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itoゲームをQAお題でやってみたら、相互理解が進んだ話

こんにちは!マネーフォワードでQA(品質保証)エンジニアをしている、森田です。

先日、チームビルディングの一環でitoゲームを行いました!

盛り上がっただけでなく、お題に対する各々の考え方の違いや共通点が垣間見えて、相互理解に繋がると感じました。

そこで今回は、どんなお題でitoゲームを行ったのか、当日の雰囲気、学んだことについて紹介します。

今回のルール

itoゲームの正式な&詳細の説明は、上記サイトをご覧いただければと思いますが、
お題に対して、自分の持っているカードの数字のレベルのイメージを言葉で話し、数字を見ないままで、みんなのカードを数字順に並べていく、そんなゲームです。

みんなで協力して、数字を大きい順に並べることができたら成功です!

QAお題を2つ考えてみた

itoゲームのカードに含まれているお題でも良いのですが、QAっぽいお題でやったら面白いのでは、と考えました。

「こんな給与システムは嫌だ」

私たちのチームでは、人事労務領域のプロダクト(給与計算や勤怠管理、年末調整などの業務を支援)を担当しています。

そこで、一番コアのプロダクトである「クラウド給与」をイメージして、「こんな給与システムは嫌だ」というお題にしました。

ユーザーにとって良い1----100ユーザーにとって嫌

各自、山からカードを1枚ずつ取ります。(極端な数字の方がイメージ伝えやすいので、極端な数字が来るように祈る🙏)

コメントが思いついた人からカードを裏のまま出していきます。

1人目「給与確定or解除に10時間かかる」

10時間って結構かかるけど、退勤前に実行して、翌日出社したら終わっているってことだよね。

ユーザビリティは全然良くないけど、んー、めちゃくちゃ致命的かっていうとそうでもないよね。

なんて会話が繰り広げられます(笑)

なお、参考情報として、品質特性をスライドに写しながらゲームを進めました。

2人目「入力フォームにvalidationがない」

保存ボタンを押すまで、項目に対するエラーが出てこないのは不親切。カーソルを外したタイミングでエラー出してほしいよね。(注意:マネーフォワードの製品の話ではなく、一般的なサービスとしての話です)

電子申請、電子申告など他システムとの連携があるのとないとだと、「嫌だ」のレベル感も変わってきそう。

2人目修正「入力フォームにvalidationがない(電子申請・電子申告への連携はない)

電子申請・電子申告への連携はない想定だとすると、1人目「給与確定or解除に10時間かかる」と同じくらいの数字かな🤔

む、むずい。

3人目「たびたび給与計算の結果が間違っている」

これはだいぶヤバい(致命的だ)よね。数字大きそう。

4人目「年に1回Sランク不具合が発生している」
※部署で、不具合ランクを定義しています。(高い順にS,A,B,C)

これもどちらかというと数字大きそうかなー。

「給与確定or解除に10時間かかる」や「入力フォームにvalidationがない」よりは数字大きそう。

3人目修正「たびたび給与計算の結果が間違っている(Sランクが何回も)」
(4人目のコメントを聞いて修正)

今のところこれ👆が一番数字大きそうだね。

5人目「勤怠情報を全て手入力しかできない」

全てってどのくらいの量だろう?

5人目修正「勤怠情報(20個くらい)を全て手入力しかできない」

20もあるとなかなか大変そうだけど、致命的かというと…

みんなであれこれ議論した後、並べたカードの順番は以下のようになりました。(数字の大きい順=ユーザーにとって嫌な順)

  1. たびたび給与計算の結果が間違っている(Sランクが何回も)

  2. 年に1回Sランク不具合発生

  3. 勤怠情報を全て手入力しかできない

  4. 給与確定or解除に10時間かかる

  5. 入力フォームにvalidationがない(電子申請や申告はない)

それでは、並べたカードを一斉に裏返します!

おおおーー!!!

大成功です。
itoゲームの時間で一番盛り上がった瞬間でした(笑)

改めて、カードの点数とコメントをあわせて記載します。👇

94 たびたび給与計算の結果が間違っている(Sランクが何回も)
78 年に1回Sランク不具合発生
75 勤怠情報を全て手入力しかできない
58 給与確定or解除に10時間かかる
54 入力フォームにvalidationがない(電子申請や申告はない)

いやー、1つ目の94点を除いて、接戦でした。

「つよつよQA(エンジニア)像」

2つ目のお題は、「つよつよQA像」です。

よわよわQA1----100つよつよQA

つよつよと言っているのは、「目指していくべき」といったニュアンスでしょうか。

「目指していくべき」というのは「自分が目指したい」とは意味が大きく異なります。

itoゲームの性質上、みんながそう思うだろうという共通認識を考えながらコメントする必要があります。

1人目「単機能のテスト実行(打鍵のみ)だけ可能」

結合テストは? →無理

テストケースに書いてないことには気づける? →気づけない

質問が飛び交います。

2人目「先輩がかいたテスト実行だけ可能。」
テストケースに書いていないことは気づけない
・テストケースの手順と実際の画面に相違があり、違和感があったときは、その事実だけを報告できる(なぜそのようになっているか自分なりの見解は出せない)

「単機能のテスト実行(打鍵のみ)だけ可能」と近いのかなー。
うーん。難しい🤔

1人目修正「単機能のテスト実行(打鍵のみ)だけ可能」
テストケースに書いていないことは気づけない
テストケースの手順と実際の画面に相違があり、違和感があったときは、なぜそのようになっているか自分なりの見解とともに周囲に報告できる

3人目「チームにジョインした1週間後に開発テストの全てを把握できている(手動/自動問わず、テストは全て)」

これはなかなかつよつよそうだぞ。1週間で把握できるんだもんな。

4人目「テストケース作成、データ作成、テスト実行まで一通り自分で回せる(手動のみ。自動はできない)」

1人前くらいかなぁ。

1人前ってどのくらいの数字なんだろう?

結構が主観が影響する、いいお題設定。

5人目「システムにログインできる(それで精一杯)」

???
(結構多くのメンバーの頭の中にはてなが浮かんだのではないかと思います)

ITリテラシーがあまり高くないのかな。

なんだか、「単機能のテスト実行(打鍵のみ)だけ可能」とか「先輩がかいたテスト実行だけ可能。」よりも数字は小さそう。

みんなであれこれ議論した後、並べたカードの順番はこちら👇
(数字の大きい順=つよつよQAエンジニア順)

  1. チームにジョインした1週間後に開発テストの全てを把握できている

    • 手動/自動問わず、テストは全て

  2. テストケース作成、データ作成、テスト実行まで一通り自分で回せる

    • 手動のみ。自動はできない

  3. 単機能のテスト実行(打鍵のみ)だけ可能 

    •  結合テストは無理

    • テストケースに書いていないことは気づけない

    • テストケースの手順と実際の画面に相違があり、違和感があったときは、なぜそのようになっているか自分なりの見解とともに周囲に報告できる

  4. 先輩がかいたテスト実行だけ可能 

    • テストケースに書いていないことは気づけない

    • テストケースの手順と実際の画面に相違があり、違和感があったときは、その事実だけを報告できる(なぜそのようになっているか自分なりの見解は出せない)

  5. システムにログインできる(それで精一杯)

並べたカードを一斉に裏返します!

1番目と2番目が逆でした〜〜!惜しい!

改めて、カードの点数とコメントをあわせて記載します。👇

71 チームにジョインした1週間後に開発テストの全てを把握できている
(手動/自動問わず、テストは全て)

79 テストケース作成、データ作成、テスト実行まで一通り自分で回せる
(手動のみ。自動はできない)

32 単機能のテスト実行(打鍵のみ)だけ可能
(結合テストは無理。
テストケースに書いていないことは気づけない。
テストケースの手順と実際の画面に相違があり、違和感があったときは、なぜそのようになっているか自分なりの見解とともに周囲に報告できる)

8 先輩がかいたテスト実行だけ可能
(テストケースに書いていないことは気づけない。
テストケースの手順と実際の画面に相違があり、違和感があったときは、その事実だけを報告できる。なぜそのようになっているか自分なりの見解は出せない)

3 システムにログインできる
(それで精一杯)

「チームにジョインした1週間後に開発テストの全てを把握できている」が71ということは、100ってどれくらいなんだろう?

という感じで、各自の主観、考え方の違いが見える、良いお題でした。

学んだこと(まとめ)

会社や自分達のチームで扱っているプロダクトをお題にしてitoゲームをやってみると結構盛り上がるので、おすすめです!


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