読書記録72 11月の本まとめ

11月は旅行や出張が多く、刺激が多い月でした。
読んだ本は少なめですが、充実した1ヶ月でした。

今年もあと1ヶ月にしては暖かい日々ですが、変わらず本を読んでいきます!

1. 『みちこさん英語をやりなおす』(2014)益田ミリ

最近英語の勉強をやり直していて、形容詞とか副詞とか何も考えず「とりあえずそういうこと」って思ってスルーしてたことに気がついた。丁寧に勉強するのもいいなあと思ってきた。そんな時に、色々つまずいてたくさんの疑問を持つみちこさんの本を読んでまさに同じようなことが書かれていて嬉しかった。

2. 『注文の多い注文書』(2014)クラフト・エヴィング商會、小川洋子

「ないもの、あります」に似ている、ただし今回は小説の中に出てくる「アレ」をお届けする本。小川洋子が依頼書と受領書を、クラフト・エヴィング商會が納品書を書く形式でどちらの文章もとても好きだ。川端康成や村上春樹、サリンジャーの小説が出てくるが、何より一押しは内田百閒の『冥途』。空白の落丁に読者も足、いや魂ごと引き込まれそうになる。それにしてもクラフト・エヴィング商會(や吉田篤弘)の本の読後感には本当に病みつきになる。

3. 『不安の哲学』(2021)岸見一郎

プラトン、アドラー、キルケゴール、三木清の引用から、「不安」について考えていく本。不安になりがちで、やる気がなくなることが多いので心にのこる内容が多かった。
「『端正で足るを知る人でありさえすれば、老年もそれほど苦になるものではない。しかし、そうでなければ、老年も青年もつらいものとなる』足るを知らない人は、既に必要なものを持っているのに、いつまでも満足できません。」(本書p.161)

4. 『フェミニスト紫式部の生活と意見』(2023) 奥山景布子

祖母のおすすめ本。源氏物語は受験では主語がわかりにくすぎて大変だった思い出しかないが、物語としてはとっても面白い。光源氏どれだけモテるねんと突っ込みたくなる内容だけど、あれもこれも平安時代ではよくあることで、でも女性の生き方は自由がなくて、それを紫式部は批判とともに鮮やかに描いている。来年の大河ドラマは紫式部なので、始まる前に色々な本で色々な角度から源氏物語を探索したい。

5. 『才能をひらく編集工学』(2020)安藤昭子

10月末に図書館総合展を訪れ、敦賀の「ちえなみき」の選書に編集工学研究所が関わっていると知った。その後地元の図書館の本棚をぷらぷらしていたら、この本を見つけた。著者がまさに編集工学研究所の専務取締役で、編集工学の方法を演習とともにわかりやすく書いている。そういえば以前松岡正剛が千夜千冊(https://1000ya.isis.ne.jp/)をあるイベントで紹介されていて、「全然読んだことある本がないぞ…」と思ったが、色々点と線がつながってホクホクしている。相変わらず、このサイトで紹介されている本に手を出せていない。

6. 『どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心』(2021)益田ミリ

4コマ漫画。すーちゃんが店長を務めるカフェに、どうしても嫌いな人がいる、という話。一度嫌いと思ってしまうと、その人の一挙手一投足が嫌になってしまうのは、なぜなんだろう。あるいは、ちょっと嫌と思った小さな傷口がどんどん広がってどんどんダメになってしまうとか。大きな心で認めるだけじゃなくて、ときには距離を置いて逃げることも大事だと思う。アンミカがいつかの「あちこちオードリー」で苦手な人には「笑顔でムーンウォークしてさよなら」と言っていたのを思い出した。

7. 『小さなまちの奇跡の図書館』(2023)猪谷千香

鹿児島県指宿市の図書館を運営するのは、NPO法人そらまめの会。NPOが指定管理者となって何十年も管理運営をしている事例はそんなに多くなく、簡単には真似できない。大企業の指定管理者が多くを占める中、その土地にあったサービスをしているのはすごいし、そういう図書館が増えたらいいのになと思う。

8. 『「あいだ」の思想』(2021)髙橋源一郎+辻信一

辻信一の本を調べていて、面白そうだったので読んでみた。対談本は1人の人が文章として書いたものじゃないので、意味を取るのがなかなか難しい。お互いが言いたいことを言うばかりであまり会話してない感じがするからか。この本は会話はしているのだが、内容が高度で自分の知識が足りて無いために理解が難しかった。また読みたい。

かしこ

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