『大学生の2人に1人が新SNS「BeReal」を利用! 利用率はTikTokと拮抗?』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.9.22
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■大学生の2人に1人が新SNS「BeReal」を利用! 利用率はTikTokと拮抗?【RECCOO調べ】
およそ1年前にご紹介した新しいSNS「BeReal」が、いまや日本の大学生の半数が使うまでの広がりを見せているんですって。
日本でも実際に流行っているという風のうわさは耳にしていましたが、TikTokのユーザー割合と肩を並べるほどだとは思っていませんでした。
流行りものの多くはすごく狭い範囲で流行った後に廃れてしまうものですが、BeRealはしっかりターゲット層に刺さったようです。
TikTokに匹敵?
TikTokの利用率50%に対してBeRealが49%と肉薄していることに驚きます。しかしこれはZ世代といっても現役大学生のはなし。
おなじくZ世代であるうちの高校生の息子に尋ねてみると、BeRealは「そんなに流行っていない」とのこと。
学校に到着するとスマホを預けることになっている高校のルールがBeRealの「ランダムに届く指令:2分以内で自分の写真を撮って送る」というシバリと合っていないのが一番の理由だろうと思います。
もうひとつ違いがあるとすると、「写真を盛る」という文化にそれほど浸っていないことも理由かもしれません。
外向きに盛るのは「おじさんおばさんの世界」
BeRealはInstagramの「盛る空虚感、外向きに頑張らなきゃいけない空気」に対するアンチテーゼとして生まれた経緯があります。仲間内のあいだでは「盛らない」気楽さが仲間意識をより強固にするし、盛らなければいけない「外」と盛らないで済む間柄の「内」との境界線に心理的なバリアを張る意識も生まれます。
しかし高校生の息子には「外向きに盛る」こと自体に馴染みがないようです。Instagramで架空のゴージャスな自分を見せつけるのは「おじさんおばさんの世界」なのだそう。
美味しいけどちょっと高い、インスタ映えする外食に触れても、それを投稿しようという発想すらないそう。食べ物は食べるもの。「こんな素敵な食べ物を食べている自分」を投稿して承認欲求を満たすニーズはないとのこと。
仲間内の話題の供給源は「外」から
そんな高校生の息子は、TokTokはよく見ています。しかし自分から投稿することはありません。
周囲の友だちもTikTokを見ています。
かつて人気テレビ番組が共通の話題になったように、TikTokが高校生のあいだの共通の話題になっています。
BeRealは取り残されない「内」の話題の供給源
大学生の中でTikTokと比類するほどBeRealは流行っているということは、BeRealが仲間内の「共通の話題」の供給源にもなっているはずです。
BeRealでつながることはインスタの「盛る」に似た脅迫的な仲間うちに閉じたコミュニケーションがより強化されます。
インスタ疲れがきっかけでBeRealが生まれたとすれば、BeReal疲れが起きかねない構造です。
さらに若年層は、Be RealよりNatural born Real
この調査では、もっと流行るだろうと考えている大学生が半数近くいるとしています。この結果が意味するところは、「BeRealが流行るかどうか」というよりも、いっときのブームに乗っかっただけではなくBeRealを今後も使い続けたいと考えているということです。
もし今後も流行が広がるとすれば、来年や再来年に今回のアンケートの対象になった人たちも大学生になった時にBeRealを使い始めるという世代の連続性が必要になります。
息子の一例しかないので何とも言えませんが、うちの高校生と中学生の息子たちは、BeRealを楽しむ素地がありそうではあるものの、さらに価値観は変わってきているようです。
先述の通り、Instagramの「映える」ことへのアンチテーゼから生まれたBeRealの価値観を、アンチテーゼではなく初めから内面化しているようなのです。つまり、「映える」ことで「バズる」という承認欲求自体がかなり薄いのです。そこに反発心や忌避感はありません。
Be Realというよりも、Natural born Realという感じなようです。
Z世代は価値観。世代で括るべきではない。が…
価値観のアップデートが高齢者世代にも広がることで、いわゆるZ世代的な価値観を世代論で語るべきではないとはよく言われますし完全に同意します。
しかし、新しい価値観の震源地はやはり若年世代からだろうと思います。
高校までのライフスタイルは大学以降とまるで違う制約がたくさんあります。前述の学校でスマホを預けるルールもそうですし、18歳未満はクレジットカードを作れないことから、Z世代をマーケティングターゲットにするべきではないという声も聞かれます。
Z世代マーケティングは、直接的なセールスを狙うというよりも、若い世代から生まれる新しい価値観やトレンド、ブームを理解することから始めることがとても重要です。
高齢世代の価値観がブームになり一般化することは絶対にないのですから、我々Z世代より上のマーケターは「若いもんには負けん」のようなマウント発想は捨てるべきです。
BeRealが大学生の49%に浸透しているのは、一時のブームかもしれませんが、調査結果としては事実です。もっとサンプル数を増やしたり地方に広げると割合は変わるでしょうが、49%に「リアルでいよう」というSNSの遊び方やつながり方が受け入れられていることを事実として理解することがマーケターとしては必要です。