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会社の選び方について

本noteでは、社会人経験10年を経てようやく会社の選び方が分かったような気がするので、就活生や転職を検討している人、あるいは企業の採用担当者向けに、「どんな会社に入ったら良いのか」「どんな人を採用したら良いのか」ということを書きたいと思う。

どういう会社に入れば良いのか

結論「趣味が合う会社」に入れば良い。
趣味が合うとは2つの意味があり、
1) 仕事内容や技術・分野に興味がある
2) 社員さんと気が合う

がある。
なぜかを説明していく。ここからは会社側からの視点になる。

「仕事内容や技術・分野に興味がある」人はなぜ会社にとって有用か

 私は製造業2社しか経験していないので、少し一般化しすぎかもしれないが、新卒でも中途入社でも、入社後直ちに価値を出すことは難しい。なんだかんだ言って、その会社の仕事のやり方や技術的内容、仕事内容を覚える必要がある。そうして、ある程度覚えたところでようやく価値を出せるようになる。
 ところで、「技術的内容や仕事内容を覚える」と書いたが、人はどういう状態だと効率的にこれを行うことができるかというと、「それに興味がある」という状態だと考えられる。嫌々覚えるより、「これ面白いじゃん!」と思って覚えるなら時間的にも労力的にも効率的に覚えられると考えられる。つまり、必要な知識を迅速に覚えることが出来て仕事で価値を出せる可能性が高いのは「仕事内容や技術・分野に興味がある」状態だと言える。よって、企業にとって「仕事内容や技術・分野に興味がある」人を採用するのは合理的である。そして、一方の求職者にとっても自分の知的好奇心を多少満たしながらお金をもらえるのだから当然嫌々やるよりストレスが少ないと期待される。いわゆるwin-winってやつである。

「社員と気が合う」人を採用するのはなぜ会社にとって合理的か

 いくら分野の興味があるといっても、仕事はチームで行うものである。気が合わない人と一緒に仕事をすると生産性は低下する。もっと具体的に言うと、気が合わない人同士は単位時間あたりの情報交換密度が不可避的に低下する(心理的な抵抗や共通の言葉を探す労力がかかるなど)。一方、仕事では各個人の情報を持ち合って「場」に集め(いわゆる会議)、最適な意思決定を行う必要が頻繁にある。単位時間あたりの情報交換密度が低下すれば、意思決定が遅延し、仕事の速度が低下する。それは会社にとって望ましいことではない。したがって、なるべく「この人と一緒に仕事ができそうだ」と思える「気が合う」人を採用するのは合理的である。このことを「コミュニケーション能力が高い」などと表現したり「カルチャーフィット」などと表現することが多いように見受けられる。コミュニケーション能力が高いとは、知らない人と速やかに仲良くなれる能力という意味で考える人もいるかもしれないが、会社が「コミュニケーション能力」が大事!などという場合、会社側は無意識に「気の合う」人を探しているだけだと思われる。この場合も、求職者にとっても気の合う人と仕事をするのはストレスが少なくて済むと思われ、win-winである。

一旦まとめると

1) 仕事内容や技術・分野に興味がある
2) 社員さんと気が合う
という会社に入るのが会社にとっても求職者にとっても合理的
である。
これを一つの言葉で表現するなら
 趣味が合う
ということだと思われる。

採用担当者の方へ

 そうはいっても体力や犯罪歴の有無だって大事でしょと本職の方からはいろいろとツッコミどころがあるとは思う。ただ、大枠は間違っていないと思う。少なくとも、求職者にとってはこれを指針に、「自分は何に興味があるのか」を改めて調べたり、「どんな社員さんとなら気が合いそうか」という視点で社員さんと会話したりしてもらえればと思う。
 かつて「このままだったら落とすけどどうする?」みたいなことを採用担当者が発言した記事が一部で話題になったりしていた。全くもって傲慢極まりないと個人的には思う。採用を担当される方は、仮に不採用としたとしても、それは「趣味が合わない人を採用してしまったら、会社も求職者も不幸になるのだから、求職者の人生をより豊かなものにするために、『あなたは我々とは趣味が合わず、ここで働いても幸せになれませんよ』というフィードバックを求職者に与える」という心持ちで求職者と接してもらいたいものである。


まとめ

「趣味が合う」会社に入ると良い。趣味が合うとは以下の2点
  1) 仕事内容や技術・分野に興味がある
  2) 社員さんと気が合う 
      
・会社側としても(無意識的にやっているとは思うが)上記は有効な判断軸
自分が何に興味があるのか、は意外に難しい問題。しっかり内省すると良い
・今この世界では「普通の人の普通の努力」では価値を出しづらくなってきているという流れがあり、それについては言及しなかった。あるべき社会の在り方については別の機会に書く


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