見出し画像

家族でイギリス移住を決めた理由

あけましておめでとうございます。
今年の夏に、イギリスへ移住するのですが、そこまでに至った経緯をご紹介します。

パンデミックが世界を襲い、以前ほど国内外を行き来することができず、閉鎖的な雰囲気が世界を覆っています。また、海外の医療崩壊の状況が日々ニュースで取り上げられたり、アジアンヘイトが助長されているそんな中で、どうしてわざわざ日本を出るのかを読者のみなさまと共有し、同じように考えている方または将来移住したいと思っているの一助となればとおもいます。

日本の少子化支援への不満


日本の少子化が叫ばれて久しいですが、子育て世代への仕打ちは厳しさを増してきています。少子化対策と称して、色々な策が練られているかのように見えますが、現状は、子供がいる世帯への子ども手当の所得制限、コロナの一時金(新しい方)の所得制限、高校無償化の所得制限、、、と制限ばかりで全然手当をもらえません(本当に高齢者支配国家)。
子供がいる共働き世帯が都心部で働けば二人合わせて(額面上は)それなりの給料になりますが、その分、最低限の固定費(家賃、食費、保育園代など)は当然高いです。国からの子育て支援が、大したことない収入によって制限されていくのは本当納得がいかないです…。不動産やら有価証券をたくさんもっていて働かなくても生きていけるような本当の金持ちや、経理でなでも計上しようとする個人事業主ならまだしも、毎日あくせく働いている単なる共働き会社員夫婦への仕打ちはやめていただきたい(もっと言うと、次のトピックで書きますが、中学校受験や習いごとをたくさんやっている現代の子供は、お金がかかります!)。
そんな悶々とした不満を覚えながら母国にいるなら、どうせ(たくさんお金払わないといけない)なら他の世界に旅立って、一味違う子育てを経験してみようかなとおもいました。人生一度きりだし。

子育て環境、教育過熱、中学校受験熱


あくまでも都市部でのことになりますが、子供が2歳になる頃から、小学校受験を意識していなくても、子供にフラッシュカードを見せたりするような知育系幼児教室に通わせる親は少なくないです。英語で運動しながら遊ぶクラスやベビースイミングもとても人気です。
子供が3~4歳になってくると、その習い事熱はさらに加速してきます。
ベネッセが行った「第5回 幼児の生活アンケート」調査(2015年)によると、3歳児の3割、4歳児の47.8%、5歳児の71.4%、6歳児にいたっては82.7%が何らかの習い事をしているそうです。しかも、それは専業主婦だけの話ではないのです!!!ワーキングマザー&保育園組もめっちゃ頑張ってます。
スイミング(都心部はスイミングがあまりないので常にウェイティングリスト状態)、英語(保育園からの送迎付きや、土曜のサタデースクールなど)、ピアノ(効率重視で先生に家に来てもらう場合もある)、公文(保育園のあとに週二回、英語・国語・算数)その他空手やバレエなど・・・
平日週5回、土日もいれて週6が習い事で埋まっていることも少なくないです。本当に!!

子供が小学生高学年にはいると、今度は中学校受験への準備が始まります。昔と違って、中学校受験は、偏差値70超の御三家を目指すような一部の秀才だけのものではありません。偏差値50〜60の中堅私立を目指すような中学受験組もひぃひぃ言いながら受験戦争をしています。中学受験を都心部でサポートした親御さんならわかってもらえると思うのですが、最近の中学受験は出題範囲がとても広く、小5の途中からはじめても到底間に合わないし(間に合う人もいるかもしれないけど辛い)、小3から初めてやっと最低ライン、(むしろちょっと遅い)という感じです。だから、上で書いた習い事も(子供がとてもその習い事が好きでも)当然小5くらいからは制限する、ないしは、辞めることになるのですが、塾通いをサポートする親の負担は全然変わらないか、むしろ、もっとハードさを増します(塾で食べるお弁当を作ったり、夜遅くに送り迎えをしたり、何よりもお金がかかる!!!!!)。小学校の高学年にもなれば、こどもが勝手に塾や習い事にいって、手をかけずに育ってくれるだろう、なんてことにはならないのです。知り合いの親は、長男の中学校受験の歳に、「中学校受験では親は迷ってはいけない、見守るんじゃなくてどんどんリードしていかないといけない」と塾の先生に叱咤激励されたそうです。とほほ。。多分これはレアなケースじゃなくて、他にもこうやって言われた親御さんはいるはずです。

前触れが長くなってしまった、というかもっと色々言いたいことあるんですが笑、結論を言うと、こういった教育過熱気味の子育てが、最近のメインストリームです。レアケースではないです(少なくとも都心部では)。

「小中高、全部公立でいってほしい」という希望をもってらっしゃる親御さんも、最終的には、子供を塾にいかせることがほとんどです。なぜなら、「みんな行ってるから」「取り残されたらどうしよう」「どうせ学童いかせてるからせっかくなら勉強させるか」というような理由で、最終的に巻き込まれることがほとんどです
「受験なんてせず、すくすくのんびり育って、自分の好きなことを見つけれくれたらいいなぁ」という希望をもってらっしゃる親御さんは、インターナショナル・スクールにいったり、モンテッソーリなどのエッセンスを取り入れた特色のある私立の学校や幼稚園を大金を叩いて選んでいます。

このような考え方が私には合わないし、私立小学校に通わせる意義も見いだせないし、インターナショナル・スクールに行かせられる経済力もないので、私は早くこのクレイジーな中学受験至上主義や教育過熱環境から抜けたいなと思いました。


キャリアの多様性・自分で働く場所を選ぶという挑戦


私は外資企業での経験しかなく、日系企業ではたらいたことがないので比較はできないのですが、やはり日系企業に属している方の働き方と外資のそれとは違うと思います。
たとえば、外資的視点では、専門性と職種が最も重視され、働く会社・場所は変わることが当たり前であることに対して、日系的視点では、ジョブローテーション制度などの社内転職市場を通して部署や職種を変えることがあっても、会社を変えることはそんなに頻繁に行われないし、社内事情に精通していることが重視されます。
しかし、終身雇用制度は崩壊し、ビジネスが多様化している今、自分がもっと活躍できると思う場所(国・会社・職種)があるなら、自分で動かないといけない時代です。

住んだことのない国にいくのも、働いたことのない会社へ転職するのもとても怖いものです。また、思い切って一歩を踏み出そうとしているときに聞こえる周りの声(会社変えても変わらない、とかね)によって不安になったり、考えを巡らせているうちにどんどんエネルギーを奪われていくものです。でも、わたしは、自分のタイミングと興味で働く場所(会社、国)を選ぶという挑戦をしてみたいと思っています。

仕事だけじゃなく、産休や介護、傷病で一時的に仕事を離れるようなライフイベントも含めて、自分が活躍する場・助けを求められている場所を自由に何度でも選べるような生き方を肯定的に選んでみたいと思います。


終わりに


日本にいれば安心安全に過ごせるし、ご飯も美味しい。
でも、私の世代は、年金も期待できないし、(いまのままの政策では)日本の少子化も改善しません。いま生きている高齢者のための保険料医療費の負担ももっと増えるのに、私の世代を支えてくれる若者はいないし、定年退職という考え方もなくなり、人生マジで100年時代です。
つまり、80歳位まで、ほそぼそと何かしらの仕事をして、なんとか自分で生きていかないと行けない時代なのです。
そんな長いワーキングライフで、一箇所だけで働く、ひとつの国だけで働く、というマインドセットは物足りないように感じるし、自分が活躍できるかもしれない場所をどんどん開拓していかないといけないと思い、私は海外で挑戦することに決めました。コロナなんかに負けないぞ!

あ、あと、よく、「子供の教育のために行くんでしょ?」「バイリンガルにするためにに行くんでしょ?」「バイリンガルになるから羨まし」と言われます。そう言われたときには、角が立たないように、笑顔でスルーしますが…私はそんなこと一切考えてません。生きる上で必要になれば、言葉なんて1年位でなんとかなるし、ITのチカラで今後の通訳・翻訳機能はますます発展すると思います。言葉は単なるツールであり、「好きなこと」などのトピックがある方がよっぽど強みになります。日本にいても海外にいても、その子どもにとっての「楽しい!!」が(バイリンガルになることより)100倍大事だと思っています。

では、また!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?