人生、転職やり直しゲーム 第1章

【悪魔】



「悪魔?

…えぇーと、

漫画でよくあるパターンだろう?

願いを叶える代わりに

俺の魂を代わりに寄越せ、って言うのか?」



「魂じゃない、

寿命を貰う。

俺は時間を巻き戻す事が出来る。

時間巻き戻す代わりに、



お前が死刑にならない運命を選択した時、

生きていたはずの寿命から、

巻き戻した年月分を頂く」



「?俺は死刑にならなったら、いくつまで生きるんだ?」



「それは、お前の行動次第だ。

俺には分からない。



今の、死刑執行日から、

犯罪を犯す1日前まで時間を戻したら、

16年と211日前か。

お前の死刑にならなかった時の寿命が80歳としたら、

単純に考えると

63歳と少しで、お前は死ぬ事になる、

その代わり人生をやり直せる。

犯罪を回避したら、ムショに入らずに済む、

悪くない契約だろう?」



「そうか、

時が戻ると人生のやり直しできるんだな。

でも、俺は死刑にならないと80まで生きるのか

分からないじゃないか!

早死するかもしれない。

なぁ、俺がいつ死ぬか運命を教えてくれ」



「だから、早死するかどうかは、

お前の行動によって変わるから、

俺には分からないんだよ。



お前は、

このまま死刑になるより、

犯罪者にならない人生を選択して

刑務所や拘置所以外のところで

生きた方が

よっぽどいいと思うけどな。



だって、今、時間を止めるのをやめると、

その、首の縄と、足元の開く床で、

お前はすぐ首を釣られて死ぬんだからな」



「死神、お前の言う通りだな」



「じゃあ、契約だ。無能非才(むのうひさい)」



「分かった。

あっ、でも、

犯罪前日じゃなくて、

俺が幸恵と別れる日からにしてくれ」



「分かった。17年と8日で契約だな。

やり直して運命を変えてくれ」



死神は、俺の目を奥を覗き込んだ。

俺達は見つめあった。

目の奥に吸い寄せられそうだ!

目を逸らせない。



死神が俺の肩をポンと大きく叩くと、

俺は気を失った。


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