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誰でも圧倒的に差別化された商品を考えられる「差別化3ステップ法」

8月26日発売の新刊「100人の村で84人に新商品を売る方法」(雷鳥社)には、たくさんの独自のメソッドが掲載されています。

いくつかの柱となるメソッドがありますが最もオリジナリティが高く、また実戦での使用経験も長く、さらに成果をあげてきたのが「差別化3ステップ法」です。

書籍の中だけの面白い考え方ではなく、実際に商品やサービス開発を行う際に今も実戦の中で使用しているフレームワークです。

ごくシンプルにその方法をnoteでお伝えします。

3ステップ法の設計思想は以下の通りです。

・ お客さまは「差」のない商品を実は選べない
(だから価格に差がある方を選んでしまう)

・ ほとんどの人は誤った「差別化」をしてしまう

(どのような誤りがあるのかは本書のショートストーリーの中の謎解き部分になっているのでnote上ではまた機会を見て公開させていただきます)

・ お客さまは商品にイノベーションを期待していない
(お客さまが期待しているのはこれまで解決できなかった自ら抱える問題を解決してくれるありそうでなかった商品)
*但し、お客さま自身も、どのような商品かは理解できていない。

この設計思想に基づき開発したのが、

① 捨てる

② 正反対に置き換える

③ それを支えるものを付け加える


という「差別化3ステップ法」です。

このメソッドはコンサルティングでは我々からのコンサルテーションプランを考える時に利用し、またマーケティングサポートにおいてはクライアントと共にテーブルを囲んで、また弊社が請け負う企業の実戦研修の中では5名のチームを組んでいただき、この差別化3ステップ法を実施していただきます。

企業向けの実戦研修で12年ほど前に実施していただいた差別化演習では、自社の事例に取り組んでいただく前に以下のような課題でゲームを行っていました。それは、

「最新式の電気保温ポットに勝てる差別化された商品のアイディアを30分間でチームで創出する」


今、noteをお読みの方もぜひトライしてみてください。
当時、タイガーや象印の最新式の電気保温ポットのカタログを用意して、研修参加者の考える手法で差別化された商品のアイディアを考えてください!とお願いをします。

さて、みなさんはいかがでしょうか?どのような差別化商品が誕生しましたか?

実はこのテーマはすでに使用していません。なぜか? この12年間で市場は完全に変ってしまったからです。それは差別化3ステップ法で創出できるある商品によって。これがヒントです。

12年前はこのテーマで演習を行うと以下のようなアイディアが多く発表されました。

・ 魔法瓶機能をさらに高めて深夜電力でお湯を沸かす省エネタイプの電気保温ポット
・ 魔法瓶の上に超小型高性能の太陽光パネルが取り付けられた電気保温ポット
・ 浄水器機能を充実した飲み物や食べ物がおいしくなる電気保温ポット

などです。しかし、これらの商品はすべて残念ながら今ある機能を強化したに過ぎません。実は差別化できていません。おそらく電気保温ポットの2大巨頭であったタイガーや象印の牙城は崩せません。

ではどうするのか?

捨てるのです。

他社の利点や機能、慣習や常識を捨てるのです。
捨てるべきものは「最も捨ててはいないもの」です。時には「これを捨てるとその商品ではなくなってしまうかもしれないもの」検討してみるべきなのです。

この演習の回答例は以下の通りでした。

「保温することを捨てる」


「先生、保温することを捨ててしまうと電気保温ポットではなくなってしまいます」

よくそんな質問を受けました。

「私は最新式の電気保温ポットに勝てる差別化商品を考えなさいとは言いましたが電気保温ポットを考えなさいとは言っていませんよ」

受講生の方々は「やられた」という顔をして苦笑いしますが、この自分達のルールの中で縛られてしまう感覚こそが学んでいただきたいことだったのです。

差別化3ステップ法の回答例は以下の通りです。

① 捨てる

・ 沸かしたお湯を保温すること。

② 正反対に置き換える

・ 沸騰したお湯を保温せずにすぐに使ってもらう。

③ それを支えるために付け加えたものは?

・ 圧倒的なスピードで沸騰するパワー
・ 沸騰したら自動的にスイッチがオフになるシンプルな機能

そう、12年前に回答例として紹介していたのは実は「電気ケトル」です。

なぜ現在、このテーマを研修で利用していないのか?理由はもうお分かりだと思います。この12年間で当時はあまり知られていなかった電気ケトルが実際に市場を変えてしまったからです。

・ 当時はまだ誰も沸かしたてのお湯で飲むコーヒーやお茶がおいしくこと。保温するからお湯が美味しくなくなり、活性炭フィルターなどの付加価値が必要になることを知りませんでした。

・ 当時はまだ飲みたい時に、飲みたい量だけ沸かせば、電気代が飛躍的に安くなるという新しい考え方をまだ誰も知らず最新式の電気保温ポットに搭載されたマイコン制御こそが、電気保温ポットの電気代を安くできるイノベーションだと信じていました。

・ 当時はまだ電気ケトルと言えばビジネスホテルにある、いつ沸くのか分からないしろものでした。

 新刊「100人に村で84人に新商品を売る方法」(雷鳥社)では、現在も実戦研修のオープニングエクササイズで利用している、トレーニングセッションを誌上で再現しています。

テーマは「レストラン」です。

本書ではP100~の20ページで1つのショートストーリとひとつのトレーニングセッション、2つのワークショップシートを用いて、真の差別化とは何かを専門用語を用いずに完全解説しています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4844137441

ではまたnoteで一緒に学びましょう。

森本尚樹