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桜祭りの露店はいずこへ

新型コロナウイルスが5類へ移行になって初の地元の桜まつりで、異様な光景を目にした。

地元には大きな桜並木がある。川沿いに作られた桜並木で、近くには城の天守閣も見える場所だ。

桜が咲くころになると川沿いに露店が並んだ。焼きそばやりんご飴といった食べ物やお面売りや射撃などの、昔ながらの露店が立ち並び、店主の元気な声が桜の下に響いていた。淡い桜に反したカラフルな露店の色合いで、いっそう桜がやさしく見えていた。

さすがに新型コロナウイルス感染が広がっていた時分は、桜祭りの開催が自粛され、屋台が並ぶこともなかった。5類への移行が取りざたされてた23年春も、露店出店はなかった。そして24年も結局なかった。

替わりなのか定かでないが、桜並木に姿を現したのが数多くのキッチンカーだった。衛生上のせいか、メニューは揚げ物焼き物が目につく。テントを張って大人向けのアクセサリーを売る店はあった。しかし、ちびっ子たちが喜ぶようなおもちゃを売る店もなかった。少子化のせいか。

コロナ前は、河原に直接設営した露店のなかで店主が焼きそばやイカ焼きを作りながら、店の前を歩く花見客に声をかけていた。客と同じ目線で。

でもキッチンカーからはそのような様子はあまり見らせない。どちらかというと車高のあるキッチンカーから”上から目線”で対応している。

一昔前、「お客様は神様です」というフレーズを言った人がいた。主従逆転を思わせる。

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