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『私が望むことを私もわからないとき』読書がくれる木洩れ日のような言葉たち

本日はチョン・スンファンさんの『私が望むことを私もわからないとき 見失った自分を探し出す人生の文章』をご紹介します。

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作家であり読書家という活動スタイルに共感!


著者のチョン・スンファンさんは、本紹介サイト「The book Man」を運営。
作家としてもご活動されています。

一冊の本から、数行でも心が動くような「文章」を発見し、それをご自身の体験と重ね合わせながら紹介しています。

"読みかけた本は最後まで読まなければ読書とは言えないとする考えや、多読の重要性だけを盛んに強調する人々もいます。

ですが、読書の楽しみ方を知るためには、こんな偏見は捨てるべきだと思うのです。

たった一冊の本や何ページか読んだだけの本からでも「人生の文章」を発見できるなら、その本以外にどれほど多読したかなど、関係ないのですから。

まさにこのような理由から、私は本書でも「人生の書」ではなく「人生の文章」を紹介しようと決めたのです。"(p300)

圧倒的な読書量は唸るほどです。
世界の古典文学の名作から、日本の現代小説まで読みこまれておられるのです。

併せて、韓国の文学作品や詩なども紹介されているのですが、生きることに優しく寄り添うような心に染み入る文章ばかり。

傷ついた人の心に寄り添い、癒されるような。
自然と笑顔になれるような。

たくさんの名作から引用された文章は、著者の目利きで集められて、あたかもこの1冊の全体が一つの作品のようにすら感じられるのです。

「読書を通じてこのように人を癒す方法があるなんて!」

私も同じように読書を通した発信をしているので、とても新鮮な気持ちになりました。

自分が本から受け取ったメッセージを、一度自分のフィルターに通して、自分なりの言葉で再び放つこと。

これまで多くのおすすめ本を紹介する本に出会って読んできました。
この本はなんというか、空気感が優しくて心の処方箋のようなんです。

繊細な人やなんだか頑張れないなぁと少し心が弱りかけている方に読んで頂きたい、「読書案内」だと感じました。

巻末の参考文献リストの膨大さに、きっと驚くはずです。
読んだことがある本、まだ読んだことがない本。

きっと読書を愛するみなさんは、リストを眺めるだけでも心躍ることでしょう。

詩人チョ・ビョンファさんの「散歩」という詩が素敵でした。

"心からあなたと共に歩きたい道でした
心からあなたと共に座りたい芝生でした

あなたと共に歩いたり座ったりしたい
木 小道 噴水の芝生
黄色い蜜柑の木陰の誰もいないベンチでした

心からあなたと共に寝そべっていたい南国の花畑
果てしなく咲き乱れる花畑

私の心はトンビのように陽明山の中腹
陽射しが暖かな空で翼はためかせ
会っては別れる人たちがまた恋しくなりました

心からあなたと共にずっと歩きたい道でした

あなたと共にずっと座っていたい芝生でした"(p92)

私もひとり、気持ちのいい森の中でお散歩したり、撮影をしている時に、「こんな風に誰かと歩きたいなぁ、ベンチに座っておしゃべりしたいなぁ」と人恋しく思うことがよくあります。

「詩」は誰かの心に寄り添う表現

時間のない私たちは、短めの言葉を求めているときがあります。
そんな心の隙間を埋めるのは「詩」なのだなぁ、と気づかされました。

”あなたは
私の生きる意味です。

あなたのおかげで
善い世間だと思える心と
親切で優しい心を
育てられたのです。

あなたのおかげで
世間に振り回されず
自分を変えられることなく
傷つかずにいられたのです。

あなたのおかげで
人生に対する正直な態度と
人への信頼を
しっかり学ぶことができたのです。

平凡で取るに足りない私の人生を
幸福と感謝の心を持てるようにしてくれる人。

高貴に輝く一日一日と
温かい感情を持てるようにしてくれる人。

そんなあなたは、まさに私の生きる意味なのです。”(p273)

チョン・スンファンさんの書く詩の温もりに触れると、本当に涙が出そうになります。

心に寄り添ってくれる短い言葉。
木洩れ日の美しい瞬間のような言葉。

私もいつか、こんな優しい文章を書いてみたいものだなぁ、と感じ入ってしまいました。

フォロワーさんへ贈る記事


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