、ひょんなことから本記事の構想が降ってきたので、作成するに至りました。
(構想が思いついた時のポスト↓)


ぜひ、最後まで楽しんでいただければと思います。

では、




楽曲としてのポテンシャルは…

UNISON SQUARE GARDEN
4thアルバム『CIDER ROAD』

その1曲目『to the CIDER ROAD』

2013年の2月に発売された本楽曲ですが、

今でもなお愛され、時折活躍している本楽曲
直近、演奏されたツアーだと昨年行われた「kaleido proud fiesta」になります。

しかも、

本公演ラストパートの4曲の1つで、
ツアー名にもなった楽曲の後かつラスト前
本楽曲以外全てシングル表題曲

という、最高(に四面楚歌)のシチュエーションで迎えられています。

オリオンをなぞる(5thシングル)
kaleido proud fiest(17thシングル)
to the CIDER ROAD
10% roll, 10% romance(11thシングル)←本公演ラスト

kaleido proud fiestaが会場全体を高揚感たっぷりにした後、

本楽曲のイントロがかすかに流れ始める演出は、"最高"に感じられました


さらにツアー前の単発ライブ「音楽と行こう by au 5G LIVE」でも、以下のように

マスターボリューム(2ndシングル)
to the CISER ROAD
10% roll,10% romance(11thシングル)

こちらも同じく、シングル表題曲に挟まれての演奏になります。
(CIDER ROADと10%の組み合わせはもしかしたら、このライブから着想を得ているのかもしれないですね)


さて、そんな楽曲『to the CIDER ROAD』

シングル表題曲に囲まれても遜色なくライブを盛り上げてくれることからも、ポテンシャルは十二分にありメロディーが最高なことは言うまでもありませんが、


今回私が注目したいのは、その歌詞になります。



自ら決めた道を...

本楽曲を聴いていて、一番耳に残るのはやはり
「CIDER ROAD もう迷わないで」
といったサビ最初の一文でしょうか。

もちろん、メロディーがサビ部分ゆえにキャッチーで耳に残る、という理由があるのは間違いないと思います。

だだ、歌詞を読めば読むほどに曲の根幹にある部分が、

『もう、迷わない』という意思を示した楽曲
のように感じるのは、ファンの皆さまなら感じていたことでしょう。


歌詞は、ほいほい載せてはいけないのですが、一部抜粋しつつ感想を書かせていただき、のちの考察に繋ぎたいと思います。

※全編通して言えることですが、
ソースがないものはあくまで"私の考えや主張"であり、「アーティストの心情を代弁している」といった驕り高ぶった行為では決してありません!


「迷い」について…

物知りの雑誌が謳う 今年の流行は何だっけ
あれこれって追いつかないし 本当は馴染めないや

楽曲の冒頭、世の風潮的に望んでない流行も追わないといけないけど、どうしても馴染めない/馴染みたくないと謳っているように受け取れる歌詞。


ある時期(2ndアルバム周辺)、なかなか"世間的に良い"とされる曲が書けずに苦しんでいた、「作詞家の闇期」の話は多くのインタビュー等で語られている通りで、

彼が作詞作曲をメインで行っているため、バンドが売れるか売れないかは彼の腕に大きくかかっていたことと思います。

一生懸命作った楽曲が思うように人々に浸透しない、故に曲を作るのが億劫おっくうになっていた期間


その時期の話が多く語られている『DUGOUT ACCIDENT』のSPECIAL BOOKLETを読むと

今なお、彼らがUNISON SQUARE GARDEN としてロックバンドをしてくれていることは、"決して当たり前じゃないんだ"と考えさせられます。

ぜひ、ブックレット読んでください。本当に解Oしなくてよかったと思います。

(上記ブックレットの入れ知恵を頂いた記事はこちら)


そんな闇期、バンドとして売れるためには、

自分は好みじゃないけれど、世の風潮を受け入れて、
ソレに合わせた曲を作らないといけないと感じていた過去の葛藤

を謳っている歌詞なんだろうなと改めて考えさせられました。


また、たびたび出てくるワード
「sweet trick advertisment」

訳すと「広告の甘い罠」

遠くで手招くの sweet trick advertisement

うんざりする選択肢 sweet trick advertisement

どうして惑わせる sweet trick advertisement

それぞれの歌詞を意訳すると、広告という媒体が取り上げているものが、

・あまり気に留めていなかったものですら、すごく魅力的に見えてしまう
・自分の興味がないものばかりが、良いモノとして取り上げられているように感じる
・でも、良いとされるなら手にとって見るべきなんだろうか?と考えてしまう

と、感じている旨を謳っているように考えられます。

つまり、

世の中(広告)は、誰とも知らないオトナが決めたイイとされるモノが沢山出回っていて、

それらは、すごく上手に魅力的に見せているため、皆もイイと思ってしまっている。

だから、イイとされるモノが好みじゃなくても、手にとってみたくなる。


こういったの広告による大衆の心理誘導に対して、「甘い罠」なじっているようなフレーズになっています。

作詞家の"闇期"のことを思うと、「好みじゃなくても手にとってみたくなる」という表現よりも、「手に取らざるを得ないような状態だった」のが近しいかもしれません。


以上の歌詞やその他の同様なことを謳った歌詞についてもまとめると、

世の中に溢れているイイとされているモノや、多くのメディアで取り上げてもらっているモノが必ずしも良いとは思えないんだ!

と言っているように、感じさせる歌詞になります。



「自ら決めた道」について…

そして、辛かった闇期を終えて、アーティストとしても少し自力が付いた4thアルバムにて、たどり着いた1つの境地(答え)のようなものを楽曲に込められたのだと思います。


揺るぎないのは 両手の幅でも多いぐらいだ

本当に大切なものは、そんなに多くないはずだ


君だけの手 誰も邪魔するな 予感はここだ

誰かが”イイ”と言ったモノじゃなくて 君が良いと感じたものを手に取るべきだ


CIDER ROAD もう迷わないで

迷う必要はない


本当は弱さは強くて 涙こそ道しるべ

弱いことを知っていることが強さの証拠で、
感情に従うことが自分の道しるべになるから



さあ 君は何を、何をしよう?
さあ 次はどこへ、どこへ行こう?

さあ、何をしたいか、どこへ行きたいか、君が決めればいい



アルバム『CIDER ROAD』の1曲目

『to the CIDER ROAD』

そして、


アルバムジャケットのおび

行き着いた先に 何もなくても。

アルバム最終楽曲『シャンデイアワルツ』より



もう、迷わない 自分で決めた道ならば
(to the CIDER ROAD)

その先に何が待ち受けてても 僕らは構わないから
(シャンデリア・ワルツ)


そんな決意を示した楽曲であり、アルバムなのでしょう



ハリネズミは一つの大きなことを知っている…

さて、そんな『もう、迷わない』を謳った本楽曲とアルバム

本アルバムについては、作詞家の公式ブログであらゆるタイミング少々歪んでいますが熱く熱く語られていますw

ぜひ、読んでください。

田淵かく語りき2013年2月-CIDER ROADリリース時-
小生田淵がよく喋る2014年8月-Catcher In The Spyリリース時-
小生田淵がよく喋る2018年11月-Catch up, latencyリリース時-
(20周年のwebページ改変で、リンク飛べなくなりました。)


一つだけ感想を入れさせていただくと、
いつも通りかもしれませんがマジで尖り過ぎているw


『CIDER ROAD』ってアルバムは、いい意味で"歪んだ重たい愛"で出来てるんだな〜と感じました。


また、上記公式ブログを読んだ後だと、
5thアルバムの「シューゲイザースピーカー」の聴き方がまた少し変わった気がします。

ブログで語られているCIDER ROADへの歪んだ愛を感じてしまうからだと思う。
皆に土下座して欲しいって気持ちが溢れた曲なのか?と勘ぐってしまいます。


本記事の題名について…

少々本題からそれましたが、最後に本記事の題名のお話をしたいと思います。


4thアルバム『CIDER ROAD』

そのアルバムは皆様御存知の通り、『ハリネズミ』がジャケットを飾っています。

かわいいね〜


実はこのハリネズミがジャケットを飾った理由は、以下のインタビューで語られていたりします。


インタビュアー:
今作は、ジャケも絶妙なんですよね。ハリネズミって、ユニゾンを象徴する存在のように見えるというか。

ドラマー:
針の持つ攻撃性や、群れで生きない、あと自分からは攻撃しない動物っていうところが強い
かな。孤独だけど頑張っている生き物をモチーフにしたかったんです。

作詞家:
みんながイイと言われている状況に従わざるおえない環境の中でのデビューだったのかもしれないけど、”何かそれ違くないか?”って悩みながら、孤独に進んできたところがあるから。
それで売れていなかったらカッコ悪いですけど、反応してくれる人がいるから、だったらこの道を突き進もうじゃないかって思っています。

上記記事より


ドラマーの発言から、「動物としてのハリネズミの特性」が気に入り本作のジャケットに選ばれたことが答えられており、
「あ〜そういった理由だったのね」と納得された方も多いと思います。


しかし、


作詞家の回答は、インタビュアーからの問に対する答えとして、

「ドラマーが答えた内容の補足」や「自分達のバンドについて語った上で、"ハリネズミと僕たちは似ている"と言いたい」のだとしても、
少し論理が飛躍しているように感じられます。


なぜ、このような回答になったのか?


では、いよいよ本筋に戻って僕がこの記事を書くに至った経緯をお話します

私がこの記事を書くに至った理由


皆様は、『ハリネズミに関する有名な海外の童話』をご存知でしょうか?


アルバムジャケットにハリネズミが採用されたのは、「その童話の教え」が元になっていると考えたからです


その童話の教えは、

『キツネは多くを知っているが、ハリネズミは大きな一つのことを知っている』
("The fox knows many things, but the hedgehog knows one big thing.")
[古代ギリシャ詩人Archilochusより]


と、いうもの。


こちらの童話の概要をお話します。

賢いキツネは多くの知恵を働かせ、自分よりもどんくさいハリネズミを食べようとします。

しかし、ハリネズミは一貫して体を丸くし、自身の体を表皮の針だけで身を守り続けます。

キツネはハリネズミよりも品があり、賢く、明らかに優れていることは他の動物からも明らかでした。

キツネは自身が持つ、多くの知恵を使って様々な攻撃をハリネズミにしました。

しかし、ハリネズミはただ"一貫して一つのことをしているだけ"なのに、食べられることなくキツネを撃退するのでした。


そして、この童話の教えというのが、

キツネは
『賢くいくつもの知恵を持ち、あらゆる状況に柔軟に対応できるが、芯がブレることがある』

ハリネズミは
『あらゆる状況に柔軟には対応出来ないが、一つの武器を持ち、一貫したブレない芯を持つことが大切であることを知っている』

本童話について参考にさせていただいた記事はこちら

と、いうもの。

ハリネズミにだけ焦点をあわせるならば、

周りの誘惑や評価に踊らされずに、自分が持つ1つ大きな信念を貫くことが時に大切である

と、語られているわけです。


私はこの童話とその教えを知ってから、
改めて『to the CIDER ROAD』の歌詞を見て、
この記事を書くに至ったのでした。




4thアルバム『CIDER ROAD』

その1曲目『to the CIDER ROAD』は

まさに、アルバムジャケットの動物である『ハリネズミ』のように

周りがどうかではなく、自分が大切にしている大きな1つの信念を持って"音楽を続けていきたい"

そんな意思を示したアルバム1曲目であり

そんな意思を持って世に送り出されたアルバムである



おまけ

Decide a road :道を決める
     cider  road :-----道


解釈は人それぞれ。



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