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300円が繋げる未来

小さな頃から好きなもの。

フリーマーケット。

いいものが安く買える…という理由もあったが、使わなくなったものを再利用できるというところに不思議な魅力を感じていた。

中学生の頃、オシャレなお姉さんから買った2枚500円のTシャツを、ボロボロに着倒した後に捨てた時の達成感。

寿命を迎えていないのに捨てられてしまうものを、最大限活用して天寿を全うさせることに、心が満たされていたのだろう。


そんな私が、IT化で出会ったのがフリマアプリだった。

スマホひとつで売りたい品物の登録と、買いたい品物の検索が簡単にでき、アプリ上で取引が完了するのである。

今までは公園のフリーマーケット巡りをしていたのに、スマホさえ持っていれば、全国のアプリユーザーと不用品の売買ができるようになった。

しかも、近所のフリーマーケットとは比べ物にならない数の不用品を。

なんて画期的!なんて魅力的!

フリマアプリに出会ってからは、服飾品から趣味の絵画道具まで、もっぱらお世話になるようになった。


フリマアプリの底値は300円。

出品者も購入者を300円から取引ができる。

では、品物が売れたら300円そのまま手元に入るかと言われれば、答えはノーだ。

運営している事務局への手数料、品物を送るための送料と、正直利益よりも販売のためにかかる費用の方が高い。

費用を差し引いた利益は100円未満。

品物紹介ページの整備。売れた品物の梱包。発送するために行く郵便局。

品物を売るための手間を考えると、100円にも満たない金額は、正直その労力に見合わない。

だけど、ちょっとだけ頑張ってフリマアプリで売れば、手元にあったらゴミとして捨ててしまうものを、必要としている他の人が役立ててくれるのだ。

そう思うと、面倒な作業をしながらも、なんだかウキウキした気分になる。

私が不要になったものを誰かが使ってくれて、誰かが不要になったものを私が使う。

物に命を吹き込む連鎖が、未来のための確かな礎となる。


本日の愛用ワンピース、300円。

小学生の時よりも、社会人の今の方が服飾費は安い。

けれども、心は満たされている。捨てられてしまう運命だったものを、蘇らせることができたのだから。

財布にも地球にも優しいフリマアプリで、私なりの「未来のためにできること」

未来のため、一人一人にできることは小さい。

だが、その小さな一つ一つが集まることで、未来のための大きな力になるのではないだろうか。

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