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Wevoxがコンパウンドプロダクトに挑戦する理由

久しぶりのnoteを更新します。早いものでWevoxを立ち上げ、エンゲージメントの向上を伴走するようになり、7年が経ちました。皆様のご支援もあり、3040を超える企業や組織に活用いただけるサービスに成長してきました。

色々な企業様に導入されるサービスになって益々気が引き締まります

関わってくれるWevoxメンバーの皆様も増えてきており、本当に面白いメンバーで事業運営できているなと毎日楽しさを噛み締めています。

関わってくれる方々(社員、業務委託、アドバイザーの皆様)、いつもありがとうございます!

元々はエンゲージメントサーベイのみを提供するプロダクトでしたが、今では組織に伴走するCSチームや、事例を発信するDIO、チームづくりやエンゲージメントを学ぶEngagement Run!、組織の枠を超えて繋がるWevoxコミュニティと、様々なことにアプローチしています。

エンゲージメントサーベイから色々増えている


一方で、日本の「ワーク・エンゲイジメント」はまだまだ低く、調査対象企業145カ国中、最下位という衝撃的なデータも出ておりました。

「そうか、7年やってきたけどマクロで見るとまだまだ影響軽微か、、、」と我々自体の力不足を感じつつ、この5%に入りそうな企業の担当者やエンゲージメントや働きがいを組織全体で高めていこうと熱意を持って取り組む方々の顔は思い浮かびます。マクロで見ると悲観的になりますが、N1の事例を知っている側としては、希望があります。まだまだ捨てたもんじゃない。

さて表題にもあるように、RipplingのParker氏が火付け役となったコンパウンドプロダクトにWevoxも取り組んでいます。

たくさんの方がコンパウンドプロダクトについてはご説明されているので詳細は割愛します(興味ある人は下のリンクを見てみてください)が、基盤をデータにすることで連動(interoperable system)した体験を生み出せることが強みです。

何を共通化するかで事業戦略は変わってくる

またコンパウンドプロダクトにより1つずつの機能の単価は下げられることで価格競争に持ち込めます。

Microsoftはvivaが出てきてコンパウンドのような色が出てきているように感じますが、Salesforceはカスタマーのデータを元に、Marketing、Inside Sales、Field Sales、CustomerSuccessが連動して動くことを考えると、明確にコンパウンドプロダクトと感じます。

またSalesforceの凄さは、職種と業務プロセスをデザインしたことで、連動することの価値を経営や事業運営の視点で高めていきました。

なぜコンパウンドプロダクトなのか?

一言でいうと、組織活動に、組織の状態を連動させたいから。元々はアフターデジタルプロダクト的な話をしていましたが、昨年コンパウンドプロダクトの定義やmiddlewareの設計、組織の構造やサービスの立ち上げ方に触れ、Wevoxもコンパウンドプロダクトにしていこうと話をしています。

Parker氏はインタビューなどで、

  • 多くのSaaSプロダクトが従業員のデータを基盤にしている

  • 1つのソリューションに特化するのではなく、データ基盤を元に連動性の高いシステム(interoperable system)にすることでWorkflowを実現できる

というところに着眼したと話しています。ここでのポイントは、1つのソリューションに特化せざるをえない組織的な背景を解決する組織デザインもセットで行ってることであり、実は組織戦略や採用戦略がこの裏を支えています。※先日行われたイベントでのCOOの話によると、Ripplingは2500名規模で80名程度が元起業家です。

またPayrollサービスを中心に、数十カ国のグローバル対応も実施しており、国内に閉じて最適化してしまうLocal minima問題と、グローバル対応はするものの各国の細かいところをチューニングしきれないGlobal minima問題にもアプローチしてます。Deelと同じ匂いがします…👀(この話はまた後日)

…と話すぎるとRippling話になるので、Wevoxの話に戻すと

  • 多くの組織活動が、組織の課題や状態を元に起案されている

  • 一方で起案時は考慮したものの、日々の組織活動の中では、組織の課題や状態は反映されないケースが多く、活動がチューニングされない

  • 結果質が上がらず量をこなす状況

それぞれの組織活動が分離した状態に

このGAPを埋められるかどうかは、行動する側の力量に委ねられています。(行動する側が正しく情報にアクセスできるというのが大前提の上で)

こういった状態を解決すべく、組織の状態(例えば、エンゲージメント)を元に、どのように組織活動をデザインすれば良いのか、Engagement Run!などでやってきました。つまり上記のGAP部分を行動する側の力量を高めることで解決していこうと考えていました。

変化の遅い時代であれば、一度時間をかけてデザインすれば一定期間変わらず運用できますが、今の時代は都度変化が求められます。しかし、現場で走り回る方々には、毎回止まっている時間も余裕もありません。

また学習と実践の行動にも大きな溝があり、学んだからすぐに実践できるかと言われると中々難しいのも確かです。

対話って聴くと、2時間くらいかかると思っていませんか?
Wevoxの項目から問いを立てるときのテクニック

そんなことに向き合う中で、アフターデジタルの発想や、今のコンパウンドプロダクトに進化させることで、データを元に連動させることができれば、組織活動の間(GAP)を埋められるのではないか、と考え始めました。

実際に何を創っているのか?

例えば今Wevoxには、社内で運用されている「Weboard」という対話用のプロダクトがあります。

元々Wevoxチーム内ではmiroを作って振り返りをしていましたが、より対話に特化し、組織の状態を元に対話プログラムをデザインしてくれるような流れをサービスの中で想定して創っています。

組織の状態に連動した対話活動が行える

実際に数社で試験的に使っていただいてますが、今まで組織の状態を踏まえて設計するのが難しかった対話が、組織の状態とWeboardが連動することで、その組織に合った対話プログラムをAIがデザインできます。結果、対話が盛り上がったという事例もいただいております。

元々Wevoxでは価値観を交換するゲームなども作っており、難しい対話の作法や知識から入らなくても、ゲームを通して対話は盛り上がるということを実感しており、それを組織の状態を元にもデザインしちゃおうという考えです。

Weboardを使えば、楽しみながら互いを知れる、楽しみながら理解を深める。そんな体験を模索しています。

チームの対話が加速するWeboard

他にも組織状態に研修の計画を連動させられるプロダクトや、日々のマネジメントを支援するプロダクトも現在開発しています。

コンパウンドプロダクトのポイントは、機能数ではなく、連動することにより生まれる価値に目を向けること。Wevoxにおける連動性は、業務の効率化よりも、活動の質を向上することに価値があります。

例えば、

  • チームの状態が〇〇だから、△△に比重をおいた対話をしてみよう

  • □□に意見を持っている人が多いから、☆☆の施策を皆で考えてみよう

  • ◇◇に課題を持っている人が多いから、組織のカルチャーを踏まえて●●の学習を取り入れてみよう

まさにVUCA時代の組織活動のデザイン方法だと考えています。

これからの時代の組織活動のチューニング方法

またWevoxでは、組織の状態のみならず、個々人の特徴や個性もデータ化し基盤にいれることで、「あなた」「わたし」に目を向けるような設計を入れてます。

組織という得体の知れないなにかがあるのではなく、「あなた」がいて「わたし」がいて、「わたしたち」になっていく。個々人の特徴や個性も連動することで、今までの活動に"わたしたち"という文脈が含まれるようになります。(同じ状態でも、集めるメンバーが異なれば、取るべきアクションも変わる)

実はアバターが作れるWevox

組織の中に沢山のナラティブを生み出したい

サービスをリリースしてから7年間、多くの組織と共に組織づくりやエンゲージメント活動に向き合ってきましたが、エンゲージメントの高い組織づくりには、語り(ナラティブ)こそ重要だと感じてます。

  • 自分たちはどうありたいのか、どんな組織を目指しているのか。

  • 日々どんな思いで仕事をしているのか。何に触れたとき、喜びやワクワクを感じるのか。

  • 一人ひとりはどういう人なのか。何が得意で何が苦手なのか。何を大切にしている人なのか。

  • この活動の背景にどんな思いがあるのか。我々らしいやり方って何なのか。

多くの組織では、増え続けるデータやレコメンドに振り回され、メンバーや自分を見る前に、算出された数字やデータに注目します。科学的な根拠に偏重し、"正しさ"を追求します。Wevoxのスコアでも、「スコアが上がった・下がった」に終始している間は、組織の中での関係性は良くなりません。(スコアばかり見て仲間を見ていなければ、そりゃ良くなりませんよね…?)

そのスコアにはどのような背景があるのか、一人ひとりはどう感じているのか。それを語るプロセスにこそ、組織を創り、エンゲージメントを高める大事な要素が詰まっていると感じます。

誤解を恐れずにいうと、Wevoxがコンパウンドプロダクトになることで、仲間と語ることをせずとも、AIがすべてを解決するプロダクトを創りたいとは、一ミリも思ってません。

むしろその逆で、コンパウンドプロダクトを作ることで、データやスコアではなく、組織活動そのものに注力ができ、語りが増える。そして語ることで互いに気づく。これが創りたい世界です。

アトラエだからこそ為せる技で価値を届ける

ここまで沢山の企業やパートナー、そしてメンバーの皆に支えられてWevoxは成長してきました。

「Wevoxが成長している要因は?」「他社のサービスとの優位性は?」とよく質問をいただきます。

答えは明確で、「組織づくりに本気で向き合うアトラエが創るサービスであり、そのアトラエを本気で創る仲間がWevoxを創っているから。」これに尽きます。

組織づくりの楽しさも苦しみも、仲間と分かち合う喜びも、仕事に没頭するワクワク感も、上手く行かない葛藤も、全力で向き合う我々だからこそ、顧客・社会に本気で向き合い届けられる価値があると思っています。

私達ができなきゃ誰もできない

そしてアトラエだけじゃなく、日本中には同じ想いや理想を持った方々がいることも知っています。そんな皆さんと組織の枠を越えて日本を盛り上げていき、働きがいのある社会にアップデートしていきたいと考えています!

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