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お金をもらってTwitterする。

企業ツイッターの中の人

以前勤めていた会社でツイッターの中の人をしたことがあります。

会社の偉いおじさん「なんか『なう~』とか流行ってるけど、つぶやくのとかよくわからんから、若い人やってみてよ」的な。(当時のメンバーの中では若かった)

私と、もう一人年下の同期ちゃんがツイッター係に任命され、1日交代でつぶやくことになった。ノルマは最低1日1ツイート、つぶやく時間帯は…(決まってたけど、何時か忘れた。)

最初こそ、「え、ツイッターしてる時間も業務に入るんですか!いいんですか!」みたいなウキウキテンションだったが、そんな思いは1週間で消え去る。

「いいね」がつかない…

ネタがない。
最初の3日くらいは面白小話的なのを入れたり、今日は〇〇の日ですよ~とか、ちょっと頑張った(?)けど、部署はツイッター専業ではないので。ツイッターだけに時間を取られるわけにはいかない。

隣の席のお姉さんも「ツイッターってそんな時間かかる?」という視線を送ってくる(気がした)

ネタもねえ、時間もねえ、あるのは積まれた仕事だけ。

何をつぶやけばいいのかわからない私たちに、先輩が「もう、商品バーンって紹介するだけでいいよ」と言ったので、馬鹿正直に毎日商品へのリンクを張って軽く紹介する感じになった。(一応、○○の日にはこの商品がおススメ!とか必死の抵抗はしていた。)

偉いおじさん「ねえ、会社のツイッターあんまり『いいね』なくない?」
一番焦っていたことである。やべえ、見つかった……と思った。
(「ツイッターわかんないから若い人がしてよ~」って言った割には「ハッシュタグもっとつけちゃいなよ」とか、「リツイートして2回出したら」みたいなことを言うので、このおじさん絶対ツイッターやってる。と思った。)

ツイッターは個人アカウントを持っていたものの、趣味が合う人を見たり、芸能人のフォローをしたりする用に使っていた。同期ちゃんも同じだった。いいねを稼ぐ方法なんて知らねえ、炎上するんか?(ダメです)

でも、任された。任されてしまった。若い(当社比)と言うだけで。

そのため、会社のツイッターを任せられてからというもの「いいね もらい方」「フォロワー 増やし方」みたいな検索履歴が並ぶ。完全にインフルエンサーになりたがってるやつだ。本人全然キラキラしていないのに、検索履歴だけキラキラ女子目指してた。(大体、いくら¥で何フォロワー買えますよみたいなところに飛んでいくのだが)

結局、買えるフォロワーに手を出すわけにはいかないし、ツイッターだけに力を入れすぎてもダメだしで。多めにハッシュタグを入れて、その日にバズってるワードで会社紹介に使えそうな文章作るとか。そんな感じに落ち着いた。

(ツイッターでやたらハッシュタグ使うのは、この時の名残かもしれない)

突然の終了

そんなこんなで、試行錯誤のツイッター劇が数か月続いていたのだが。ある日、どちらかがサボった。1日交代なので前の日のつぶやきがなければ「あれ、昨日どうした?」となる。そして、また別の日、前回とは違う方もサボった。正直、ネタ探しにお互い疲れていたがオフィスではそれが言えず態度に出てしまったのだろう(普通にダメです)

業務の一部、いいねが発生しないこのつぶやきにもお給料が出てる…やらなきゃ、ツイッターがとにかくつらい。

「ツイッターが嫌になることなんてないと思っていたけど、あったなう。」個人アカウントでこんなことをつぶやいたような気がする。

そして、2人で「「ツイッター難しいっす」」(意訳)
と先輩(商品紹介だけでいいよの人)に伝えに行く、会社のブログを長年やってきた先輩だからか、すぐ「ツイッターはぜんぶ商品紹介にしよっか。」という流れに。
(その後、ブログを分業することになるのだが、それはまた別の機会に)

私たち「企業ツイッター中の人」は終わりを告げた。
正確には、ツイッターは続いているが小話みたいなのはなくなった。

その後は、なんかのbotを使って、定期的に商品や会社の紹介が流れる仕組みになったはず。ちょうどweb広報周りがグダグダしている間にその会社は退職したので、その後どうやってるのかは不明。

・・・

そのあとの話

こんな話を書いたもので。最近どうなっているのか確認してみたら。
企業アカウントはbot感だったが、「○○社の△△です」みたいな個人アカウント?が出来てた。私が退職する直前に入ってきためちゃくちゃ若い子だ(お元気そうでなにより)

会社のカリスマ店員?カリスマ社員?広報隊長?(なんていったらいいんだろう)。会社名でつぶやくより絡みやすいのか「この商品ってこれに使えますか?」とか、質問されたりしていた。
あとは、顔出しで「今日はこれの紹介するよ!」とかしてた。なんか、宣伝方法がバージョンアップしててびっくりしたのと「あの子めっちゃめちゃ派手になってるやないの!!」みたいな(近所のおばちゃんかな)

若いって強いな。うらやましいぜ。


Twitterめちゃめちゃ頑張って運営している企業アカウントを見るたびに、ふと思い出すちょっと前の話でした。面白いことを提供してくれる企業アカウントすごすぎるよ。あと、規模は小さくても長く続いているアカウントも。

お金もらいながらツイッターするのって大変だなって。他人から「『いいね』取ってこいー!」って言われてするツイッターはしばらくごめんだわ。


お読みいただきありがとうございます。

守山志保(もりやましほ)


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