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読書記録

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今まで読んだ本、おすすめしたい本の記録です
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#森見登美彦

読書記録77 2024年3月の本まとめ

新年度が始まりました。大学院2年生、大学院も折り返しで震えております。 先月読んだ本を紹介します。 1.シャーロック・ホームズの凱旋(2024)森見登美彦 待望の新作。 森見登美彦自身がスランプに陥ったのをワトソンとホームズに仮託している入れ子構造。ヴィクトリア朝京都と「ロンドン」も天地あべこべになっていて、『熱帯』『四畳半』を思わせる森見登美彦お得意のパラレルワールド。創り上げた「ロンドン」から抜け出して戻ってきた「ヴィクトリア朝京都」もまた創作であり、さらにそれを読

読書記録69 『万感のおもい』内なる勘違いを育てる

なぜか万城目氏のエッセイについて記事を書きたくなる。 敬愛なる森見登美彦氏の影がチラつくからか。 大体悩んでいるタイミングで手に取っている気がするし、そうやって読むと大体背中を押してくれる不思議な人物。 『万感のおもい』この度読んだのは2022年に出た、『万感のおもい』。 横長で見たことない本の形だなと思ったら、夏葉社発行だった!やっぱり素敵な本作るなー。 (夏葉社は島田氏が手掛ける一人出版社。『電車のなかで本を読む』良いのでオススメです。) 万城目学のエッセイはサ

読書記録62 2023年4月の本まとめ

新学期、新しい環境、当たり前のように混乱を極めています。 でもちょっぴり楽しいから良いとします。 読んだ本1.『不屈に生きるための名作文学講義』(2016)大岡玲 本から、著者の内面を見たり、同時代の他の作品との関連を述べたり、とにかく芋づる式の究極系。説明が分かりやすくて、本をただ読むだけで終わらないのがすごいと思った。 2.『三月の5日間』(2017)岡田利規 演劇の台本&説明の本。耳で聞くとそうでもない話し言葉が、セリフとして文字で書かれていると非常に内容理解が

2022年の本を振り返る元旦🌄

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 ほそぼそとnoteを続けていきたいと思っています。 昨年の本を振り返ります2022年もたくさんの本に出会いました。昨年は、再読した本が多かった気がします。 再読した本 17.『恋文の技術』(2011)森見登美彦 49.『四畳半神話大系』(2008)森見登美彦 50.『森見登美彦の京都ぐるぐる案内』(2014)森見登美彦 68.『有頂天家族』(2010)森見登美彦 70.『水都 東京』(2020)陣内

読書記録53 8月の本まとめ

受験生ぶりに一日中勉強を一か月間した。自由に本が読める、楽器が弾けるってなんて幸せなんだ。頑張ったぞー。 読んだ本1.『爆弾』(2022)呉勝浩 直木賞候補作② 試し読みで続きが気になったので。 正義を揺さぶられますわね。 2.『発注いただきました!』(2022)朝井リョウ ゆるゆるで、疲れた頭にちょうど良い。 オードリーのANNに出た回を聴いたからか、なんとなく親近感。 3.『草枕』(1950)夏目漱石 1906年発表 俳句や漢文の教養がなくかなり目が滑った。

読書記録51 6月の本まとめ

都市関係の本はさらっと触れたものが膨大になるので、今月からは趣味で読んだ本を紹介します。 1.『死ぬまでに行きたい海』(2020)岸本佐知子 『BIBLIO PHILIC』で2人からおすすめされていた本。『ねにもつタイプ』が好きで、この本も好きで、岸本さんの文章が好きなんだと思う。YRP野比を取り上げている時点で勝ち。 2.『結婚の奴』(2019)能町みね子 『BIBLIO PHILIC』で、おすすめの3冊が三浦しをんと若林正恭とこの本だった方がいて、波長が合いそうと

読書記録50 5月に読んだ本まとめ【11冊+1冊】

こんにちは、だるまです。流し読みした本が無限に積みあがる今日この頃。感想、書くべし。 読んだ本1.『有頂天家族』(2010)森見登美彦 京都に行ったからには再読。ふはふはの毛玉の物語。一文一文が森見的遊びゴコロに溢れていて、にやにやしてしまう。もふもふかわいい。 2.『本屋、始めました 増補版』(2020)辻山良雄 荻窪の本屋さんTitleの店主が書いた本屋さん開業の記録。出来事や心情を飾ることなく素のまま書き留めていて、とても読みやすい。Titleで『流星シネマ』を

読書記録46 『四畳半神話大系』森見登美彦

こんにちは、だるまです。 今日の夜中から『四畳半神話大系』のアニメ再放送がはじまります。最近再読したので感想をつらつら。 ※タイトルの変換ミスしていましたごめんなさい。 毒されて5年あまり あまり感想ではない文章。 森見登美彦に毒されている。おかしい。こんなはずではなかった。 森見登美彦に出逢わなければ、インスタグラムで流行を追い、顔を整え、健全な友愛と共にキラキラの大学生活を我が物にしていたかもしれない。 森見登美彦に出逢わなければ、京都旅行を聖地巡礼に費やすこ

読書記録45 3月に読んだ本まとめ【18冊+4冊】

こんにちは、だるまです。生暖かい春の空気はなんだか寂しいです。 今月は本屋大賞候補作を5冊読み、京都についての本をいくつか読みました。 読んだ本1.『夜が明ける』(2021)西加奈子 本屋大賞2022候補作③ 重さでは今のところNo.1。テレビ業界が出てきたからか、飲み友達の若林正恭の顔がちらつく。日本の現状を、むき出しに描いている。筆者の顔が間近に迫り、訴えかけられているように感じた。 2.『年下のセンセイ』(2016)中村航 若林正恭の『ご本、出しときますね?』で

読書記録43 2月に読んだ本まとめ【20冊+2冊】

こんにちは、だるまです。今月はたくさん読んだにも拘わらず、読書記録を出せないでおります。読んでよかった本だらけでした。『虞美人草』は良かった。また、本屋大賞2022候補作全制覇の道のりを歩み始めました。 それでは紹介します。 読んだ本1.『流星シネマ』(2021)吉田篤弘 こんな文章が書きたいと思った作品。やっぱり心が「澄む」。 2.『恋文の技術』(2011)森見登美彦 猛烈に手紙が書きたくなります。 3.『脱住宅』(2018)山本理顕・仲俊治 4.『地域社会圏

読書記録41 1月に読んだ本まとめ【15冊+4冊】

こんにちは、だるまです。 2022年も本を読んでいきます。1月は当たり前と思っていた前提がガタガタと崩れていった月でした。 読んだ本1.『華氏451度』(2021)レイ・ブラッドベリ 1953年発刊。新年1発目、いい本を読みました。 2.『会って、話すこと。』(2021)田中泰延 ほぼ共著者である編集者の今野良介さんにスキをいただけてありがたい限りです。 3.『紙の動物園』(2017)ケン・リュウ 中国、日本、アメリカの混ざった歴史SF短編集。ファンタジーなのに心

読書記録40『ザ・万歩計』つべこべ言わずできることをやる

こんにちは、だるまです。前回のnoteで約束した通り、万城目学のエッセイを主役にした記事です。助演男優賞からの主演男優賞おめでとう! 森見登美彦と万城目学と紹介する本は万城目学の『ザ・万歩計』です。 万城目学は『プリンセス・トヨトミ』『偉大なる、しゅららぼん』を読んだくらいで、エッセイは読んだことはなかったです。 それでも彼の存在感が大きいのは、森見登美彦と仲がよろしいから。 年始のはてなブログでは、森見登美彦が愛する「コウペンちゃん」に対し、「僕はペンギンなんだペン!

読書記録32 11月に読んだ本まとめ【17冊+4】

こんにちは、だるまです。11月最終日、低気圧で頭痛がします。 時代を認識するために、今月から本の出版年を記載していこうと思います。やはり2000年代が多かったです。 今月読んだ本1.『続・街並みの美学』(2001)芦原義信 『街並みの美学』を読んだのち、図書館で続編を見つけました。日本の街並みについて、西洋との比較をしています。前作では「うち」と「そと」や「第一次輪郭線」と「第二次輪郭線」が比較されていましたが、それに加えてさらに論を進めています。 2.『もものかんづめ

読書記録28 10月に読んだ本まとめ【12冊+2】

こんにちは、だるまです。10月が終わるのは一瞬でした。今月は授業が始まりヒイヒイ言っていた割にいつも通り。早速紹介します。 1.『スーツケースの半分は』近藤史恵図書館で何となく手に取った本。フリマで買った青いスーツケースを貸し借りする友達4人と、スーツケースを売った人周辺の幸せな出来事を描いた作品。読後感がものすごくよかったです。 2.『夜想曲集』カズオ・イシグロ翻訳特集で紹介されていて読みたかった本。 副題が「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」で、まさに音楽がテーマでした