あの子の日記 「ふたりのオレンジ」
日本のどこかの、誰かの1日を切り取った短篇日記集
空に浮かんだ太陽が仕事終わりに良いことを教えてくれたんだ。
一言で上手く表せないあの夕陽の色は、どうやら私たちに似ているみたい。
あなたがイエローで私がピンク。時間をかけてゆっくり混ざり合うと、二人だけの特別な色が出来あがるんだって。
気まぐれに変化しながら深く、深く色を重ねていくの。琥珀色に透きとおる日もあれば、風にゆれる紅葉みたいな日もやってくる。
思い浮かべていると、喧嘩と仲直りを繰り返す不安定な日常が不思議と愛おしく思えるよ。
ふて寝したあなたに身を寄せて、夜をしずかに塗り重ねよう。
あたまのネジが何個か抜けちゃったので、ホームセンターで調達したいです。