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【語源】present

この時期は毎年、息子の誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントを考える。そんな中ふと、「プレゼント」の意味が気になった。調べてみた。

●presentとgiftの違い


「present」…家族や友達など親しい間柄で送る贈り物のこと。「友情」「愛情」「お祝い」の気持ちがこもった私的な贈り物。相手のことを思いながら選ぶ気持ちに焦点が置かれています。同義語の「souvenir」は「present」に近いイメージです。


「gift」…「present」よりも、フォーマルな表現。資産、金品といった「価値のある贈り物」という表現です。贈られる品物に焦点が置かれており、同義語の「donation」は「gift」のニュアンスが強いです。

(https://www.fruitfulenglish.com/blog/tsumuji-9/より引用)


『相手のことを思いながら選ぶ気持ち』、、、素敵ですねぇ。
相手を思う気持ち。確かに、プレゼントにはそんなニュアンスが込められていることは、体験を経て実感があります。

プレゼントを選ぶ時、相手の好きなものや興味があるものを考えて「これをあげたら喜ぶかな」「これをあげたらびっくりするかな」なんて、相手の表情やリアクションを想像しながら選んだり創ったり(文章を書いたり)するもんなぁ。


●presentの意味

形容詞、動詞、名詞の3つの顔があるわけですが、名詞に限定してピックアップします。
大きく分けて2つの意味、
①贈り物
②今現在
がある。「今現在」という意味があるのは、高校生の頃から疑問だったが、改めて、なんだか不思議。
ということで、語源を見てみる。


●presentの語源

(https://www.etymonline.com/jp/word/present より引用※掻い摘んで抜粋)

(present(形容詞)は)紀元1300年頃,「誰かや何かと同じ場所にいること」; 14世紀初頭には、「その時に存在する」という意味で使われました。これは、Old Frenchのpresent「明白な、手の届く範囲にある」から来ており、名詞としては、「現在の時間」(11世紀、Modern Frenchではprésent)という意味でも使われました。

また、Latinのpraesentem(主格はpraesens)「目前の、手の届く範囲内の、目に見える; 即座の; 現代の」という言葉から直接きています。これはpræesse「(誰かや何かの)前にいる、手の届くところにいる」の現在分詞で、これはprae-「前に」+ esse「存在する」から来ています。

(present(名詞)は)約1300年頃、「現在の時間、今進行中の時間、この時点」(pastやfutureと対比して)という意味で使われ、また「在ることの行為または事実;誰かの周囲の空間の一部」として使われました。これは古フランス語present(名詞)「現在の時間」(11世紀)から来ており、ラテン語praesens「そこにいる」から来ています。

フランス語の en present 「(誰かの)前で提供する」、mettre en present 「前に置く、与える」などのフレーズから派生し、ラテン語の in re praesenti 「状況の中で」から来ており、praesens「そこにいる」の概念がある。つまり、「誰かの前に持ち込まれたもの」ということである。



「前に+存在する」で、「present=現在」となったのか。納得。

私的解釈だが、「在ることの行為または事実;誰かの周囲の空間の一部」というニュアンスの延長線上に「贈り物」の意味があったとしたら、それってすごく素敵なんじゃないかと感じた。「当たり前にそこにあるもの」「誰かの周囲の空間の一部」が「贈り物」と捉えられるとするならば、「幸せ」の定義に似ている気がする。(幸せの定義は人それぞれではあるけれど。)
何かの条件があって「幸せ」なのではなく、「もうすでにそこにあるもの」が「幸せ」だと、誰が言ってたっけ。「幸せに“なる”」のではなく「いかに今の状態や環境が幸せだと“気づくか”」。それに似た意味合いがpresentにあるならば、とても奥深い言葉だと思った。
そして、この語源のサイトにはこんな文もあった(以下引用)。

present と gift の違いは、人が gift として受け入れることを望まないものでも、present として受け入れることができるという点にある。 gift は受け取る人を助けるためにあるが、present は彼に敬意を表したり、友好的な気持ちを表現するためにある。したがって、present は通常、個人に対して行われるが、法律では、対価なしで財産を譲渡し、受益者のために行われるすべての譲渡を含む gift が使用され、present は除外される。


『presentは、個人に対して、敬意を表したり、友好的な気持ちを表現するためにある。』
なるほど。素敵だ。
相手を思う気持ちだけでなく、敬意も表すことができる。確かにそうだ。
調べているうちにどこのサイトかわからなくなってしまったのだが、giftは「目上のものから目下のものへ」というニュアンスもあるらしい。「ギフテッド」という言葉がまさにそれを物語っている。神(目上のもの)から人(目下のもの)へ、与えられる才能、だから。


私的見解だがまとめると、
presentとは、相手への愛情、友情、お祝い、友好的な気持ち、敬意がこもっている。「思い」をカタチにしたもの=「贈り物(present)」。カタチは物理的なものばかりじゃない。言葉、表情、態度、時間、空間なんかも、「思い」をカタチにしたものなんだと思う。そして、「幸せ」のように、「目の前に、当たり前のようにあるもの」こそ、present(現在、であり、贈り物)なのではなかろうか。だからpresentを送られる側の“相手”とは、“他者”であり、そこには自分ももちろん含まれる。


息子へのプレゼントは、息子への敬意を示そうと思った。
そして、息子といられる日々が、私にとっての最大のプレゼント。


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