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小さな事だけど、日常がふと非日常に変わる時

私が良く通う2件のローカルカフェ。オーナーのポー君は両腕にがっつりタトゥーを施していて見た目厳つい割には、いつも笑顔で会話をしてくれる。

コーヒーを頼むときに、牛乳かその他、オートミルク、ソイミルク、アーモンドミルク、などを選ぶことができる。
いつもオートミルクでコーヒーを頼んでいた私が、ポー君と何気なくした会話で、私が”ライスミルク”を好んで飲んでいるのを知ってから、ポー君カフェにライスミルクを置いてくれるようになった。ライスミルクがおいてあるカフェは殆ど無い。ポー君カフェがライスミルクを常備するようになってから、コーヒーはそこでしか買わなくなった。「私の為にライスミルクを常備しておいてくれるなんて、ポー君、ありがとう」と心から感謝している。

バリスタのお姉さんが、私の顔と好みのコーヒーを覚えるまでにさほど時間はかからなかった。
「Rice milk Moca?」
「Yes please」
「Yah, got it. I know Its only you order coffee with rice milk !!」

私がライスミルクが好きで、常備してくれてるから私はよく買いに行く。他では買えないライスミルクモカが飲めるから素直にうれしくていつもそこでウキウキしながらコーヒーを買う。家で一息つくようにと出掛けた先から家に戻る前に、ドライブが始まる前に。買い物や用足しの途中に。図書館へ行く前に。疲れている頭をスッキリさせてくれる。よし頑張ろうと、元気が出る。喉を潤す。


でも。
しばらく経って、私は店員さんの言う、its only you order coffee with rice milk の意味が自分の中で変化していくのを感じる。バリスタさんに、他にもライスミルクで頼むお客さんいる?と何気に聞いてみたら、あなただけよ!と笑顔で返答された。最初のころは、私の好みの為だけに作ってくれてるんだー特別感半端ない!と嬉しかったけど、日をおいて、3回くらい同じ返事が返ってきてからは、なんかプレッシャーを感じるようになった。

一度口を開けたライスミルクのパックは、7日以内に消費とかなはず。私以外に誰も飲まなければ、私が1パックを消費しないと、残った分は処分になる。週に何回通えば良いの?他のプラントベースミルクたちと一緒に並ぶ(紙パック常温保管)あの私しか飲まないライスミルクたちは、賞味期限が切れる前に私が消費しなければ、どうなっちゃうの?他に誰が消費するの?処分になる?そして経費の無駄に、なってる?

そう感じてからは、足が遠のく。私が好きなライスミルクモカが買えるのに、なぜかお店に行くのを躊躇う。。。どうしてこんな気持ちの変化が起こった?

そしてついにポー君の2件あるうち1件のバリスタから言われた。もうライスミルク補充するのやめますよって。ですよね。なんか、申し訳ありませんって気持ちです。私だけの為に。でも、そういってくれて逆にほっとした。残りの1店舗ではまだライスミルク置いてあるから、そっちに行けば買えるよ、とも言ってくれた。うん、ありがとう。うれしいけど、なんかもう行く気になれないよ。残りのライスミルク、私が消費しなければならないの?という強迫観念が沸き上がって、店に一歩足を踏み入れられずにいる。ライスミルクおいてくれたポー君にお礼言って、もう私のためだけならおかなくてもいいよと伝えなければいけないと思っていても、なかなか行く気になれない。


あれだけ通って飲んだライスミルクモカ。

今はもう欲しない。どうしてこうなった。

小さな事だけど、気持ちの変化を感じ取った出来事だった。



Things are Impermanent…….






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