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『くもをさがす』を読んで―自分が納得するということー

こんにちは、森田由美子です。
 
西加奈子さんの『くもをさがす』を読み終えました。これは西さん初のノンフィクションで、カナダで癌が見つかってから治療をしていく過程が綴られていた日記をもとに「あなたにこれを読んでほしいと思った」ということで書かれています。
 
私は、西さんが読者に何を読み取ってほしいと思ったのか、そこに関心がありました。しかし、この本を読んでいく中で、一人ひとりにそれぞれの視点でメッセージが伝わるのだということだと理解しました。
 
私もたくさんのメッセージを受け取りました。その中の一つが「『自分が納得できる』を積み重ねていくことが自分の人生を生きることにつながる」ということです。
いわゆる人がどう考えるか、人にはどう見られるかという他者視点ではなく、私はどうしたいのかという自分視点が必要だと言うことだと考えます。
 
そうはいっても、自分はどうしたいか、というのは簡単そうで難しいことです。カナダでは、「あなたの考えは?」「あなたはどうしたいの?」と判断を迫られることが多くあったようです。「どちらでも」「同じで」は通用しないようですね。
その都度、自分はどうしたいのかを考えて答えを見出していくことは、自分らしく成長していくことにつながっていくのでしょう。
 
「自分が納得できる」というメッセージは、以前にも受け取ったことがあります。あるヴァイオリニストの話でした。他者の優れている部分ばかりが気になって、焦ってしまう。そうすると常に自分が置いてきぼりになっているように感じ、ますます焦る。他者と比較して、まだまだというメッセージばかりを自分に与えてしまいます。自分が満足できるところは永久にやってこないのではないかとさえ思います。そんな時に、そのヴァイオリニストに投げかけられた言葉が、「自分が納得するところが大切だ」といったメッセージでした。
 
日本に住む私たちは、どうも人の目を気にし過ぎるようです。
ちょうど、今朝のテレビで「骨格診断」なるものをやっていました。人それぞれ骨格が違うから自分を良く見せるには、はっきりした色が似合うよ、淡いものがいいよといったものです。自分を生かす、という視点では私は嫌いではありませんが、そこに、人の目にどう映るかだけではなく、私は何が好きなのかという視点も大事にする必要があると思います。ゲストに招かれていた外国人の女性は、自分の好きな色や柄を選んでアクセサリーもチョイスして身に着ける、選ぶ時間や身に着けることを楽しんでいることが紹介されていました。彼女は「こんな骨格の人には~~が似合う」といったレクチャーに、少し戸惑っているように、私には見えました。自分が好きなもの自分が楽しくなる、ということをもっと大切にしたいものです。だって、誰でもない自分の1回きりの人生ですもの。
 
しかし、これまでも「何が好きなのか」「どうしたいのか」というのは、就活の時、将来を考えた時、仕事でもプライベートなど何かに折りに触れ自分に投げかけたことはあっても、答えが出ずに考えることを諦めてそのままになっている、わからないということもあるかもしれませんね。
 
そういった時は、まず日々自分と向き合う時間をとること、そして1人ではなかなか難しいと思う人は、あなたに向き合って話を聴いてくれる人に話すことで、あなたの「どうしたいのか」やモヤモヤしている事柄が明確になったりしますよ。
 
「自分が納得できる〇〇」を一つずつ積み重ねていきたいものです。

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