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フリースタイルピアニストけいちゃん作詞作曲シンフォニア(映画「美男ペコパンと悪魔」主題歌)の世界を紐解く…かもしれない個人的解釈と感想文Vol.4

【Vol.4 響きあって認め合って】



〈シンフォニアMVはコチラ↓〉


〈映画「美男ペコパンと悪魔」公式HPコチラ〉


〈はじめに〉

これは私がシンフォニアのMVを見て個人的に感じた事や歌詞の意味を考察して自分の為にまとめている文章である。
無数にある解釈の1つとして楽しんでもらえたら嬉しい。
けいちゃんの「シンフォニア」MVや映画「美男ペコパンと悪魔」に興味を持たれた方は上のリンクからどうぞ。
文章中の歌詞の部分は「」付きで表している。

〈前回のVol.3はコチラ↓〉

【6000字書いてまだココなの?】

Vol.1〜3まで長々と書いてきたが歌詞考察できた部分はといえば

「愛してるの意味や君の
退屈な吐息が過去も
暗い夜も吐きだして
芽を瞑って 色になって」

47文字…
47文字の解釈に私が書いたの約6000字。

バカなの?

ハイ(号泣)

言葉を重ねる方が簡単なのだ。
俳句を詠むのが難しいように短い字数に世界観を集約し幾重にも意味を含ませつつメロディに合うように音数に合った言葉を選ぶのは至難の業。

さらに音の上がり下がりに言葉のイントネーションの上がり下がりも合わせて尚かつ耳障りの響きまで計算するだなんて…

それを何か出来ちゃいました面白かったです風味で簡単な事のようにサラリと言うなんて…

けいちゃんどんだけよ(感嘆)


【一般のご家庭ではきっと…】

曲の出だしの「愛してるの意味や」と同じメロディで始まる次の歌詞は

「理解してるの」

ハ?

もしも仕事に家事育児にワンオペで忙しい妻なら夫にたった1音でこう返すであろう。
単語すら出ない。とにかく時間が無いからだ。

妻の心中:理解してるのって一体何をって話してたらせっかくお昼寝したあの子起きるまでにアレもアレもアレもやんなきゃいけない時間がなくなるでしょうがっ!何言ってんのもう!

全くヒヤヒヤものの問いかけである。
…ファンタジーの世界から離れてしまった。
戻ろう。

けいちゃんは「理解してるの」の"り"を小さく短く歌って"か〜いしてる"にイントネーションを置く事によって曲出だしの愛してるとの韻を強調している。
しかし揉め事の火種になりそうな言葉もサラリと聴こえてしまうのは歌のマジックだなとつくづく思う。

【三者三様の状況】

結局「理解してるの」とは一体何を?
続く歌詞を見ていこう。

「それは僕が灰と散る姿は」

解釈①
映画の登場人物の隼人は事故にあって目覚めない。本人はもちろん見守る母親や亜美もこの状況「理解してるの」? いつ目覚めるのかどうか、もしかして…グレー状態=灰のような状態。
このまま散ってしまうのか…?

解釈②
完成した映画の試写を見ている俳優。映像が人の目にどのように写るのか映画のとある場面で自分が演じた姿を見ている。自分がこの役をこの場面を理解して演じたように観客も理解してくれるだろうか?と思いながら。

解釈③
ペコパンのある場面の描写。
観客のみなさ〜ん!
どういう事か「理解してるの」byペコパン
いやいや図らずも次々と不思議な展開に翻弄されペコパンさんあなたこそ「理解してるの」??


【過去と未来】

先に進もう。
次の歌詞はこう。

「過去も深い夜も吐き出して」

この辺りからだんだん三者三様でなく抽象的かつ混沌とした世界となってくる。
過去の嘘やトラウマ、深く悩んだ夜。
誰にでもあるようなそんな経験。
しかし最初は呑み込んでいたのにここではそれを吐き出そうとしている。もしくは誰かに「吐き出して」と言われていると考える事も出来る。
やりもしないでそんなの無理だって諦めたり我慢したり、ただ動けないまま何も出来ないでいた過去の自分。
そこから何かを吐き出して(打破して)自ら前進しようとする気持ちの変化と新たな行動への兆しのようなものが感じられる。


【わざと平仮名】

次はこうだ。

「響きあって認め合って」

響きあっての"あ"はひらがな。
認め合っての"合"が漢字。
絶対わざと。意味があるのだ。なんだろう?
認め合ってはそのままの意味で良いとして…
「響きあって」は
①響き合う=お互いの気持ちが伝わる通じ合うの意味だろう。
②響き・あって=音などの響きがあって(存在して)またその音達が響き合ってそして…


シンフォニア(合奏曲)となるぅ??わぉ!


こう気付いた時に作詞作曲をしているけいちゃん自身の姿もこの歌詞の世界に投影されているのか!?とハッとなった。

世界的な名画〈ラス・メニーナス(女官達)〉
プラド美術館所蔵、画家はベラスケス。
中央に王女、取り囲む従者達が描かれているこの作品は学校の教科書で見た事がある人も多いと思う。
ベラスケスはこの絵の中に国王夫妻の絵を描いている自分自身の姿を描き入れた。
国王夫妻は絵の中では遠くの鏡の中にぼんやりと写っている。
絵を見ている私達の視点そのものが画家に絵を描かれている国王夫妻の視点だという…
不思議な感覚になる世界的名作絵画である。

まるでベラスケスのように歌詞の中に自らを紛れ込ませたけいちゃんが居たとしたなら…
遊び心満載か(賞賛)
しかし多重構造はもう一次元増えた(憔悴)


【無限に広がるハーモニー】

“響“にはそれこそ多種多様な意味があって。
音がホールに響く(音の反射、はね返り)
打てば響く(反応)
名が響き渡る(評判)
心に響く(感じる)
昨日の〇〇が響いて円高ドル安(影響)
などなどなどなど…


「響きあって 認め合って」


安心して下さい。通じてますよ、日本語は。
だが言葉の持つ意味の幅が大きいがゆえにどういう事なのか?と分かったようで分からなくなってくる。

バグった私の頭に突然ラ〜🎶の音が聞こえた。
オーケストラの演奏が始まる前全員がチューニングの音を出す場面が思い浮かぶ。
それぞれの楽器が音を合わせて響かせてお互いの役割を認め合ってこれから美しいハーモニーを作るぞ!さあこれから始まるぞ!という瞬間。

オーケストラと同じように普段はそれぞれに輝いている人達や物たちが1つの"映画"という作品に集まってハーモニーを奏でる為に認め合いながらお互いを響かせ合っていく。
そんな事を考えた。

この後登場するインパクト抜群の歌詞と比べると控えめではあるがこの

「響きあって 認め合って」

は全てを包み込むような広がりを持つ言葉であり映画の主題歌として全体を貫く柱のような大切な意味を持つ部分ではないかと思う。

【Vol.4おわり】


【Vol.4後記】


ますます増える多次元構造
解釈に時間と字数を要していますが少しだけ
"前に進めたんだ“
次回Vol.5では満を持してあの方が歌詞の中に!

【つづく】


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