マーケティングで失敗したBizDevが、新規事業でMOps(マーケティングオペレーションズ)を導入してみたらどうなったか #BtoB事業開発アドカレ
このNoteでお伝えすること
このNoteでは、これまでの新規事業開発におけるマーケティングで苦労した経験から、今回の新規プロダクトの事業開発では、マーケティング体制をこれまでと変えて、MOpsの役割を明確にして取り組んでみたことを書きました。新規事業や今のマーケティング業務で課題感を抱えている方にとって、とって少しでも有意義なNoteになることを祈っています。
自己紹介
株式会社QueueでBizdevをしている小野寺と申します(X:@hayato1844)。2022年11月に業務委託で関わり始め、2023年3月から正社員として参画しています。担当プロダクトは今年ローンチをしたノーコードデータ分析SaaS「Morph」です。職歴としては、営業→データアナリスト(医療データ)→プロジェクトマネージャー 兼 BizDevと経験して、今の会社に入社してからはBizdevとして従事しています。現在のBizDevの役割としては、新規プロダクトということもあり、リード獲得から顧客開発、導入支援まで一気通貫で幅広い業務を遂行しています。
こんな人に読んでほしい
Bizdevだけれどマーケティングも担当領域の方
新規事業に携わっている方
マーケティング施策の管理に困っている方
担当プロダクト紹介:ノーコードデータ分析SaaS「Morph」
Morphは「データを日常の道具にする」というビジョンをもつノーコードデータマネジメントSaaSです。「All-in-one Data Studio」というコンセプトのもと、エンジニアだけでなくマーケティング、営業、カスタマーサポート、バックオフィス、経営者を含む全ての人がデータを簡単に、そして強力に活用することをサポートします。
具体的には、LLMを活用した自然言語からのデータ操作(抽出・変換・集計・可視化)を可能にし、Promptによる指示で簡単にデータ加工、ダッシュボードの構築やアドホック分析を実現します。
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さて、本題。今日のテーマは「BizDevが、新規事業にMOpsをフル活用したマーケティング体制を作ってみた」という話
これまでの事業開発で経験したマーケティング施策実行にあたっての課題
以前、新規事業の事業開発を行っていた時、次のような課題を経験しました。
課題①:施策の数が多くなり、タスク管理ができなくなる
マーケティング施策は、企画→クリエイティブ→レビュー→ツール設定→実施→効果検証→改善案検討、と一つ一つの施策自体の工数がそこまでかからない場合でも、複数ステップ存在します。特に、それらのステップを複数人で行う場合に、進捗管理に漏れなどが発生してしまっていました。
課題②:施策を実施することが自体が目的になってしまう
施策運用がまわりはじめると、KPIが施策の実施回数などになり、気づかないうちにそれをハックする動きをしてしまうことがありました。その結果、それは本当に顧客価値につながるの?というマーケティング施策を行ってしまったこともあります。特に途中から入ったメンバーは、背景を深く理解するまでに時間がかかり、成果が見えやすい短期的な指標をどうしても追いかけてしまう、という課題がありました。
課題③:各種データソースからのデータ統合をエンジニアに依頼する必要があり、工数がかかってしまう
顧客の全体像を捉える、または施策効果を検証するには様々なデータソースのデータを統合する必要があります。しかし、それのほぼ全部をエンジニアに依頼してしまっていたため、ツールが追加されるたび、または必要なデータが増えるたびに、依頼工数がかかってしまっていました。
上記は苦い経験(けどれたしかに学びの多い経験)でしたが、それを糧にMorphを立ち上げる際には、その課題を発生させないために、最初からMOpsの役割をマーケティング体制に組み込むことを行いました。
(閑話休題)マーケティングオペレーションズ(MOps)とは?
MOpsは主にマーケティング組織の中でマーケティング活動のプロセスを定義したり、そのプロセスの運用を担うことを主な目標としています。対比する言葉として、フィールドマーケターがあります。言葉の定義は使われる文脈で異なりますが、ここでは、フィールドマーケターは、ターゲット層に対して企業や製品の価値を効果的に伝える施策を企画から実行までを担当する役割を指しています。MOps担当は、マーケティング組織に所属しているものの、施策の企画や実際の実行などは行わず、マーケティング施策の構築・運用に徹底することで、営業案件の創出を担当するフィールドマーケターの効率化をはかることに主眼をおきます。
※01GROWTHさんのページがわかりやすいです(あと『MOpsの教科書』は必読)
具体的に実施したことの紹介
MOpsの構築①:マーケティング領域の管理者設定とマーケチームのプロジェクトマネジメント
課題①を解決するために行ったのは、
最初から実務担当以外にマーケティング施策管理の役割を設定し、マーケティング領域におけるPMとして機能してもらうようにしたことです。
具体的には、マーケティングカレンダーやチケット管理運用の導入、クリエイティブや実施のプロセス整流化、MTG設計などの役割を担う担当を決め、マーケティング領域の管理を実務から切り離し、実務者(実際にコンテンツを作ったり、メールマーケティングを行う人)が実務に集中できる環境を作ることを行いました。
人数が少ないので、管理者自身ももちろんクリエイティブを担うことはありましたが、管理者の役割を明確化することで、タスク漏れなどの初歩的なミスの低減や実施スケジュールの遵守などに効果があったと感じています。
MOpsの構築②:定期的なチーム全体のワークショップ企画やオンボーディングプロセスの導入
課題②を解決するために行ったのは、
管理者が、施策を一度整理するだけでなく、定期的に顧客のジャーニーマップと照らし合わせて施策整理を行ったり、それをワークショップ形式でチーム全体に浸透するようにすることです。また、途中参画メンバーのオンボーディングプロセスを標準化し、共通認識をもってマーケティング活動に取り組める仕組みを構築しました。結果として、顧客解像度のチーム内でのばらつきを少なくし、コミュニケーションを円滑にしたり、効果的なマーケティング施策を打てるようになったと感じています。
MOpsの構築③:データマネジメントの過半のプロセスをMOps担当自身で行える環境の構築
課題③を解決するために行ったのは、
データマネジメントのすべての工程をエンジニアに依頼するのではなく、データカタログの整理やデータマートの整理以降の工程をMOps担当が自身で行えるような環境を構築することです。
今回の場合、アプリケーションデータは、分析に必要なデータの整理・処理をした上でSnowflakeに連携する工程をエンジニアに依頼し、そこからデータ統合・分析用データベースに連携する工程をMOps担当が行う分担にしました。
各種SaaSツール(mailchimp,Hubspotなど)のデータ連携は、直接、データ統合・分析用データベースに連携するような構成とし、MOps担当1人で完結できるようにしました。
データ統合・分析用データベースには自社開発の「Morph」を利用し、集められたデータの統合・分析を、マーケティングチームが、現場でだれでもできるような環境を構築しました。これによって、エンジニアに依頼しなければいけないプロセスを減らし、一定のデータ項目追加・変更などをMOps担当自身が行えるようにし、変更リードタイムを減らすことができました。
宣伝になるのですが、Morphは自然言語を使ったデータ加工・集計・可視化が簡単にできますので、現場でのデータ活用をお考えの方はぜひNote下部から無料プランをお試し、またはお問い合わせください。
※ここに関しては、そもそもエンジニアをチームに入れても同じ効果が期待できます。ただ、おそらく実行の難易度や保守性の観点からいうと、非エンジニアでも行えるようにすることの方が良いと個人的には思っています
まとめ:最初からMOps体制を作ってよかった?どんな効果があったの?
結論、最初からMOps体制を作ってよかったです。管理タスクが増えて、施策の手数が落ちるのでは?最初は実務者だけのほうがいいのでは?という思いもあったのですが、やってみると、それを上回る効果が得られました。
具体的には、
新しい施策の効果検証もタイムリーにできるので、施策検討のための情報が増える
チーム全体での顧客解像度があがるので、レベルの底上げができる
プロセスを良い塩梅で整理しておくことで、属人性を減らしつつ、スピードも担保できる
などといったあたりを効果としてすごく実感しています。
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上記にもちらっとでてきている、弊社のプロダクト「Morph」は、フリープランもご用意があります。また、有料プランもフリートライアルが可能です。ぜひ下記のページよりお申し込みお待ちしています。
MOps構築についてもっと詳しい話を聞きたい、自社のなかでもMOpsの文脈でMorphを使ってみたいという方は、ぜひ以下のフォームやX(@hayato1844)でDMください!
よろしくお願いします!