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優しい傷跡

誰にだって心の支えになる
思い出の一つはあるのだろう。

目の前にある苦い現実から目をそらしたい時
そっと思い出してあの頃に思いを馳せる。

心の奥に大切にしまってあるあの頃の記憶。

40年以上生きてきたというのに
大切な思い出はたった一瞬のこと。

でもその一瞬を積み重ねたあの1年は
私にとってかけがえのない時間で
そしてその時間をくれたあなたには
感謝しかない。


私とあなた。
あのまま一緒にいることは出来たのだろうか。
答えが出ない問いを何十回も考えてきた。

でも今の私は分かる。

一緒にいられたのは
あの瞬間だけだったということを。

人も環境も変わり続ける。
人は成長し続け、そして老い続ける。
環境は自分なんて関係なく変わり続ける。

どんなに熱く惹かれあっても
その熱は必ず冷める。

それでも
惹かれあう相手に出会えた奇跡。
熱くなるその瞬間が一致した奇跡。

熱に絆された2人の時間は確実にあって、
それは消えないやけどの跡のように
私の心にずっと残り続ける。

何年経ってもその古傷をそっと撫でながら
あの日の2人に思いを馳せる。

若くて不器用で自分勝手に生きていたあの頃に
あなたに会えて良かった。

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