ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由
「未来食堂」という東京の神保町にある定食屋の店主が記した一冊です。
未来食堂は1日に1メニューしかなく、その他にも下記のようなシステムを導入しています。
・まかない:50分の手伝いで1食無料
・ただめし:壁に貼られた1食券を剥がして持ってくれば無料("まかない"をした誰かが、自分が食べる代わりに置いていった1食)
・あつらえ:あなたの好みに合わせておかずをオーダーメイド
・さしいれ:飲み物の持ち込み自由。ただし半分はお店に差し入れ
こういったシステムが「どうやって回っているか」や「どのようにして形になったか」がまとめられています。
その中で特に印象に残ったのは、アイデアが実現するまでの流れについてです。
アイデアを形にする方法としては、
・イメージ先行のトップダウン型
・理論ありきのボトムアップ型
の2パターンが主に考えられます。
どちらにもメリットデメリットはあるかと思いますが、著者がボトムアップ型のデメリットとして挙げているのは、世間の風潮や空気で認められている"良いもの"を組み合わせた発想になりがちで既存の枠を越えず、すでにある何かの相似形に留まってしまうということです。
確かに、近年は既存の枠組みから外れた言動が批判を浴びやすい世の中になってしまい、これまでにない発想で物事に取り組みづらくなっているように思います。
その中で、未来食堂は利益を上げるべきポイントがしっかりと構築されていることで、「アイデアを形にする」環境が整っています。
やはり、きちんと利益を上げて持続可能な仕組みを作ることが重要なのだと気づかされます。
業界は全然違いますが、学ぶべきことが多い一冊でした。
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