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ワクチン接種の予約を確実に取るためのポイント

──大丈夫、予約は取れます。そのために知っておくべきこと、準備しておくべきこと、当日にやるべきことがあります。

著者:ケイヒロ、ハラオカヒサ

(この記事は後日内容を追加・改訂する場合があります/
2020.8.12:個別接種について追記)

これから接種が可能になる方へ

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新型コロナ肺炎ワクチンは医療関係者についで高齢者が接種して既に10代でも接種済みの方がいるいっぽうで、まだ50代の予約にとどまっている自治体もあります。でもはっきりしているのは、秋までにさらに幅広い層へ接種が広がるということ。

とはいえ待っているだけでは接種ははじまりません。

新型コロナ肺炎ワクチンの接種を受けようとするとき、大学拠点接種や職域接種でないかぎり自分で接種場所を決め、自分で予約を入れ、自分で接種日の管理をしなければならないのです。

しかし接種を受けたい人が予約開始日に殺到するためコンサートや公演のチケット争奪戦なみになり、予約どころかサイトへアクセスするだけでも難しくなりがち。

ご老人数名の予約を手伝った経験から、確実に予約を取るために知っておくべきこと、用意しておくべきものがあるのがわかりました。

なお都市部と周辺地域の違いや、自治体ごと事情が異なる場合があります。接種を受ける地域の実情に照らし合わせてご活用ください。


はじめに

接種会場にはいくつかの種別があります。また自治体や医療機関ごと予約方法から予約フォームの形式まで違います。そして前述のように、すべて自分で考え選択しなければなりません。

このようにワクチン接種には面倒だったり厄介なことがいくつもありますが、接種が多少遅れたとしても予約は確実取れるので慌てたりヤケを起こしてはいけません。高齢者接種のときと比べ、現在はだいぶ予約が取りやすくなっています。

予約の仕組みを頭に入れて準備さえすれば案ずるより産むが易しです。

予約には電話予約とWEB予約の二通りの手段があります。インターネットに接続できる環境があるならWEB予約をお勧めします。

電話の場合は繋がるか繋がらないかの2択です。電話をかけたときすぐオペレーターが出なかったことで諦めてしまう人がいます。WEB予約の場合は繋がった瞬間の予約に失敗しても数秒から数分後に枠が空く可能性があります。

この記事ではインターネットでアクセスするWEB予約について説明します。


知っておくべき基本のきほん

ワクチン接種には[個別接種][集団接種][大規模接種]と[自衛隊大規模接種センター][福祉施設等従業者向け優先接種]といった、誰が主体となって運営し、どこで接種するかの違いがあります。

まず国や自治体のWEBページにアクセスして、それぞれの違いを知り、どの方法で接種したいかを考えましょう。上に挙げたもののなかで[自衛隊大規模接種センター]では既に18歳以上の受付が開始されているので、今回は自治体が運営する[個別接種][集団接種][大規模接種]について説明します。

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・個別接種とは

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[個別接種]は医療機関(病院)で行います。原則として住民票を置く自治体にある医療機関で行うこととされているので、別の自治体にある病院では予約できないことになっています。[個別接種]では既に若年層の接種が開始されています。

[個別接種]を行う医療機関は自治体のホームページに掲載されています。

[個別接種]は集団接種と別枠で運用されています。ワクチンが供給されるタインミングも他の接種とは別の場合が多いです。このため予約が開始される日にちが集団接種と違っています。

[個別接種]を受けようとする人は自治体のホームページで予約を受け付けている医療機関を調べ、それぞれ事情が違う医療機関の予約情報を一つひとつ調べる必要があります。

[個別接種]は自治体の予約フォームからは予約できません。予約はそれぞれの医院へ電話をかけるかインターネットでアクセスしますが、医療機関ごと予約ルールや予約フォームの形式がばらばらです。

(ただし以上とは事情が異なり、自治体のホームページから予約が可能な場合もあるので地域の実情を調べることをお勧めします)

個別接種医療機関として自治体に登録されていなくても、数ヶ月以内に通院実態がある人などを優先してワクチンを接種している病院があります。ただし、すべての病院が行っているわけではなく、実施している病院ごとルールが異なります。実施している病院を探して問い合わせるのもひとつの手ですが、一般公開していないものであるうえに、定期的に通院している患者への接種を目的にしているため選択肢からはずしたほうがよいでしょう。

・集団接種 大規模接種 とは

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[集団接種]と[大規模接種]の違いは規模の違いくらいに考えればよいでしょう。[集団接種]はご近所の公会堂など、[大規模接種]はそれより大きなホール規模の施設です。

[集団接種]と[大規模接種]の予約は、自治体のホームページからリンクされた特設サイトで行います。

予約の取りやすさは、会場の規模と利便性の差によって決まります。多くの人にとって便利な会場に予約が集中する傾向がありますが、集中した人数を規模で吸収できるならその会場は枠を確保しやすいと言えます。

圧倒的に規模が大きく処理能力が高い[大規模接種]会場のほうが一般的に予約を取りやすい傾向があります。この記事では説明を省略していますが、東京と大阪の会場に出かけられるなら[自衛隊大規模接種センター]は空き枠を取りやすい状況が続いています。


・[個別接種]か[集団接種]または[大規模接種]か

あくまでも経験則からのアドバイスですが、個別接種より集団接種/大規模接種のほうが予約が取りやすく、接種までの待ち日数が少なくて済む傾向があるように思われます。

予約では直近の実施日から数週間後まで期間が区切られ日程が公開されます。この中から都合のよい日を選ぶことができればよいのですが、多くの人が予約を入れるためかなり先の日取りしか枠が空いていないかもしれません。こうなると予約を入れた日からかなりの日数を待たなければなりません。

個別接種で接種がかなり先になる可能性が高いと言わざるを得ないのは、通常の診療をしながら少数の医師が接種をしているからです。このため個別接種では接種枠が取れても接種は1ヶ月先といったケースも少なくありません。また自宅近くの医療機関で個別接種を受けたいと願う人が一定数いるのも混雑する状況に拍車をかけています。

いっぽう集団接種や大規模接種では大人数のスタッフで接種のみ行っているので接種が捗ります。集団接種と大規模接種では予約が取れれば2週間程度以内に第一回目の接種が可能でしょう。

しかし人それぞれ事情があるはずで個別接種を選びたい人もいるはずです。でも、その事情はどうしても譲れないものでしょうか。個別接種に拘っていると予約枠の確保から接種までかなり先になる可能性をふまえて、自分にとって最適な接種会場を選択すべきです。

また地域や時期によって個別接種のほうが予約を取りやすい場合もあります。こうした事情を知るには、個別接種をしている医療機関のホームページなどで予約状況などを調べておくとよいでしょう。

規模


・接種券と券番号

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ワクチン接種の対象者には「新型コロナウイルスワクチン接種券」が住民票の住所に郵送されます。

郵送された封筒には、接種券と予診表、ワクチン接種についての説明などが同封されています。接種券には[券番号]と1回目と2回目の接種で使うシールが含まれます。

予約をする前に「新型コロナウイルスワクチン接種券」を確認して、何か問題があれば自治体に問い合わせをします。接種券を紛失などした場合は住民票がある自治体から再発行が可能です。


・予約と予約枠

自治体によって細かな違いがあるとはいえ、集団接種や大規模接種の予約は2週間前後の枠が設定され、次回以降同じように期間を区切って枠が設定されていくのが一般的なようです。個別接種では一回の予約で1ヶ月先くらいまで枠が設定される印象があります。

予約枠

ここまでに説明した[個別接種][集団接種][大規模接種]の違いを踏まえて、第一候補と第二候補以降の選択肢と優先順位を事前に決めておけば対応に余裕が生まれます。

では、具体的に何を準備すべきか列記していきます。


予約開始の1週間前にやっておくこと

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1.[個別接種][集団接種][大規模接種]のいずれかを決める。
[個別接種]と[集団接種]と[大規模接種]は、それぞれ予約する人にとってメリットとデメリットの違いがあります。

またコンマ数秒を争う予約枠争奪戦では、[個別接種][集団接種][大規模接種]すべてに予約を入れようとするとあれもこれもと取っ替え引っ替えしている間に空き枠が埋まってしまいます。

だから、どの接種会場を第一候補にするか、まずは決めるところから準備ははじまります。

それぞれの特徴、枠の取りやすさや接種までの日数についての傾向は既に説明した通りです。

自治体が公開している情報を確認したり、どこでどのように接種したいか、いつ接種するのが理想的かといったことを考えたり調整しているうちにあっという間に予約開始日がきます。だから1週間前には準備をはじめるべきなのです。

2.接種場所を決める。
個別接種、集団接種、大規模接種いずれであってもどこに接種場所があるか知らなければ予約はできません。

個別接種を行なっている医療機関は自治体が公表しています。集団接種、大規模接種の会場も同様に公表されています。

選択

当日緊張したり慌てたりたいへんな思いをして会場に向かうのは接種前に避けたいですし、接種後の帰り道に副反応が発生する可能性も考慮しなければなりません。つまりどこから会場へ向かうか、どのようにして帰るかが大切です。

隣の街や地区など遠いと思っている場所が、あんがい近かったり交通機関を使うとむしろ短時間で移動できる場合があります。地図や路線図を見て幅広い候補から絞り込んでいくのがよいでしょう。

[個別接種][集団接種][大規模接種]の中からひとつに絞っておくべきであると書きましたが、接種会場は候補を立地をもとにいくつか候補を用意しておくべきです。

集団接種会場はすべて同時に予約が埋まるわけではありません。それぞれの接種会場ごとに枠の数(処理できる人数/会場の規模)があり、利便性の違いによって予約が集中したりそうでなかったりします。しかし枠の数が多い規模が大きな会場ほど予約しすい傾向があるので、優先順位をつけるとき参考にするとよいでしょう。

3.予約の手順を頭に入れる。
個別接種は医療機関ごと予約の方法が違います。電話のみでWEB予約がなかったり逆の場合もあります。WEB予約では予約フォームのつくりが違うだけでなく、事前に何らかの手続きをしておかなければならない場合もあります。

自治体が運営するワクチン接種では予約ページのURLをブックマークしておきましょう。さらにどのような手順でなにを入力するのか説明が自治体のホームページに掲載されているかPDFファイルが用意されているので熟読しておきます。

4.[券番号]とメールアドレスをテキスト化
自治体ごと予約の手順が違っても入力する内容は券番号は必須です。

予約の手順を調べてわかった他の入力項目たとえばメールアドレスなどを、券番号とともにコピー&ペーストできるように保存しておきます。

券番号などは暗記できるかもしれませんが、一刻を争うときミスなく入力するのは難しく、コピー&ペーストで済ませるほうが圧倒的に速く成功率が高いと言えます。

入力項目の保存はPCならメモ帳など簡単で扱いやすいソフトを使い、

あとは当日はファイルからコピー&ペーストして入力するだけです。PCとスマホでは入力のしやすさに個人差があるとしても、PC上でコピー&ペーストするほうが楽な気がします。


予約当日

予約完了までの所要時間はすべてスムースに進んだ場合は5分以内で済みますが、入力フォームに入れず待機させられたり、枠が埋まったあと空き枠が出るのを待つのが普通と考えておきましょう。

自分はどれくらい待てるか、あらかじめ予約にさける時間を当日の他の予定とあわせて想定しておきます。

なお自治体のホームページや予約フォームの構造によってはここからの説明通りにならないことがあります。

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1.予約開始30分前に待機
(お勧めはPCでアクセスですが)30分前にPCやスマホで予約サイトへアクセスしてみましょう。券番号などコピー&ペーストする準備もしておきます。

なぜ30分前なのか。30分前ならほぼ確実にホームページにアクセスできます。10分前ではアクセスが殺到して画面にページが表示できない場合があります。

この段階ではまだ予約フォームを開くことができませんが、予約フォームを開くためのリンクボタン等が表示されていることが重要で、このためにアクセスが殺到する前に待機します。

ただなかには予約開始とともにページの情報が更新されて年齢チェックなどが加えられる自治体のホームページもあるかもしれません。こういう場合もあるので事前に予約ページを確認しておき、いつアクセスしたらよいか各自が決めてください。

「どれかひとつはアクセスしたり予約したりできるだろう」ブラウザのタブをいくつも開く行為は、サーバーが検出してタブを閉じるように警告されたり、そのうちのひとつだけアクセス可能にされる場合があります。

下手な工夫をしなくても正攻法で十分です。

2.フォームへ進む
時刻がきたら予約(または登録)ページへ進みます。

予約(または登録)ページが表示されたら指示に従います。

ページが開けず、表示までしばらく待たされることがあります。このとき多くの人が次のような行動をとります。
A.あきらめてページを閉じる
B.再読み込みする
どちらも予約枠を取る可能性を捨てるだけで得るものがないのでやめましょう。

いつまでも予約ページに入れないと感じても、待ち時間の間にあきらめてページを閉じる人が次々あらわれ十数秒から数分でページが表示されることが多いのは憶えておいてよいでしょう。

再読み込みはサーバーへ負荷をかけるため処理が遅れるだけでなく、順番が最後尾になったりアクセス過多のときはページが表示されなくなったりします。

3.登録から日にちの確定へ
券番号などを入力して登録したのち、どの会場で何日に接種するか予約になります。自治体ごと違いはありますが、ここからは素早さが決め手になるので考えるより「進め」、多少の間違いがあってもあとからどうにでもなると腹を括ります。

事前に予約の手順をしっかり頭に入れておけば迷ったり慌てたりしないで済みますね。

券番号の入力で迷うとすれば、自治体ごと接種券の書式が違い10桁の番号が5桁ごと2つに分かれ間にスペースが入って印字されている場合があることです。本来この番号は区切りのない10桁の番号なので、スペースを入れず入力(コピー&ペースト)します。(心配なら各自治体が公開している「入力方法の図解」を確認したり、問い合わせて質問しておきます)

その後、日にちの確定になりますがここまできて空き枠が皆無になっているケースがほとんどなので、あきらめてページを閉じてしまい多くの人が予約できないままになっています。

しかし予約が完了したにもかかわらず直後に取り消す人が必ずいます。このため数分から十数分以内に再び空き枠が出ることが多いので待機できる人は諦めずに待ったほうがよいでしょう。

むしろここからが本番と思っていたほうが気が楽で、枠の状況が変わり空きができたら押さえるゲーム感覚で臨むのがよいかもしれません。

集団接種の予約が取れなかった場合でも、大規模接種の枠が当日の午後まで空いていたりします。気を取り直してチャレンジすることをお勧めします。

☆無駄な動きをせず素早く進めてじっと待つ

再読み込みは無駄なだけでなく損。考えたり迷ったりせず、とにかく進める。予約さえ取れたら、あとからなんとでもなる。待つべきとは待つ。

こうした有効な手立てがとれるのも事前の準備があればこそです。



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