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乃木坂46「きっかけ」が受験期の心の支えだった

私は高校2年生の冬に乃木坂46にハマった。高校3年生は乃木坂の楽曲をひたすら聴いていた。大学受験を控え、起きている時間の半分は勉強に費やしていたわけだが、その間英語長文や現代文・古文の読解以外の勉強のときはいつも音楽を聴いていた。春には「ハルジオンが咲く頃」、夏には「シンクロニシティ」を延々リピートしていたのだが、秋に初めて「きっかけ」をちゃんと聴いて、それ以降大好きな曲になった。
受験勉強をしているときはもちろん、共通テスト当日の休み時間、私大の受験会場でお昼ご飯を食べるとき、東京に向かう新幹線の中など受験期のあらゆる時に「きっかけ」を聴いていた。本当に心の支えだった。

落ち着くメロディーも好きなのだが、一番好きなのは歌詞だ。個人的に、「きっかけ」の歌詞は乃木坂史上最高傑作だと信じている。
以下、特に好きな歌詞の抜粋

決心のきっかけは 理屈ではなくて
いつだってこの胸の衝動から始まる
流されてしまうこと 抵抗しながら
生きるとは選択肢 たった一つを選ぶこと

誰かの指示 待ち続けたくない
走りたい時に 自分で踏み出せる
強い意思を持った人でいたい

決心のきっかけは 時間切れじゃなくて
考えたその上で未来を信じること
後悔はしたくない 思ったそのまま
正解はわからない たった一度の人生だ

歌詞を書きだしただけで泣きそうになった。
歌詞を見てもらえれば分かるように、普通にいい歌詞なのだが、私はこの歌詞にすごく共感する部分があって、強い思い入れがある。

私はそれまでぼんやり生きていて、なりたい自分像はあるものの自分がどこの大学に行きたいのか分からず、親に勧められるまま志望校を記入していた。そんな中、聖地巡礼感覚で推しの母校に行った時、私はそのキャンパスに一目惚れした。偏差値を大幅に上げることになるが、絶対にここで大学生活を送りたいと思った。なんなら冬の夕暮れにキャンパスで友達と話す自分が想像できた。まさに「決心のきっかけは理屈でなくて」だった。

これまで周りに流されるように生きてきて、高校受験の際も担任と母親の強い勧めで、大して行きたくもない私立高校に推薦で入学した。高い目標を掲げて、長期間ひたむきに努力するだなんて、私にとっては生まれて初めての経験だった。自分の意思で「志望校」を決めて前向きに努力できている受験期、「誰かの指示 待ち続けたくない」「走りたい時に自分で踏み出せる強い意思を持った人でいたい」という歌詞は私の心に強く刺さった。

結局現役で第一志望に合格することは出来なかったが、別の大学に進学後に仮面浪人をしてもう一年大学受験しようと思えたのは間違いなくこの曲のお陰だ。マジョリティーではない人生になるかもしれないというリスクがあっても、再受験を自分の意思で決められたことを誇りに思う。
結果3回の大学受験を経ても志望校には合格できず、現役で進学した大学に残留し3年生になったわけだが、そんな今でも私にとって「きっかけ」は青春であり、人生を変えた受験ソングである。

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