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【そして思い出し笑い〜こんな子、育てましたけど】 #8 まち探検に出かけよう!

うちの子どもたちが通った小・中学校は、
この地域では有名な「ガラの悪い学校」でした(≧▽≦)

ただ、ガラが悪いぶん
ちゃんと子どもたちを見てくださる学校で、
人権教育などもしっかりしていました。

そんな小学校に通えたことは、
いじめられがちだったうちの子にとっては
すごくありがたいことで、
先生方は、とても気を配ってくださいました。

2年生の時の担任は
大学を卒業したばかりの
若い女の先生。

社会科で「まち探検」という授業がありました。

自分たちの住む町を、みんなで歩いて回ります。
協力してくださるお店や工場を見学させていただき、
そこで見たことを、絵と文で表現します。
カンタンな絵日記みたいなやつですね。

1回のまち探検で、3カ所訪問させてもらいます。
で、学校に帰ってきてから
3枚の絵日記を仕上げていきます。

このまち探検が、
3日間にわたって行われるので
合計、9枚を提出することになるんですが…

結果から言います。

うちの子は、めちゃくちゃ頑張ったけど
3枚しか出せませんでした。

野菜やお菓子、
お惣菜やお弁当なんかも置いてある
「フードショップ・アサダ」を
見学させてもらったその日。

授業中に描ききれなかった分を
宿題として持ち帰っていた長女の
色鉛筆を持つ手が
ぱたりと止まります。

「なにしてんの?早よ描きや〜」
「…思い出されへんねん」
「何が?」
「あんな、
アサダにお弁当売っててんけどな、

そのお弁当に何が入ってたか、
思い出されへんねん…」


…………!!!


そんなん、思い出さんでええねん〜〜〜!!!



そこは適当でいいから
全体がどんな感じやったか、
わかるように描いてみ(T T)

でも、ダメでした。
これは、もっとあとになってわかることですが
「全体を見回す」というのが、ものすごく苦手でした。
自分がこだわったところしか見えてない。

たぶん、長女は
「へー、アサダって
お弁当も売ってるんや〜」っていうのが
印象に残ったんでしょうね。

なので、アサダに行った感想が
「お弁当も売っていた」しか、ない。

そこから、全体を思い出して
絵を描かせるのは、
至難の業です。

「お弁当いうたら
ウインナーとか、唐揚げとか、
卵焼きとかが入ってるんちゃうん?

いや、もう違っててもいいから、
ウインナーと唐揚げと卵焼き、描いとき!」
てな感じで描かせた記憶が…。

(そもそも、お弁当の中身なんて
描く必要もないんですけどね)

本来なら、授業の時間内に
描き上げているはずの絵日記。
先生は、宿題として持ち帰らせてくれたり、
居残りを命じたり
あらゆる方法を試みたうえで

ギブアップ(≧▽≦)

個人懇談の時に、こう言われました。

「本来なら9枚提出するべきところですが、
アカネさんの絵は、とても丁寧に細かく描かれているので
学年主任の先生とも相談して
3枚でOKということにしました。
この3枚は、他の子の9枚に相当するのではないかと
そのように判断しようということになりました」。

これは、本当にありがたかったです。

9枚提出しなければならないところを
3枚しか出さずにOKにするのは
個性尊重なのか、
それとも甘やかしているのか?

難しい問題かもしれませんが

少なくとも、
生徒ひとりひとりを
しっかりと見てくださってるんだなあ…

というのは、すごく伝わってきました。

3枚でOKにするのは
先生にしても、きっと
勇気のいることだと思います。

9枚と言えば9枚!
そう決まってますから!

みたいな指導のほうが、絶対ラクだもん。

そこを、複数の先生方で話し合って、
3枚の価値を認めよう、と
方針を決めてくれた。

何がなんでも、9枚出しなさい、
そうでなければ認めません!
みたいな教育だったら

正直なところ、長女は
つぶれてたんじゃないか…と思います。

地域では、「悪い学校」で
有名だったけど、
ひょっとして、ココって
ものすごく「いい教育」してる
小学校なんじゃない?…と
思い始めたのが、この頃でした。



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