汚染魚で病気は共産党の公式見解なのか
(補足 2023.9.11)
9月11日産経新聞で[(共産党の)小池氏は共産が用いてきた「汚染水」との表現は引き続き使う考えも示した]と報道されました。
なお当記事を掲載した直後に
と感想をいただきました。小池氏の見解はダブルスタンダードと表現するより、二枚舌としたほうがよいかもしれません。
共産党関係者による汚染魚発言
9月7日、広島県福山市の日本共産党元市議で衆議院選挙広島7区の候補者であった村井あけみ氏が、桜井よしこ氏に向けて[どうぞ、もっとしっかり汚染魚を食べて、10年後の健康状態をお知らせください。]とX(旧ツイッター)で発言した。
発言の発端は、桜井氏が理事長を務める国家基本問題研究所の意見広告だった。意見広告の趣旨は同広告内で以下のように語られている。
広告で論じられているように、中国は日本の水産物を「科学的根拠の一切ない」まま全面輸入禁止にした。
放出されているALPS処理水は国と東電のみならずIAEAによって安全性が証明されているうえ、厳格な確認作業も行われている。だが共産党の村井氏は、国内で漁獲された水産物を「汚染魚」と呼び、食べると10年後には健康を害すると言わんばかりの発言をした。
共産党は民主集中制を掲げている。民主集中制は共産党の規約(第3条)に明記され、[決定されたことは、みんなでその実行にあたる。行動の統一は、国民にたいする公党としての責任である。]とされている。つまり共産党の政治家である村井あけみ氏は、党の方針に沿って「もっとしっかり汚染魚を食べて、10年後の健康状態をお知らせください」と発言したことになる。
風評のマッチポンプ
日本近海で漁獲される水産物を「汚染魚」と呼ぶのは、科学的根拠のない風評を流す行為だ。風評は原発事故後の福島県でさまざまな悲劇を生んだ。ゆえに「風評被害」が問題視され、被害を与える者を「風評加害者」と呼ぶようになった。
共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、2023年8月23日に「福島原発の汚染水 約束違反の海洋放出中止せよ」と題して以下のように主張した。
このように共産党は風評被害の発生を心配してみせるが、同党の村井氏は水産物を「汚染魚」と呼んで偏見をふりまいている。
自らが意図的に起こした問題を、それ見たことかと騒いだり、解決するそぶりを見せたりすることを、放火魔が消火ポンプを持って火事場にかけつける様子に例えて「マッチポンプ」と呼ぶ。「汚染魚」発言は悪評の種火をつけて「風評被害」を発生させ、処理水放出を中止させるマッチポンプ手法そのものではないか。
広島県発・共産党発のヘイト
村井氏が政治活動の基盤を置く広島県は、原爆を投下され10年、20年、子や孫までと放射線による健康被害について差別を受けた。しかし偏見による人権侵害と産業への悪影響に毅然と戦いを挑んで、謂れなき差別を解消した。広島県は「科学的根拠の一切ない横暴」に打ち勝ったのである。
この広島県から「10年後の健康状態をお知らせください」と暴言が登場した。中国の輸入禁止と同じ「科学的根拠の一切ない」デマである。また原発事故の被害当事者ならびに復興を支えようとする人々を攻撃、脅迫、侮辱する「横暴」でありヘイト発言だ。
共産党が村井氏を処分しないなら、「汚染魚を食べると被曝して病気になる」とする暴言は同党の公式見解になる。このまま村井氏が放置されたなら、共産党を「風評被害」のマッチポンプ政党で、ヘイト政党と呼ぶことにしよう。このような党は百害あって一利なしである。