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《美術展》 「横尾忠則 寒山百得展」の余韻
東京国立博物館で開催中(〜2023.12.3)の「横尾忠則 寒山百得展」に行ってきました。かれこれ一週間、その余韻に浸っています。
「寒山百得」とは何なのか。
もともとは、寒山と拾得という中国の伝説的な詩僧だそうです。その奇行ぶりから「風狂」と捉えられ、その自由な生き方が仏教に通じるとして中国や日本では寒山拾得をテーマにした絵画、文芸が多く生み出されている、らしい。
本展は、現代美術家・横尾忠則が、寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの完全新作102点を一挙初公開するものです。
私が初めて横尾忠則さんの作品を観たのは、高校生のとき。水戸芸術館の企画展でした。その時も、しばらく頭から離れなかったのを覚えています。少し不気味で、哲学的。そんな印象でした。水戸芸の年パスを使って、何度も通いました。
あれから20年以上が経ち、また横尾忠則さんの作品を観ると、今回はなんだかとにかく可笑しいんです。人生、あまり深く考えず、面白がって生きればいい。そんなふうに言われている気がして、肩の力がふっと抜けるような感覚でした。みているだけで自然と笑みがこぼれてきます。
作品のタイトルは全て日付だし、解説も書かれていないので、横尾さんが本当のところは何を伝えたかったのかは分かりません。私が、そう感じたというだけです。
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もともとは寒山が巻物、拾得が箒を持っているそうです。
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ただ、この作品たち、可笑しいだけじゃない。ものすごいハイペースで描かれているんです。
横尾さんはこの展覧会の作品102点を、2021年9月3日から2023年6月27日の約2年の間に制作しています。
87歳になる横尾さんのエネルギーに圧倒されました。
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ゴッホの星月夜をモチーフにしたのかな?
次に横尾さんの作品に出会うときには、どんな世界を見せてくれるんだろう。
私も、まだまだこれからだ。
そんなふうに心に小さな灯を点して、表慶館を後にしました。
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