『もうこの年だから』に縛られない生き方
こんにちは、森田由美子です。
9月は敬老の日がありました。ニュースでは、素敵な高齢者がたくさん紹介されていました。そのおひとり、89歳の佐野誠一さん。世界最高齢のサーファーだそうですが、サーフィンを始めたのは80歳からとのこと。80歳でサーフィン、「もう80歳だから」という考えが頭をよぎってしまいそうです。私が80歳になった時に、何か新しい選択ができるだろうか、もうこの年齢だからと諦めることが増えているのではないか等、先の未来について考える機会をもらいました。
佐野さんだけでなく、敬老の日には、素敵な高齢者の姿が映し出されていました。現役で働いている方、ボランティアをされている方、マラソンランナー、そうそうフィットネスインストラクターのタキミカさん92歳もいらっしゃいますね。イキイキした高齢者がなんと多いことでしょう。タキミカさんも65歳から運動をスタートして、インストラクターデビューしたのは87歳の時だそうです。
タキミカさんは、老化(衰え)と加齢は違うとも言われています。たいていの場合、老化と加齢は同義語で扱われますが、考えようによると、老化と加齢を分けて考えることもできそうです。確かに、加齢は数字上どうにもならないものです。生年月日を偽ることもできないし、変えようもない事実です。しかし、衰えは人それぞれ違います。同じ年齢でも見た目を始め、考え方、行動力、活動範囲、交流関係等々、いい悪いではなく人によって違います。
ここで質問です。
「あなたは、どんな60代以降を過ごしたいのか、どうありたいのか」と問われると、どんなイメージや言葉、場面が浮かんできますか?
「何歳になっても現役でいる」「家族やたくさんの友人に囲まれている」「自由気ままに過ごしている」「新しいチャレンジをしている」などなどあるでしょう。もちろん「健康でいる」ということはとっても大切なことですね。健康でなければ、したいこともできませんから。
1947年に採択されたWHO憲章では、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう。(日本WHO協会訳)」と定義されています。
最近よく耳にするウェルビーイング(Well-being)も「身体的、精神的、社会的に、良好な状態になること」を意味する概念です。
今は、ウェルビーイングな高齢者が増えていることはこれからの希望です。
数字的な年齢にとらわれず、自分自身の身体と心に向き合って、これから先の未来を考えてみませんか?
以前、70歳になった友人から、「まだまだこれで終われない」という言葉を聞いて、驚いたことがあります。いろいろなものを縮小していくイメージが少なからず私の中にもあったので、勇気づけられたことを覚えています。
また、強みの視点でお話しすると、「強みとは、自分らしさ(常に発揮される思考・感情・行動)×開発(環境の中で獲得した知識・スキル)」と定義しています。既にあなたに備わっている強み、そして現在の年齢まで培ってきた、開発してきた強みがあります。それらを資源に、次のステージを目指してみる選択もあります。
何より、強みにもとづく選択は、そこに楽しい、自分らしいという感覚が伴います。そして、人は身体と心が元気であれば、まだまだ発展できるものです。「もうこの年齢だから」に縛られないでくださいね。そのためにも、折に触れ、自分の強みの棚卸をしてみたり、強みを生かしている感覚を実感する機会を持ってくださいね。
前出のサーファーの佐野さん、サーフィンを始めて気づかれたことがあるそうです。それは、海岸近くの小さな波に揺られることで十分楽しいということだそうです。「さざなみサーファー」と名乗って、サーフィンを楽しんでいらっしゃるようです。
私にもできるかも、と思わせてくれる言葉です。
これは、いずれの年齢でも言えることです。人は、自分より下の年齢と比べてこう言います「もうこの年だから」。数字の年齢に縛られずに、自分が望む選択をしたいものですね。
ちなみに、私は2度目の大学院生になりました。不安はありますが、何だかワクワクしています。どんな自分を見ることができるか、自分に期待したいと思います。