「甘さと権力」を読んで
シドニー・ミンツさんの「甘さと権力」を読みました。
はじめて本を手に取った時、“甘やかす事”と“権力の行使”の関係を読み解く内容かと思いましたが、違いました。
文字通り、“甘さ”とは砂糖キビやテンサイから抽出される”Suger”の事を示します。
「皆さん、甘いのはお好きですか?」
私は好きです。そんな方は読んで頂きたい本だと思います。
砂糖は今でこそ世界中に溢れ、使用されていますが。
中世ヨーロッパでは、胡椒やターメリックなどと並び、スパイスの1つとしてとらえられていました。
エキゾチックな輸入品であり。
王室や貴族にしか手にする事が出来ない品であったようです。
しかし、そんな砂糖にも転機が訪れます。
植民地が拡がる中、プランテーションを通し生産量が拡大していきます。
それと同時に少しづつ民衆の生活に入り込んでいきます。
特に植民地化を先行していたイギリスは、労働者の間に広がり。
イギリス人は歯が黒い=虫歯と言われる程だったようです。
当時での医者は、砂糖は身体によいと説いたこともあるそうです。
砂糖には人間の舌を捉える何かがあるのでしょう。
ゆるやかな中毒性とも言え、この味を覚えると後には引けません。
イギリスからその他、諸国に広がり。
やがては全世界にいきわたる事となるのです。
人は小麦の奴隷と言う言葉がありますが、
人は砂糖の奴隷でもあるのだと思います。
多くの人が、快を求め、糖分を欲している世界となっています。
本と読み進む中で、中世から急激にグローバリゼーションが進み、その勢いを強く感じました。
この流れは近世さらに加速され、グローバリゼーションは益々進みます。
悪い事とは言いません。
技術の進化と共に必然とも言えます。
しかし、悪いことも世界中に一気に拡がる世の中となりました。
その様はCOVID19でも多くの方が実感したでしょう。
この風潮の中で一つの希望は、良き事も一気に拡がる事です。
益々頻度が上がっている異常気象。
氷河の雪どけ。
悪いニュースがめぐります。
一方でそれに対応しようとする声と運動も起きています。
そんな希望を持てるニュースが拡がる現代であって欲しい。
甘いケーキを食べながら考えます。
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