読書記録64 よしもとばななの言葉が胸にしみる

最近図書館でよしもとばななのコーナーに立ち寄ることが増えた。

これまで、『キッチン』くらいしか読んだことがなく、それはそれでいたく感動したのだが、それ以降手にとってこなかった。

ここにきて、エッセイの言葉が身に沁みるぞ!となり、読み終わってツラツラ引用したものを紹介する。
※長く引用したので、変換ミスがあったら申し訳ないです※

人生で大切なこと

「人生をぐちゃぐちゃいじくりまわして考え、行ったり来たりしなかがら結局動かないでいるのが、数歩進んでまた考えたりするのが、きっといちばん疲れる。
中途半端は息苦しい。大人が小さい子が歩いてくるのを同じ場所で待ってるみたいに、小さな火で水からお湯を沸かす時にはただ沸くのを見ているしかないように、神様は中途半端な状態がいくら続いたって「どうぞどうぞ、あなたの人生ですからご自由に」と待ってくれるけど。
大胆に、細心に、タイミングを計って。
動くのはやっぱり風通しがいいんだと思う。

ずっと唯一だいじにしてきたのは「粋かどうか」「かっこいいかどうか」「笑えるかどうか」そうしたら人生が私をちゃんとここに運んでくれた。」

『嵐の前の静けさ どくだみちゃんとふしばな4』p.128

今現在の就活の状況がまさにこれで、自己分析や企業研究を進めているものの、提出するESは全然書けていない。結局動かないでいる。

でも、自己分析をしてみて、私は意外にも「粋かどうか」「かっこいいかどうか」「笑ってもらえるかどうか」を大事にしていると気がついた。
まさに同じことが書かれていて、びっくりした。

ああ、書き始めないとな。疲れていて横になってばかりだ。

「これまでいちばんよしとしていた価値観をみんな捨てる時には大きな勇気がいる。
(中略)
しかし、そこで力まずに、かといって勢いをつけすぎずに、でも勢いを失わずに一山越えると、知らない景色が開けている。それは、これまでの自分が実はいちばん見たかった景色なんだと思う。
(中略)
変えながら自分の人生をカスタマイズしていくのは、天から命をもらったものの義務であり、人生の意味だと思う。そしていろんな形の人生を味わうことが大切なのだろう。それをしているうちに、どの人生も大差ない、大差あるのは生き方だけだということがわかり、他を認めることができるようになる。他を認めるということは、やたらに包んでムリして許すことではないし、他に合わせることでも、全部受け入れることでもない。」

『人生のこつあれこれ2013』p.190

みんなからすごいね、と言われる会社に行けばキラキラしているのではなく、どんな会社だとしても清々しくいれる人はいれるということなんだろう。

面白く、楽しく

「好きなことをしたい、いやなことはしたくない、なんて言っていると、好きなことの幅がどんどんどんどん狭くなってくる仕組みが人生にはある。(中略)
いやなことをただいやいやいしている状態というのと、いやなことのなかになんとか一個でも面白みを見つける状態は明らかに違う。前者は停滞であり、後者は活動である。」

『人生のこつあれこれ2013』p.34

頭を抱えたくなる文章。
とんでもなく退屈な場面に遭遇したときに、自分がワクワクできるように工夫していたりしたことを思い出した。
就活や研究の場面で、この姿勢を忘れていたなと反省。

人を想像するということ

「一見いつも楽しそうに見える妬ましい友だちにも悩みがあり、見えないところでなにかを必死でしているという可能性を見ようとしたことはありますか?そのノウハウを学んで自分も楽しそうに見えるように暮らそうと努力したことは?ものごとを全体的に眺めてそこの中のどこに自分の大きな責任があり、重いし面倒だけれどやってやると思ったことは?そうしたら急に軽くなって流れも自分に味方してくれたことはないですか?」 

『人生のこつあれこれ2013』p.122

引用していて気がついたのだが、畳み掛けるような文章が多い。リズムが良くて、読んでいても書いていても楽しい。

「自分だけがしんどい」「自分だけが辛い」とか思ってはいけないのは分かっているけれど、ついつい考えてしまう。

「いちばんすごい人は、普通に暮らしているのに、すごいタイミングでさっと動いたり、いろんな人を救ういいことを言ったり、呼吸が浅ければ深呼吸してそこであっさり終わったり、肉食べ過ぎたなと野菜食べたり、自然に調整しているそんな人だと思う。なににもひっかからない風みたいな人。たまにいるので、えらく感心する。」

『人生のこつあれこれ2013』p.136

飄々とした人に、随分と憧れている。あんな風になりたいと思いつつ、でも自分でいいかと思いつつ、ゆらゆらと生きている。


気がつけば、話が就活のことばかりになっていた。
一つのことに気を取られて、全然バランスが取れない。
マルチタスクは大の苦手だから、とりあえず片付けていくしかない。
だが、なかなか終わらせられない。なんでだろう。親知らずを抜いたからだろうか。

ともかく、よしもとばななの言葉が心に染みる今日この頃。

かしこ


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