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BOOK REVIEW vol.036 「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本

今回のブックレビューは、 小田桐あさぎさんの『 「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本』です!

胸をえぐられるようなタイトル。どの章にも心当たりがあり過ぎて、心に矢が刺さるような痛みを感じながら何とか読み進めました(苦笑)

今までの私の口癖は、間違いなく「ちゃんとしなきゃ」。子どもの頃は「親に怒られないように“ちゃんとしなきゃ”」と必死で、社会人になると「会社の社長や上司に認められるために“ちゃんとしなきゃ”」と夜中までサービス残業をし、結婚後は「夫や義理の両親、世間から良い奥さんだと思われるように“ちゃんとしなきゃ”」と、いつも人の目ばかりを気にしていた私。可能な限り自分ひとりで何でもこなし、人に頼らず迷惑をかけずに生きていくことが重要で、誰かからの「ちゃんとされていますね」という言葉が、まるで合格印を押してもらえたかのように嬉しかった。

そんな私にとって、小田桐あさぎさんの考え方は痛快&爽快でした。「ちゃんと」を華麗に手放し、自分をすり減らすことなく、欲しいもの以上を手に入れる…その斬新な考え方は、少し前の私であれば眉をひそめていたかもしれません(笑)でもこの2〜3年で時代は大きく変化し、今までずっと「ちゃんとしなきゃ」にしがみついてきた私も、ようやく自分の行動に「???」と違和感を覚える瞬間が増えてきました。「自分最優先でよし!」と大手を振るあさぎさんの考え方は、私の脳内に新風を吹き込み、古い価値観を一掃してくれるようにも感じられたのです。

まずは、自分が普段こなしている家事や育児について、本当に必要なのか、思い込みに縛られているだけではないか、苦手だったり、少しでも負担に思っていることはないか、自分自身で一つ一つ立ち止まって考えてみてほしいんです。

『「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本』より引用

日常に潜んでいる“思い込み”って実はとても多いのかもしれません。私もつい最近、ずっと抱え込んできた思い込みを一つ手放すことができました。それは毎日の夕食作りの中で、必ずサラダ、主菜、副菜、白米、お味噌汁の5品(もしくはそれ以上)を用意しなければ…!と思い込んでいたこと(苦笑)いわゆる一汁三菜的なやつです。昔、私の母が、仕事がどんなに忙しくても、家族6人分の夕食をきちんと作っていたことが印象的で、いつしか私の中で母親を「理想」として掲げるようになっていたんだと思います。

誰に命じられたわけでもないのに「ちゃんとしなきゃ」と自分で作り上げたルールに縛られ、実はずっと苦しんでいました(結婚後ずっと!)。ある日、どうしても夕食を作る体力も気力もなく、家族に申し訳ないと謝ると、目を点にしながら「謝らなくていいし、普段からもっと品数減らしても良いくらいだよ」と言われ、逆に目が点になった私。良かれと思い品数や量を増やしていたことが、実は「お腹が一杯でも、ちゃんと食べなきゃいけない」と家族に気を遣わせていたようなのです…。

思い出してください。「ちゃんと」をやめるのは、自分だけがラクをするためではなく「自分と自分の周りを幸せにするため」です。

『「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本』より引用

今まで「ちゃんと」をやめることを自分に許可できなかったけれど、実はそれは“周りのためでもある”ことを実感すると腑に落ちます。自分も楽になり、周りも幸せになるのなら、断然そっちを選びたい。今は夕食作りも一汁一菜・・・とまではいかないけれど、一汁ニ菜くらいの日もあり、どうしてもしんどい日は「今日、晩ごはんお休みしていい?」と言えるようになりました(時々UberEatsにも頼れるように🙌)

これまで「ちゃんとしなきゃ」と頑張ってきたことは、私自身が心からやりたいことだったのだろうか?・・・その答えの大半はNoのような気がします。今までは“社会的に”、“常識として”、“世間体を考えて”という視点を意識して動いていました。後ろ指を指されたくなくて、相手にどう思われるかを一番に考えてきたけれど、あさぎさん流の生き方を知ると、これからはもっと「自分最優先」で開き直って生きていってもいいんじゃないかと思えます。きっと「ありのままの自分」を出しても心配するほど嫌われない。もし離れて行く人がいたとしても、「本当の自分」を好きになってくれる人が増えた方が、幸せ度は上がるのかもしれません。

なかなか手強い、数十年分の「ちゃんとしなきゃ」の呪縛。できるところから一つずつ解いていけたら、とても楽になれるのだろうな。年々重たくなる鎧は、もうそろそろ脱いでもいい頃なのかもしれません。

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