円満以上。応援したくなる仕事の辞め方とは
最近転職を考え、パソコンで「円満退社」と検索した。
この記事のタイトルに惹かれたということは、そういう方がけっこういらっしゃるかと思われます。
転職するのも珍しくない世の中になって、会社とお別れする機会は誰にとっても身近な話ですよね。
今いる会社と揉めることなく、お世話になった仲間や上司に迷惑をかけずに辞めたい。
これがいわゆる円満退社でしょうけれど、今回僕は会社にとっても当人にとってもそれ以上に価値のある辞め方、タイトルにもある通り「応援したくなるような辞め方」があるという話をします。
誰もが彼女の門出を応援したいと思った
今年の9月末に辞めたうちの社員の話をします。
彼女は、体調の問題が理由で働き方を変えざるを得ず、転職を検討していました。
いろんな社員の相談に乗り、そこから会社をよくすることを考え提案をくれる優秀な彼女。転職したい旨は事前に人事である僕や上長の役員に相談してくれていて、会社にとっても迷惑でない時期に辞めたいとの意向を示してくれました。
転職が決まってからの数ヶ月。体調的にきつい日もあったのでしょうが、社を去るその日まで技術部門で積極的な姿勢で働き、担当していたプロジェクトをしっかりと引き継いでから辞めていきました。
彼女のやめた翌月、飲み会を兼ねてグッドニュースを共有したり、活躍した社員を表彰したりする3ヶ月に一度の月例会があったのですが、そこに社長の提案で退職した彼女も呼ぶことに。
呼ばれた彼女は「手ぶらで行くのもなんなので」と、事前に僕にメッセージをくれました。
内容は、転職してから気づいたクルーズの良さ6つ。意思決定の速さや役員との距離感、中には挨拶がしっかりできている、なんてのもありましたw
せっかくなので、月例会でみんなにもその内容を彼女の口から語ってもらいました。
どこに行っても彼女のことはできる限り最高の形で応援したい。人事冥利に尽きる別れでした。
彼女の退職から、応援したい辞め方のポイントを整理してみます。
結論から言うと
応援したくなる辞め方の要素は、大きく次の2つ。
当然ですが、辞めるまで同じビジョンを追う者として懸命にやっていたか。
与えられた仕事、自ら手を挙げやり始めたプロジェクトを軌道に乗せ、しっかりと引き継いだか。これができていなければ、惜しまれる別れとまではなかなかいかないもの。
また、事前に相談し、会社にとって痛い時期を避けたか。こちらは完全に会社の都合の話ですが、考えてもらえるととても助かります。
応援したい仲間が辞めるのは寂しい、でも…
仲間が辞めていくときの心境を、過去にうちの社長は「OK Book」という当時のクレドカードのようなものの中でこう語っています。
やるせない。不甲斐ない。寂しい。これが偽らざる本心です。特に、応援したくなるほどの仲間が辞める時の心境はまさにこれ。
しかし、それほどの仲間だからこそ、応援したい気持ちも湧くもの。
上の社長のメッセージはこのように続きます。
事実、辞めていく社員に次の会社でも活躍できるように社長直筆の推薦状を書くこともあります。
心をすり減らすくらいなら
最後に。ちょっとこれまで言ってきたことと逆行するかもですが。
もし会社を辞めるのであれば、応援されるような辞め方で、少なくとも円満に。それが双方にとって望ましいことは確かです。
しかし、必ずしも引き際を美しくすることは、あなたの心を殺したり、身体や社外の人間関係をボロボロにしていい理由にはならない、とも思います。
言うまでもないことかもしれませんが、自分の人生も大事にしてください。
人が辞めても回る経営する責任が経営者や人事にはあるのです。もちろん、長く活躍してもらうのが一番ですから、辞めたくない会社を作ることも人事として当然の仕事。
まあ、でもどうせだったらお互い気持ちよく別れられるのが一番ですよね!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。