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雨の日の世界

雨の降った日に現れる世界。水たまりの中。そんな世界を眺めて過ごす週末が好きである。

目が覚めた時にはすでにしとしと降っている程度がよい。透明の傘を手にして出かける。雨の日は車を使わず、バスや電車で出かける。そうした方がさまざまなものを観察できる。バスや電車の窓から見える雨降る街の景色には胸が躍る。

田植えが済んだばかりの田圃にできる波紋。街の水たまりに映るビル。軒先のトタン板から滴り落ちる雨。晴れていると出会えない景色に雨の日には出会える。なぜか得した気分になる。公園の芝生に座ることはさすがにためらうが、濡れた緑を眺めるのは格別である。

夕方あたりに雨が上がる程度が特に塩梅が良い。家路につく頃は日も暮れて、水たまりに外套が映るのを見ると、次の雨の週末が楽しみになる。

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