あの子の日記 「チョコレイト・ガール」

日本のどこかの、誰かの1日を切り取った短篇日記集

机の上に寝そべるチョコレイト。秋の空気にさらされて、透明な袋のなかで縮こまっている。

お風呂で温もった体が冷めたころ、地元の友だちから連絡が入った。どうやら出張で近くへ来ているらしい。

リラックスモードから一変し、タンスから引っぱり出したセーターの懐かしい匂いに操られながら準備を整えていく。

簡単にメイクをすませ、前髪をくるりと巻き、待ち合わせの店まで夜道を走る。

到着した駐車場で、彼からの「窓際の席で待ってるよ」のメッセージと、「お待たせ」記録の自己ベスト更新を確認。

心地よく熱っぽい体とジーンズのポケットでとろけたチョコレイトを夜風で冷まし、彼のところへ走って向かった。

あたまのネジが何個か抜けちゃったので、ホームセンターで調達したいです。