『NFTで顧客増。ものすごくシンプルなNFTの活用事例』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.9.22
■米洗車チェーン、NFTで顧客増──中小企業にも広がるNFT
NFT、こんなにシンプルな使い方でいいんだ。とちょっとホッとしたニュースです。
■ナイキのように超高額NFT売買やメタバースを目指さなくていい
ナイキなど大企業の大がかりなマーケティングで使われ、上記のような大きなお金が動くニュースばかりが注目されがちです。そのためNFTを何に使っていいのか、どう使っていいのかがわからない、と感じる企業マーケ担当者が多いのが実情。
今回の米洗車チェーンでは「スカベンジャーハント(がらくた集め)形式のキャンペーン」として、17か所ある洗車場を巡ってNFTを集めるとプレゼントがもらえる、というシンプルに使っています。
NFTである必然性や、もらったNFTのユーティリティなど難しいことは特に考えられていません。そのぶん参加者も17か所の洗車場をコンプしたり、頻度高く洗車場に通えばいい、というわかりやすさが魅力です。
の通り、もともと洗車場に行くと車のルームミラーに吊り下げる芳香剤がもらえるということもやっていますので、アナログなスタンプラリーでも全然実現できたはずです。
しかしそこにNFTを当てはめた。ただそれだけです。
■あえてNFTであるメリットを挙げるなら
あえてアナログなスタンプラリーよりNFTの方がよいメリットを挙げるなら、
・NFTを集めた履歴を確認するのにウォレットアドレスを教えてもらうだけでいい。
ウォレットの中にあるNFTの数・種類・日時をリモートで確認でき、賞品と交換する権利を持っているかが確実にわかります。
・不正防止がしやすい。
紙の台紙にアナログなスタンプを押すやり方だと複数の人が協力して1枚の台紙を埋めることも可能。賞品が高額だと不正も起きやすいものです。
・ロイヤルカスタマーや利用日時を検索できる
個人の特定はできませんが、NFTの発行履歴のログを追うことでNFTをたくさん持っているヘビーユーザー・ロイヤルカスタマーを検索することができます。またNFTが発行された曜日・時間などを統計化することで、混む曜日・時間を発見したり来場頻度を分析することもできます。
・後日別のユーティリティーを提供できる
今回のケースでも書かれていますが、NFTの取得履歴がずっと残るため、あとからNFTにユーティリティをつけて更なるロイヤルカスタマー化を狙うこともできます。
こんなところでしょうか。
最終的に賞品と交換する際にのみ住所や名前を取得するようにすればキャンペーン参加者全員の個人情報を管理しなくて済むというのはアナログなスタンプラリーも同様です。
NFTでもいい、なら運営側が慣れるためにNFTにしておく、というのもいい発想だと思います。
■キャンペーンの効果が上がればいい
米国でもNFTに興味関心がある人はまだまだ少ないと思いますが、それでも関心のある人だけにフォーカスをしてでもNFTキャンペーンをやると来場者数アップ、来場頻度アップが実際に実現できたという事例です。
NFTにする必要があるのか?ユーティリティはどうしよう?ブロックチェーンらしい使い方かな?をあまり難しく考えず、キャンペーン効果が上がればいい、今からNFTやウォレットというものに慣れておこう、など、シンプルにまず試してみるのもよいのだろうと思います。