見出し画像

なぜ1人からチームを作ろうと思ったのか

最近よく、こんなことを聞かれます。

「どうして、1人会社をチーム(組織)にしようと思ったんですか?」

Morning Labo(以下モニラボ)は、個人事業主を1年半、1人会社を5年続けたのち、昨年からは組織として形を変え、3月には4人目の社員が入社しました。

正直に言うと今でも、オフィスを構え、社員にお給料を払い、チームで働くこの状況に、不思議な感覚を覚えるときがあります。もともと、組織拡大や事業成長(上場やバイアウトなど)を目的とした起業ではなかったので、創業当時を知っている友人たちも驚いています。

今日は、なぜ1人からチームを作ろうと思ったのか。その選択の裏にあった出来事や感情を振り返りたいと思います。

「今は1人でやってく」予定のフリーランスの方々、「人を雇うなんて考えられない!」と思っている個人事業主のみなさん、二人目の採用に踏み出せずに悩んでいる経営者の方々に、少しでも参考になれば嬉しいです。


「本当にやばい」と思ったとき、人は変わる

前提として、1人会社だった頃はものすごい「良いとこどり」ができたように思います。自分の生活費さえ確保できれば、仕事を受ける量、働く時間や場所、経営において、自分のペースを最優先して意思決定できます。とても気楽でした。

だけど、そんな状況に危機感を抱いたのは、25歳のとき。疲れがピークに達した結果、腸が炎症を起こし、1週間の入院を余儀なくされたのです。

画像4

それまでにもピンチはいろいろありましたが、自分がアクションを起こせない状態になったのは初めてでした。病院の天井を見つめながら、もどかしさと悔しさ、無力感に苛まれました。

関係各所にかかる迷惑をどれだけ申し訳なく思っても、自分の体が動かなければ、何もフォローができないこと。現場に出向くことはもちろん、パソコンを開くことさえもままならず、ただ時間だけが流れていく悔しさ。

よく「体が資本」とは言いますが、モニラボの脈=自分自身のバイタルそのものであることを痛感するとともに、この脆さって、本当にやばいと痛感しました。

・自分の終わりが会社の終わり
・迷惑をかける仲間もいないが、手を差し伸べてくれる仲間もいない
・この先もずっと走り続けないといけない
・自己成長の限界
・酸いも甘いも一人でしか味わえない

調子が良いときには見えなかった、1人会社のデメリットとリスクを考えるようになったのです。


燃やした命で何を残したいか

退院後は、これからどうしていこうかと真剣に考えました。20代の折り返し地点から30歳までのライフプランを考えると、やはり頭に浮かぶのは結婚や出産のこと…。これまでのように体を壊すような働き方はもうできないなら、いっそのこと婚活に励もうかと思ったことも(!)。

もともとモニラボの起業は、冒頭にも書いたとおり、「組織拡大や事業成長(上場やバイアウトなど)を目的としたものではありませんでした。

では、なんのためにやっているのか?

その答えは、「自分が価値を感じるものに命を燃やして、関わる人に前向きなエネルギーや活力、瞳の輝きを届ける」生き方を実践するためでした。これは、私の人生のテーマでもあります。

スクリーンショット 2020-03-31 23.16.22

▲モニラボサイトビジュアルより

自分を突き動かすものの正体に気づいたとき、結婚や出産の成功だけが自分の人生の納得には繋がらないことを自覚し、婚活無双はやめました(笑)。そして、もう一度モニラボを、持続可能な形で再構築していく手はないかと模索し始めたのです。


最高の共謀者に出会って

そんな折、当時インターンをしていた久保が就職活動を始めました。将来のビジョンを話す中で、彼女の夢を聞けば聞くほど、自分が描くビジョンとの一致を感じました。

はじめて「モニラボにこういう子がいてくれたら心強いな」と思ったのが彼女でした。

それは「会社成長のために雇う」という感覚とはちょっと違っていて、共謀者と手を組むような感覚に近いかもしれません。課題や価値観に共感する仲間と、ちょっといい明日、ちょっといい世の中を作っていく。そんな未来にワクワクしたのです。

とはいえ、人を採用するということは会社にとって一大事。実際に必要なものを数え上げれば、不安は募りました。

・お給料を払う=固定費発生!
・オフィスを作らなきゃ=固定費発生!
・就業規則は?(ない)
・評価制度は?(わからん)
・etc...

大きなハードルは、やはり固定費でしょう。給料やオフィスといった毎月の出費を抱えることは、お気楽だった一人会社とはワケが変わってきます。それだけではなく、規則や評価など、これまで曖昧でよかったルールを明文化する必要がありました。

正直、面倒だし、大変だし、リスキーです。できる自信があったわけではありません。

それでも、1人の絶望とリスクを味わった先に出会った、初めて一緒に働きたいと思った人の存在に、賭けてみたかったのです。前に進んで、ダメなら、またやり直せばいい。そう思いました。

採用したい人がいます

と言うと、当時の税理士はびっくりしていましたが、「それならば」と協力してくれることに。それまで適当に見ていた事業計画とにらめっこして、家賃や給料の目安、売上目標などを提案してくれました(その数字を見て、また不安になるのですが(笑))。

会社の数字と真剣に向き合うようになったのは良いものの、財務資料は数字が小さいし(はずきルーペが必要なくらい)、小難しい熟語ばかりだし、初めは見るたび、めまいに襲われていました。そんな情けない私をそばで心配していたのが、5時こーじこと井上(現モニラボの取締役、私のパートナー)です。

営業や数字の管理を得意とする彼は、モニラボの事業計画についてさまざま相談に乗ってくれ、やがて(今回は割愛しますが)朝渋事業とともに、モニラボにジョインしてくれることになったのです。

久保のはずだった"2人目"の採用者は、なんと井上に。1人を雇うどころか、2人雇う計画に大幅変更。この頃にはもう、「できるか、できないかじゃない。やるっきゃない!!!」という気持ちになっていました。

半年間、井上と会社の基礎を作った翌春、久保が新卒入社しました。


チームの力は想像以上だった

「やろう」を決めれば、不安だった固定費や就業規則の制定も「課題」に変わります。そして、同じように覚悟を持ってジョインしてくれたメンバーが、また私の覚悟を深めてくれました。

画像2

▲2019年4月1日、入社祝い

「私は生半可な気持ちでモニラボに入社していません。会社の再創業に携わりたい。働き方がハードだったり、嫌なタスクもあるかもしれないけれども、泥水を吸うようなことがあっても食らいついていきたい。私の給与とか、2人は気にしているかもしれないですが、最悪「もやし」しか食べれないような会社状態になっても、モニラボの「想い」を体現するのが私の役目です

これは新卒・久保が放った言葉です。

この言葉を聞いて、もう病室にいた1人ぼっちの自分とは、別の世界にいるんだということを実感しました。同時に、創業メンバーの覚悟を裏切るわけにはいかないと、足の底から、奮えるような闘志が込み上げてくるのを感じました。

画像2

▲はじめての社員合宿

チームで働いてみて感じるメリットは、山ほどありました。

・仕事への覚悟が変わる
・自分の長所に全うできるになった
・1+1=2以上の価値がでる
・意思決定が研ぎ澄まされる(個人の気分ではなく会社の意義から逆算)
・苦楽を分かち合える人がいる
・ダイナミックな挑戦に踏み込める etc

その中でも、1人会社の頃との一番の違いは、火事場の馬鹿力ではなく、湧き水のようなエネルギーの増幅を日々、感じられることです。

モニラボのチームは、ビジョンをともにする共謀者たちの集まりです。チームが信じる価値をサービスに落とし込み、それが世の中に届き、誰かの瞳を輝かせることができた喜びといったら、もう何にも代えようがありません。これは絶対、1人ではできなかったことです。

そしてもう1つ、固定費にビビりまくりだった私に教えてあげたいこと。

それは、チームになってから事業は、創業期比6倍成長、前年比売上2倍(利益は5倍!)になったということ。一人でやるよりも、誰かと一緒の方が、ずっと早く、目指す未来に近づけるよ、ということです。


危機感はチャンスである

画像3

入院生活での精神的ダメージは、「点」で見れば悲劇でしたが、「線」で見れば転機でした。間違いなくあの経験が、私を次のステージに運んでくれました。

大好きな「マチネの終わりに」という本にも、こんな言葉があります。

人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細でかんじやすいものじゃないですか?

さて、そろそろまとめに入りましょう。

このnoteで伝えたいことは、「チームは良いよ」「組織化しよう!」ということではありません。モニラボは1つの事例でしかありませんし、私の場合、人との出会いや巡り合わせ、運に恵まれた結果、この選択ができたことを、お分かりいただけたと思います。

ただ1つ、伝えたいこと。それは、あなたがいま「絶対に無理」「これがベストだ」だと思っていることの反対側に、もしかしたら転機やチャンスが潜んでいるかもしれないこと(私の場合はそれが、自分の体調を崩し、苦しんだ1週間でした)。

そして、不意の出来事がくれる、本当の自分へのまなざしが、過去や未来を変える力を持っているということです。大抵そのきっかけは、調子が良いときではなく、悪いときのことが多い。傷ついたり、ボロボロになったとき。人生を変えるチャンスが訪れているかもしれません。


さあ、今日から新年度。

良いことがあれば喜び、悪いことがあればチャンスだと受け取って。
ともに力強く、進んでいきましょう! 


代表・中村 朝紗子

🌈- - - - - - - - - -- - - - - - - - - -- - - - - - - - - -- - - - - - -

Morning Laboでは、共に「あったらいいな」を叶えていく仲間を募集しています。 現在募集中のポジション、「SNSプランナー(中途採用)」に関する詳細はこちらからご確認いただけます。

「まずは話を聞いてみたい」など、カジュアルな面談も歓迎です!このnoteを読んで、何か感じることがあればぜひお気軽にご連絡いただけると幸いです。

▼過去記事をチェック!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?