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傷つきやすいHSP看護師さんへ

私は看護師として20年以上働いてきました。
HSS型HSPの看護師です。

HSPという性質があると知ってから、自分が若い頃から働いてきて、ずっと感じていた辛かった気持ちはこういうことだったのか!と救われる気持ちにもなりました。

単純に「あ〜だからずっと辛かったんだ〜」
「だから、共感しすぎて辛くなるし、寄り添おうとすると他の仕事が疎かになったりいっぱいいっぱいになってしまって、抜けが多くなったりしてしまったんだ〜」
「だから、誰にもわかってもらえないという感覚がずっと続いていたんだ〜」なんてことに気がつきました。


その上で私個人の見解で正直に言いますと

HSPの人は看護師には向いていない」と思います。


正確にいうと、業務内容も環境にも、この気質が活かせます!適しています!が、活かせていると感じるには、正確に自分の頑張りを評価できたり自分のマインドのコントロールや考え方の変容が不可欠なため、それができないと自己肯定感がどんどん急落してしまうのです。

HSPは、自分に厳しすぎるんです。


実際、HSPは人の心に敏感で繊細な感覚を持ち、それがわかる共感性があるからこそ、それを活かして病気で苦しむ人を助けたい!貢献したい!自分でも役に立てるかもって看護師になる人が多いのだと思います。

振り返ってみると、今までHSPの気質を持つ看護師とも多く出会ってきたような気がしますが、リーダー的存在の人はいませんでしたし、どちらかというとひっそり仕事をしていて、浮いてしまって攻撃されるか、ヒリヒリした環境でも信念を貫いて辛くなって辞めて行くか、改善しようとしてみんなに白い目で見られるか・・・優しいという都合のいい解釈をされて、何でも屋さんになるか、ネガティブな愚痴などをじーっと聞いているか・・・HSPではない人に都合よく使われるか・・・

働いている方は、おわかりかと思いますが、看護師という仕事は、対人であり、人の痛みや、弱さに触れる機会が多い仕事です。

また、医師、患者、同僚、他職種との関係の中でのハラスメントや、マウンティングや、古い風習や慣習、患者さんからの看護師さんはこういうものという固定概念を前提とした良いイメージを求められたり、それに応えられないと執拗に責められるなど、繊細で傷つきやすい人にとっては、過酷な職業ではないかと感じるのです。

患者さんから病院や医療システム、医師との関係などを指摘されることも多いですが、そもそも国の医療制度がもたらした現状である部分も大きく、看護師個人に指摘したところでどうにもできないと感じることが多いです。正論なのはわかりますが、どうにもできないことを言われると自分がだめだと言われているかのような感覚になってしまうこともあると思います。

他人の感情を、ともすればその人以上に受け取ってしまうHSPにとっては報われない気ちになるのも当然です。

特に医療の現場は何らかの苦痛や異常事態を体験している真っ只中の患者さんにとって、普段は言わないようなことを言ってしまう、辛い気持ちが怒りやイライラに変わって看護師にぶつけてしまう、苦痛があるから病んでいる自分という存在の尊厳を主張したくなる場でもあります。

そして、改善を求められても、対応困難なことが多く、まともに受け止めてしまうHSP看護師にとっては、無理ゲーな要求と、こなさなければいけない看護業務、その他の名もなき業務と、次々と苦痛を改善してほしい!!!と問題がぶつかってきて、もう戦えない、解決できない、改善できない、安楽にしてあげられない、もっともっと・・・できなくちゃ、役に立てなくちゃ!もっと役に立っているスタッフもいるのに、自分は・・・と比較したり、していませんか?

ただ、HSPはただ、純粋に人の役に立ちたいと思っているのに・・・

ただ、困っている人、苦しんでいる人の助けになりたいだけなのに・・・

ただ、よかれと思って自分を犠牲にして我慢して頑張っているのに・・・

そうなんです!あなたは頑張ってるんです。

「そんなのみんな一緒でしょ?」なんて聞こえてきますが、絶対的に違うんです。

受け取る情報や感情の量が違うのですから。

気づきや、それに呼応してしまう自分の感情などの量が半端ないんです。

それでも、HSPさんは自分を犠牲にして相手のためにと頑張ってしまうため、その頑張りが認めてもらえなかったり、周りがそれを大切なことと認知してもらえなかったり、患者さんや医師によっては、そんなの当たり前って思われていると感じることが多いんです。だから、わかってもらえないし、報われないと感じてしまうのです。

大きく括って、医療は人間関係なんです。しかも不完全な人間関係から成る環境なんです。

だから、声を大にして伝えたいのは、傷つくポイントが多すぎるんです!!

これが、半端じゃないくらい傷つきます。えぐられます。ズタズタにされるので、それを癒す力が必要なんです。そして、癒すのは自分であれ!なんです。

ズタズタなのに、人のためが前提の考えなんて、そりゃ負荷がかかりすぎて破綻するのは必然なんですよね。当然です。

本当は、もっと自分のためで良いはずなんです。それが、患者さんのためになるんです!

そんな大きなこと求めてないし、もっと大事なことあるのでは?そのためにそんなことは流せば良いのでは?と思われるかもしれませんが、HSPの人の役に立ちたい気持ちを舐めてもらっては困ります。笑


でも傷つかないようにはなれません。


こればっかりは気質なので。

だから、自分の気持ちをジャッジしないことが大事なんです。

良い、悪いではないし、ゼロか100でもないんです。

長く働けば、慣れるか受け止め方が変わるかもってずっと思って働いてきましたが、自分はそんな風には現時点ではなれていません。残念です。こんなに長い人生を看護師に費やしてきたのに・・・

だから、ストレートに気持ちを言うのなら、辛いなら辞めたほうが良いってことです。

それなら、自分が生きていて楽しいと思えたり、幸せだと思えたりするくらいの環境を探す、創る努力をしたほうがずっと幸福感や達成感が得られるのではないかと思います。

すでに頑張っているんです、あなたは。自分の気質をフル活用して頑張ってるんです。

そんな自分を認めて、優しく見つめてあげて欲しいんです。他人よりもまず自分を大事にしてくださいね。

せっかく看護師の資格を取ったのに使わないなんてもったいない・・・なんていわないで。

自分を嫌いになるような資格で頑張っている自分のほうがよっぽどもったいないと思うのは私だけでしょうか。




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