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『論語』断想~亦た楽しからずや~

(※平成28年12月のブログ記事の再録です)

『論語』巻第一
學而(がくじ)第一

子の曰(のたま)わく、
学びて時にこれを習う、
亦(ま)た説(よろこ)ばしからずや。
朋(とも)あり、遠方より来たる、
亦た楽しからずや。
人知らずして慍(うら)みず、
亦た君子ならずや。

先生がいわれた、
「学んでは適当な時期におさらいする、
いかにも心嬉しいことだね。
〔そのたびに理解が深まって向上していくのだから。〕
だれか友だちが遠い所からもたずねて来る、
いかにも楽しいことだね。
〔同じ道について語りあえるから。〕
人が分かってくれなくとも気にかけない、
いかにも君子だね。
〔凡人にはできないことだから。〕」

『論語』金谷治訳注(岩波文庫)より

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この記事を書いている行為自体が、
「学びて時にこれを習う」ことになればいいなと思います。
本を読んでも、内容を何パーセントくらい覚えていられるのか、
仕事や実生活にどれくらい役立てられているのか、
少々心許ないものがあります。
これまで読んだ本の中でも、
『論語』は特に重要な存在であり、
陽明学者の中江藤樹が重視した「知行合一」につなげるためにも、
時には復習をして、理解を深めていきたいと考えています。

ところでこの10年くらいの間に、同窓会を開くなどして、
たくさんの旧友たちと再会する機会に恵まれました。
皆と会って話をしたり、
お酒を酌み交わしたり、
ネット上でやり取りをしたりしていると、
とても楽しく感じられます。
遠く離れて暮らしていても、
友人たちが無事なのが確認できて、
時折他愛もない会話を交わすだけでも、
心がホッと温まるのを感じます。

もちろん人それぞれ自分の考えを持っているので、
友人たちと意見が何もかも一致することはあり得ませんが、
たとえ自分の考えや思いを理解してもらえなくても、
腐らずにコツコツと勉強していかなければいけないと感じます。
天命をまっとうしていくためには、毎日よく考えて、
少しずつ努力を積み重ねていくことが大切なのでしょう。

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