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あの子の日記 「煙たいバニラ」

日本のどこかの、誰かの1日を切り取った短篇日記集

ため息ついでに吐き出されたタバコの煙がふわふわと空に消えていく。

「俺たちの終わりに気付いてくれよ」と言いたげだけれど、言葉を煙に代えているつもりなら、もう、察するしかないじゃない。

あなたが見つめる灰色の雲は、雨をぽつりと地上に落とす。

泣きたいのはこっちのほうよ。

バニラの香りが混ざった煙とわたしを残して、黙って遠くへ消えないで。

あたまのネジが何個か抜けちゃったので、ホームセンターで調達したいです。