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『米メタFacebookとInstagramで月額11.99ドルのサブスク開始。強気の値付けから学ぶこと』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.2.20

■米メタがフェイスブックとインスタグラム向け、サブスクを開始

フェイスブックの親会社、米メタ・プラットフォームズは19日、フェイスブックとインスタグラム向けのサブスクリプションサービス「メタ・ベリファイド」を開始すると発表した。

  電子メールで配布した資料によれば、料金は月額11.99ドル(約1600円、「iOS」アプリで購入した場合は14.99 ドル)。コンテンツのクリエーターを主な対象とするサービスには、認証バッジ付与に加え、「積極的なアカウント保護とアカウントサポートへのアクセス、ビジビリティーの向上とリーチの拡大」が含まれる。

速報レベルのニュースなので上記で全文なのですが、米メタ社がFacebookとInstagramでサブスクを開始すると発表しました。


高めの月額料金がトレンド?

料金だけは明確で月額11.99ドル。Twitter Blueはアメリカでは月額8ドル(年払いで84ドル)ですから、メタ社のサブスク料金の方が高額です。

メタ社のサブスクは「メタ・ベリファイド」という名称の通り「メタ社のアカウント」について公式認証を取るような位置づけのため、Facebookだけ、Instagramだけではなく2サービス共通で公式認証が取れるようです。

メタバースサービス「Horizon World」やMetaQuest2利用時のログインアカウントでもMetaアカウントとして共通化されていることから、これらの利用者にとっては11.99ドルのコスト感は薄まるかもしれません。それでも月額11.99ドルは高いと感じます。


やれることが少なめもトレンド?

Twitter Blueの月額8ドルも高いと言われました。8ドル払ってできるようになることが投稿内容の修正くらいで割高だというのがもっぱらの評価でした。

「メタ・ベリファイド」もその名の通り公式認証が主な機能と位置付けられています。

認証バッジ付与に加え、「積極的なアカウント保護とアカウントサポートへのアクセス、ビジビリティーの向上とリーチの拡大」

というユーティリティのみが発表されています。

認証バッジが付くのは確定ですが、「積極的なアカウント保護」や「アカウントサポート」が何をやってくれるのかも具体的には不明ですし、「ビジビリティーの向上とリーチの拡大」つまり投稿内容がより多くの人にレコメンドされ表示されるようになることについても数量やロジックは今のところ明らかにされていません。

無関係・無関心な人にいくらレコメンドしても響かないだろうという心配もありますが、いずれにせよ11.99ドル払うことに対して得られるユーティリティは非常に少なめの印象です。


「ファン」向けのサブスクは強気に

Twitter Blueの月額8ドル、メタ・ベリファイドの月額11.99ドルは料金設定や提供サービスが妥当かどうかというより、ファンからのお布施という位置づけなのだろうと思います。

日本人は特に設定した金額に見合うかどうかをシビアに見る傾向が強いように思いますし、料金を決めるサービス提供者側に立った場合も、料金に見合ったサービスや品質であるかを自らに問う発想が強いように思います。

もちろんその真面目さは美徳なのですが、「ファンから応援してもらうための値付けに正解はあまり強く求めない方がいい」という今の米国発ネット企業の発想は案外学ぶべきものだと感じます。

低ベネフィット・高価格でも入会者を獲得できるなら、きちんとサービスにファンが付いているという証です。自分たちのサービスを信じ、利用者が離れないということを信じているからこその強気の値付けは、長い不景気で自信を失った日本が景気浮揚するために今必要な発想だと気づかされます。

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