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「もしも彼女が関ヶ原を戦ったら」を読んで

面白かった。前作「もしも徳川家康が総理大臣になったら」(眞邊明人)が面白かったので、第2段のこの本もぜひ読みたかった。

ただ、たいがいこういった第2段ものは前作に比べてつまらないものが多いので、がっかりした時のための予防線を多少張りながらも読み始めましたが、これは面白かった。

後半3分の1が、関ヶ原での合戦シーンになるのですが、次から次へとめまぐるしく状況が展開し、息をするのを忘れるくらいのめり込んでしまった。自分が合戦している訳でもないのに、鼓動がドクドクドクと高鳴ってしまった。

客観的に考えてみれば、実際の話でもなく、バーチャルゲームの中でやっていることをさらに小説で書いているという2重の虚構になっているわけですが、自分がその場にいるような気になってしまいました。引き込まれた。

それから、読後感が良かったです。僕はハッピーエンドの話が好きなのですが、これは手放しのハッピーエンドではないけれど、読み終えた後の気分が良かったです。感動もあるし、心地よさもあるし。読み終わった後、自分の人生を、生き方を振り返ってしまいました。

伏線という訳ではないけど、後から分かる事実もあり、それを確かめながら読みたくなって、結局また読み返してしまいました。

合戦のシーンをうまく描けるのなら、この小説は映画にするに適していると思う。

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