見出し画像

Kポオタク8年目、ついに韓国語を習い始める


何年も前だが「ちょっとコンビニ行ってきまーす」くらいの気軽さで韓国へ行っていた時期がある。元推しグループのカムバック、コンサート、カンジャンケジャンが食べたい…理由は様々だったけど周りが異常に思うくらいには頻繁に渡韓していた。
「また行くの?」「もうお土産はいらないから」と何度となく言われたし、「そもそも韓国語できるの?」とよく質問された。


その質問の答えは「言葉はなんとなく聞き取れるけどハングルは一文字も読めない」だ。


正直韓国旅行をするだけなら全く韓国語が分からなくてもなんとかなる。
1番最初に渡韓した際はまだK-POPにもハマっていなかったし、それこそ挨拶しかわからなかった。ホテルや観光地には大抵日本語を話せる人がいたし、飲食店のメニュー表なんかもご丁寧に日本人用があったりするから全く困らない。

結構長めに滞在したりソウルだけでなく地方に行ったこともあったが、その時ですら「アンニョンハセヨ〜」「カムサハムニダ〜」「ハナジュセヨ〜」で乗り切った。
ちなみに英語圏へ長期出張していた際も「Hello」「Thank you」「This one, please」で乗り切った。韓国語にしても英語にしてもその3つさえ言えればなんとかなると思っているあたりバカが露見する。



韓国アイドルを好きになり、毎日のように韓国語を耳にして聞き取れる言葉は多くなっても、どうしてもハングルだけは読める気がしなかった。なんせ推しグループのメンバーの名前すらハングルで書かれると読めないという筋金入り。
ハングルは読めるようになるだけなら簡単だよ!と言われても、丸と棒を組み合わせた記号みたいな文字をスラスラ読めるようになる日が来るとは思えなかったし、覚えなくても困らないし…と思っていた。



そんな私が長い時を経てハングルを読めるようになりたいと思った。
きっかけはアイドル…ではなく韓国ドラマ

私は韓国ドラマがとても苦手だった。
K-POPにハマるより前に友人から勧められて韓国ドラマを見た際、「えーなんでこんなことで怒るの?」「こんなにヒステリックにならなくても良くない?」「場所を弁えようよ…」「言い争いのシーン多すぎるし怖…」などと登場人物に全く感情移入できなくて数話で見るのをやめた事がある。ドラマの演出だと思っても無理だった。

K-POPにハマり「今ならいけるだろ!」と高視聴率で有名なドラマを見たが、やはり同じようなことを思って撃沈。一度ついてしまった苦手意識は根深くて、そこから長いこと韓国ドラマを見ることはなかったし自然と韓国映画も避けていた。


2019年、評価が高いからという理由だけでポン・ジュノ監督の「母なる証明」を見た。

「強烈」の一言に尽きる映画だった。とにかく強烈で衝撃。
演出は素晴らしく、全体を通して芸術性の高い作品。ラストシーンはとても美しいのに狂気的で観終わってからはしばらく呆然としていたのを覚えている。
韓国映画って凄いんだな…とポン・ジュノ監督の作品や有名韓国映画を見続けた。「パラサイト」は3度映画館へ足を運んだ。

2020年GW、韓国映像作品への苦手意識が薄らいでいたところ、梨泰院クラスにどハマり。3日で全16話を鑑賞し、「韓国ドラマ面白すぎ!!!」ところりと手のひらを返した。(この時はテテちゃんがOSTに参加してたなんて知らなかった…梨泰院のOSTはGahoさんのSTARTが好きすぎて…)
愛の不時着、賢い医師生活、サイコでも大丈夫…他にも色々と韓国ドラマに手を出して、すっかり苦手意識は無くなった。
中には苦手だなと感じる作品もあったけれど以前ほどではなかった。


そしてきっかけとなるスタートアップとの出会い。

スジが好きだからという理由で見始めたドラマだったけども、1話からとても惹き込まれたし号泣した。夢を持った若者たちが起業を目指し成長していくストーリーでどこか梨泰院クラスに似たものを感じるけど、梨泰院より明るく爽やかに進んでいく。

自分に変化が現れたのは4話の鑑賞中。
スタートアップ企業が集うサンドボックスへ入居するため選考試験を受ける主人公ダルミ。試験の前に“私は〇〇のためにスタートアップする“というお題に対して自分の想いを紙に書いて貼り付ける。(上に載せた予告編でも一瞬出てくるシーン)
壁一面に貼られた様々な人の「夢の理由」。だけど字幕がつくのは登場人物のものだけ。「ああ、ここに貼られているもの全て読めればいいのに…きっと素敵な理由が書いてあるのにな」と思った。


たったそれだけ。でも自分自身で凄く驚いた変化だった。ハングルなんて読めなくていい、長い間そう思っていたはずなのに。


気が変わらないうちに…と思って翌日にはAmazonで口コミの高いハングルの練習帳を購入していた。


それを読んで本当にびっっっっっっくりした。
DynamiteのMVを見た時と同じくらいの衝撃。

「ハングルの成り立ちってそういうことなの!?!?」

読める!たった数十分であのスラスラ読めるようになるなんて不可能と思い込んでいた丸や棒の組み合わせが読める!その時の感動といったら…!!何かを理解するのってこんなに楽しい?もっともっと読めるようになりたい!そう思った。

「勉強」というものがとにかく嫌いな私。学ぶことを楽しいと感じるのはもしかしたら人生で初めてだったかもしれない。


まだ勉強を始めて数ヶ月だが、聞き取れる推したちの言葉が増えた。
聞き取りだけなら多少できる気でいたが、あくまで知っている単語と単語を組み合わせて想像しているだけだったことに気づく。最初から最後まで一つの文章として理解できるというのはとても新鮮な喜びで楽しかった。
より深く学びたいと思わせてくれたのは確実に「推し」だ。


勉強は途中まで順調だったのだけど、変化する発音、そもそも発音が合っているのかなど早々と独学に限界を感じた。(独学で習得した方本当に尊敬する!)

もっともっと学びたい。彼らの話す言葉をきちんと理解したい。
推しが私の原動力になる。


K-POPにハマって8年目にしての決意。韓国語、真面目に勉強するぞ!
ここに至るまで長かった。というか何かを勉強しようと思う日が来るなんて!


推しってすごい!!!!


2021年、韓国語教室へ通うことにした。
目標は「どれでもいいから推しの動画を最初から最後まで字幕なしで理解する」だ。なかなか難易度が高い。

とても気さくな韓国人の先生とのマンツーマンレッスン。生徒さんの8割くらいがK-POP好き、そしてその半分以上がArmyだそう…。BTSの凄さをこんな所でも知ることになる。

教室には生徒さんが持ち込んだBTSのポスターが貼ってある。
体験レッスンの際、先生に座るよう指示されたのは彼らがとてもよく見える席。
「君たちが私をここへ連れてきたんだぞ」なんてことを思う私はとても痛々しい。そもそもアラサーで好きなアイドルの言葉を理解したい!なんて理由で習い事を始めるのも周りからしたら痛々しいのかもしれない。でもいいんだ。


「推し」という原動力がある私は、人生で初めて「学び」に貪欲。
私にとって、とても意味のあることだから。



次回「韓国語教室でびっくり仰天!元推しグループのポスターがない!」です。(多分)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?