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【プロンプト実例付き】 データで振り返る VALORANT Champions 2023

こんにちは!
この記事では、Morphを使ったノーコードでのデータ分析の一例をご紹介します!

今回は、先日行われた人気Eスポーツの世界大会のスタッツを取り上げます。
(Morphチーム内にもEスポーツウォッチャーがいて、趣味の延長みたいな形で楽しくできました 😂)


VALORANT Champions 2023とは?

VALORANT Champions 2023は、世界的に人気のFPSゲーム VALORANT の世界大会で、2023年シーズンの集大成にあたる大会です。

Eスポーツに興味がなかった方も、ティザー映像・オープニングセレモニーが素晴らしかったので是非みてみてください!


こちらはスーパープレイ集です。


世界各地域の予選を勝ち抜いた16チームが集結し、王座を争いました。
日本からも、アジア太平洋地域の代表の1チームとして、Zeta Divisionが出場権を獲得しました。


試合結果は以下の記事が詳しいのでご参照ください。



データでみるVALORANT Champions 2023

今回は、トーナメント全体を通した各選手のスタッツを元に、データの目線からVALORANT Champions 2023を振り返ってみたいと思います。

個人スタッツを見るおもしろさ

データからEスポーツ (スポーツ) を分析するという際には、さまざまな視点が考えられます。
VALORANTは5vs5のタクティカルシューターで、8つのマップ、19体のキャラクターが登場します。そのため戦術面が非常に重要で、マップや試合展開に対する分析なども面白いと思います。

今回は個人スタッツを取り上げますが、以下のような理由があります。

  1. 戦術や試合展開をデータの簡単から語るのは難しい: スポーツでのデータ分析でもそうですが、3次元空間で刻一刻と変化する試合状況をデータ化するのは非常に難しいです。また、選手の心理状況など、捕捉が難しい要素も大きく作用すると考えられるため、データの観点から複雑な試合状況を語るのは難しいでしょう。個人スタッツの方が取り組みやすいと思います。

  2. とんでもないプレーがある: サッカーや野球などでも、「なんでこんなことができるんだ」というスーパープレーが起きることがあると思います。こういった選手個人の驚異的なパフォーマンスはスタッツとして捕捉しやすいと思います。

特に後者ですが、Eスポーツにおいて、信じられないパフォーマンスを発揮する選手がたびたびいます。Eスポーツ、特にシューター系の競技においては、反射神経やマウスコントロールの精度などにそれが現れますが、普段私たちが慣れ親しんだパソコン・モニター・マウス・キーボードを用いてそれが行われていると想像すると、本当に驚異的です。

驚異的なプレーが垣間見える映像を紹介しておきます。本当に信じられません…


今回使う指標: KD

KD (またはK/D, KDRなどとも) はキル/デス比のことで、キル数 = 相手を倒した数 を デス数 = 相手に倒された数 で割った値です。
この値をどう見るかというのは、各競技タイトルのルールや傾向にもよるのですが、大きければ大きいほど勝ち越していることが多い、と捉えることができます。


分析 (プロンプト実例付き)

さて、前置きはこれくらいにして、実際のスタッツを見ていきましょう。
MorphのNotebookを用いてデータ分析を実行する手順については、以下の記事を参照してください。

それぞれの分析内容の下部に、実際に使用したプロンプトも掲載しておきます。

KDが高いプレイヤー Top 10

出力されたチャート


kill_per_map / death_per_map の値の高い順に並べて、上位10件を横向きの棒グラフで可視化してください。 各系列のラベルは、 username [team] にしてください。 チャートの色を濃い青色にしてください。 また、全プレイヤーの平均のkill_per_map / death_per_mapをチャート中に赤線で示してください。

プロンプト

こちらは、KDが高いプレイヤーのTOP10です。優勝したEvil GeniusesのDemon1選手がとても高いスコアを出しています。また、4位だったFnaticからもAlfajer選手、Leo選手がそれに匹敵するスコアを叩き出しています。


チームごとのKDの平均値

出力されたチャート

各 team ごとのプレイヤーの kill_per_map / death_per_map の値の平均を棒グラフで示してください。この値の高い順にソートしてください。
また、全プレイヤーの平均のkill_per_map / death_per_mapをチャート中に赤線で示してください。

プロンプト

こちらはチームごとのKDの平均値を可視化したものです。やはり上位チームが高いスコアを出していますね!


KDの中央値と分散のプロット

出力されたチャート

各 team ごとの 「プレイヤーのkill_per_map / death_per_mapの値の分散」と「プレイヤーのkill_per_map / death_per_mapの値の平均」 をscatter plotで示してください。
各ドットにteamを表示してください。teamは背景色なしのテキストのみで表示してください。
縦を平均、横を分散にしてください。
判例は示さなくていいです。

プロンプト

こちらは少し視点を変えた分析になっています。横軸がチームのプレイヤー5人のKDの分散、縦軸がチームのKDの中央値となっています。
つまり、上に行くほどKDが高く、右に行くほどプレイヤー間のばらつきが大きいということになります。
上位チームは当然KDは高いですが、たとえば4位のFnaticはばらつきが大きいものの、2位につけたPaper Rexは非常にパフォーマンスがまとまっていることが伺えます。


チームごとのKDの中央値 + 各プレイヤーのKD値のプロット

出力されたチャート

各 team ごとのプレイヤーの acs_per_map の値の平均を横向きの棒グラフで示してください。この棒グラフは、濃い青色にしてください。
全体は、各 teamごとのacs_per_mapの高い順にソートしてください。
また、各プレイヤーの acs_per_map の値を棒グラフに重なるように、ドットで表示してください。各チーム内でacs_per_mapの最も高いプレイヤーと最も低いプレイヤーのドットにはusernameも表示してください。判例は必要ありません。この、ドットとプレイヤー名は鮮やかなオレンジにしてください。
また、全プレイヤーの平均のacs_per_mapをチャート中に赤線で示してください。
縦がteam, 横がacs_per_map の値の平均になるようにしてください。

プロンプト

こちらは、各チームのKDの平均値の棒グラフの上に各選手のKDをドットでプロットしたものになります。
優勝したEGのDemon1選手は、チーム内でも突出してることが一目でわかりますね。また、Paper Rexはやはりまとまっています。

こういった複雑な可視化はチャートツールやBIツールで構築するのは非常に難しいですが、プロンプトなら詳しく命令することで実現できます!


チームの中で突出している選手TOP5

出力されたチャート

それぞれのプレイヤーの kill_per_map / death_per_mapの値と、そのプレイヤーのteamの kill_per_map / death_per_mapの平均値の乖離が大きいトップ5のプレイヤーを、乖離が大きい順にソートして表示してください。
そのプレイヤーの kill_per_map / death_per_mapを大きなドットで、そのチームの kill_per_map / death_per_mapの平均値を薄い青色の横向きの棒グラフで示してください。
縦がプレイヤー、横が kill_per_map / death_per_mapの値としてください。
プレイヤーのラベルは、 `username[team]` としてください

プロンプト

最後に、チームの平均KDから突出している選手を可視化してみました。
棒グラフがチームのKD、ドットのが選手のKDです。




さて、今回はEスポーツの分析にMorphを使ってみた、という記事でした!
プロンプトで詳しく命令を出すことで思い通りのチャートづくりができることがわかっていただけたかなと思います。
作例のプロンプトを見ていただくと、チャートの色使いなども細かく指示できることがわかると思います。

ぜひご活用いただければと思います!


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