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明治安田J2リーグ 第9節 ヴァンフォーレ甲府VS清水エスパルス

昨シーズンに続き、富士山ダービーが行われた。多くのサポーターが来場し、とても良い雰囲気の中行われた一戦。昨シーズンは、清水は甲府に勝利をしていない相手である。試合全体的に、清水がボールを持つことが多かったが、なかなか攻め切ることはできなかった。対して、甲府は、ミドルブロックを作り、ボールを奪ってからカウンターをし、チャンスを作っていたが、前半はスコアレスドローで折り返す。後半は、選手交代から一気にオープンな展開となり、お互いにチャンスとピンチが行ったり来たりとなる。それでも得点が奪えない中、AT直前に住吉決勝弾で清水が勝利。勝利した清水は他会場の結果、首位になることができた。対して、甲府は敗れたため、今季ホーム初勝利はお預けとなった。


結果

(H)ヴァンフォーレ甲府 0 対 1 清水エスパルス(A)
エスパルス勝利! そして首位に!

得点
ヴァンフォーレ甲府:なし

清水エスパルス:90分 66住吉

スタメン

青:甲府 オレンジ:清水

選手交代

ヴァンフォーレ甲府
59分 19宮崎→51アダイウトン 69分 9三平→99ピーター・ウタカ 41井上→4山本 79分 34木村→18三沢 11F・ゴンザレス→44内藤

清水エスパルス
61分 28吉田→5北爪 41白崎→23北川 11ブラガ→19松崎 21矢島→33乾 10カルリーニョス→44西原


感想

ヴァンフォーレ甲府

・前線からのプレスをするが、強度が低いため、プレー制限をすることができなかった。しかし、基本的にはミドルブロックを作って守り、カウンターという戦い方であった。この戦い方はハマっていたと思います。清水は、ボールを持つが、後方でボールを回すだけになり、チャンスを作るために縦パスを出すが、そのボールをカットして、カウンターをすることができたため、基本的には、甲府ペースで試合が行われたと思います。
・選手交代から一気にオープンな展開となったため、カウンターがハマり、決定機を作ることができたが、決めきることができなかったのはもったいない。交代選手が流れを変えることができるのは、甲府の良いポイントである。

清水エスパルス

・ボールを持つことができるが、引いた相手に対しての打開策がないため、苦戦をした。後方でボールを回すことが多いため、チャンスを作ることができない。また、縦パスを出すが、相手に狙われていたため、ボールを奪われ、カウンターをされることが多かった。
・サイドでは、質的優位をとることができれば攻略することができ、サイドからチャンスを作ることができたと思うが、サイドを攻略することがほとんどなかった。
・後半は、甲府が選手交代をしてきたこともあり、甲府ボールになったら、サイドを使いカウンターをするため、リスク管理をしながら攻撃をしなくてはいけなくなり、大胆に攻撃する回数が減った。
・欠場者が復帰したのは大きい。


両チームの狙い

ヴァンフォーレ甲府

基本的には、ミドルブロックを作り、サイドの背後を狙ったカウンターが狙いだと思った。前線からプレスをかけるが、強度は高くないため、高い位置でボールを奪うことは目的としていなかったと思います。清水は、引いて守る相手には苦戦する傾向があるため、その傾向を活かした戦いだと思いました。また、この試合では、清水のSB(特に右SBの吉田)が高い位置を取るため、その背後を狙うことにより、入れ替わることができ、チャンスを作ることができるため、カウンター時は、サイドの背後を狙ったと思います。

後半に入り、お互いに牽制し合ったため、チャンスを作ることができなかった。そのため、選手交代をしたと思います。選手交代から甲府ペースになり、その後、清水も交代したため、オープンな展開となりました。この展開は、甲府の狙いでもあったと思います。オープンな展開となることで、多くのスペースができるため、清水DFの背後のスペースもでき、より攻撃的となり、決定機を作ることができていました。


清水エスパルス

今シーズン2度目の3連戦最終試合であったが、この3連戦は、攻守ともに、何を目的としているのかわからない試合であった。選手を入れ替えして、各選手の特徴を活かした攻撃や守備をしたかったとは思うが、一人ひとりの特徴があまり活かされなかった。

前節から千葉に代えてカルリーニョス、西原に代えて矢島を入れた。矢島はこの試合、内側をとることが多かったため、山原を押し上げるために起用したと思ったが、山原のポジションが低いため、矢島が作ったスペースを活かすことができなかった。また、カルリーニョスをトップ起用することで、ボールに触れる回数を増やすことと、相手DFにアタックすることを期待していたと思う。ボールはあまり触ることはできなかったが、相手DFの背後を狙う動きなどが多く、DFラインを下げたりすることができたが、空けたスペースを活かすことができなかったのは、チームとして課題である。
後半から、中村と矢島のポジションを代えた狙いは、カルリーニョスが作ったスペースを使うことと、矢島がサイドのサポート(特に右サイド)をすることで、サイドを攻略し、チャンスを作ることだと思いました。この狙いもあまり活かすことができず、北川、乾などを投入し、彼らのアイデアに任せた攻撃でチャンスを作る回数を増やしたと思います。


個人的意見
甲府は、ミドルブロックは作るが、サイドのケアがあまりなかったため、サイドを攻略することで、チャンスを多く作れると思いました。そのため、図1のようにするべきだと思いました。白崎に代え北川(矢島との交代も考えた)、吉田に代え北爪を投入したほうがよかったと思いました。

図1

・甲府は、中央を固めるため、中央突破をすることは難しいと思います。そのため、サイドを攻略し、得点を狙うことが理想だと思いました。サイドでは、質的優位をとることができたと思いました。そのため、SBをいかに高い位置をとることができるかによって、チャンスシーンを多く作り、優位になると思いました。前半は、吉田が高い位置をとることができたが、山原はあまり高い位置をとることができていませんでした。そのため、攻撃時は3バックにし、山原に高い位置を取らせます。また、右サイドでは、1人で仕掛けられる北爪を入れることで、サイドで優位を作り、クロスなどからチャンスを作ることができると思いました。
・また、カルリーニョスが前線で相手DFと駆け引きをしているため、北川なら、彼が空けたスペースを使うことができると思うため、北川とカルリーニョスの2トップにしました。
・宮本を3バックの中に落とした理由は、彼は元々CBをしていたため、カウンター対策などをすることができると思います。また、中央から縦パスを出すことができるため、彼のパスから攻撃の起点を作ることができます。加えて、中村がボランチにいることで、中村がボールをもらうことと、パスをすることができるため、中村からも攻撃の起点ができるため、彼のポジションを一つ下げました。
・矢島はこの試合、内側をとることができたため、可変する時は、図1のようなポジションをとることができると思います。また、守備時は4-4-2にしたいため、彼を図1のポジションに置きたいと思います。このポジションは白崎もできるため、悩みますが、オフザボールのことを考え矢島を入れています。
・サイドを北爪が使うことにより、スペースがある方が活きるブラガを使う方がよいのか考えましたが、ブラガを使うことにしました。ブラガのポジションに、白崎もしくは矢島を入れることもでき、彼らの方が内側でプレーをすることに慣れているため、白崎と矢島を残した方がよいのかもしれません。

最後にカルリーニョスに代えて西原を投入しましたが、個人的には蓮川を入れるべきだと思いました。甲府は、カウンターを狙っていましたし、CB2枚では、数的同数であり、かわされてしまったらピンチになるような場面もありました。リスクかけて攻撃をしなくては得点を奪うことができないが、その中でもリスク管理は必要だと思います。蓮川のコンディションはわかりませんが、3バックにすることで、カウンター対策をすることができ、より、攻撃的にプレーができたと思います。

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