見出し画像

『明日のウェビナーに向けて。日本の上場企業のWeb3参入はなぜ難しいのか?』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.11.30

[告知]いよいよ明日19時半、
「NFT・トークン・暗号資産と法務」と題して、
AZX総合法律事務所の原 悠弥 弁護士、web3会計士の水地 一彰さん、そして私モリプトタツヤと3人の対談形式の無料ウェビナーを開催します。

これからweb3で新しくビジネスに乗り出していきたいという人向けにできるだけやさしく楽しく話せればと思います。お気軽にお立ち寄りください♪


■日本の上場企業のWeb3参入はなぜ難しいのか? 立ちはだかる会計と監査の問題

そのウェビナーの対談相手のひとり、web3会計士の水地さんの記事をご紹介します。ちょうど明日の話題になりそうなテーマ「上場企業のWeb3参入はなぜ難しいのか?」を取り上げています。

Web3をどう定義するのかにも依りますが、確かにいざ参入しようとすると法律や会計などの壁に阻まれることがあります。

そのいろんな壁をクリアに整理し、対策の方向性まで示した素敵な記事になっています。


■Web3事業への進出が難しい理由

①そもそもWeb3がよく分からない
②そもそも上場会社とWeb3は相性が悪い
③そもそもWeb3の会計のルールが曖昧

冒頭、水地さんご専門の会計や監査についての課題を挙げられていますが、もっとベーシックなところで「Web3がよくわからない」というのがあります。

理解が進まないと決済者を説得することが難しいですから、場合によってはWeb3と声高に言わない方が着手しやすいこともあると思います。

それに「インターネット」「スマートフォン」「SNS」それぞれ登場した時も同じ状況でした。今はこれら3つは説明不要・当たり前にビジネスになってますので「Web3がよくわからない」は時間が解決すると思ってます。

本題はその次から。

②そもそも上場会社と相性が悪い
以下、(a)トークン保有者、(b)トークンファイナンス、(c)ブロックチェーン特有の匿名性に起因するもの、この3つの観点で上場会社がWeb3を事業として取り組む際の相性の悪さについて箇条書きで挙げる。

ここはWeb3=トークンを使った何か、と捉える場合には陥りやすい部分です。確かに上場会社と相性が悪いことが多い。たとえば

銀行、株主に加えて、新たにトークン保有者という資金供給者が登場し、コーポレートファイナンスの前提が変わってくる

この1点だけ取り出しても、銀行や株主と向き合う役員がトークン発行を伴うWeb3ビジネスを躊躇すると思います。

トークンによる資金調達やトークンをインセンティブにして行動を加速させる「〇〇 to Earn」など、トークンに値段が付くからこそできるサービスは、アイディアはいろいろ思いついても実行に移すのが難しいのが現状です。

それでも非上場スタートアップなどから先行事例がたくさん出てきて、トラブルも起きて、問題が整理されて、会計ルールや法整備ができてくると思います。つまり大きな流れとしては時間が解決はすると思います。

でも、今なにかやりたい。と思っている方も多いと思います。

水地さんはこの記事の中で「今やれること、やれる方法」も提示されています。


■いまWeb3をやるために採れる手段

①IFRS(国際財務報告基準)を採用する
②海外で始める
③FT、NFTを自社グループで取り扱わないスキームを構築する
④NFTを中心にサービスを設計する

この4点を挙げられています。

IFRSを採用するのはWeb3をやりたい以外の動機が必要だろうと思います。既に採用済みな上場企業も数多くありますが、今IFRSを採用していないところについては影響範囲が大きいですね。

海外で始める、のは「日本はWeb3関連法が未整備なせいで優秀な人材が海外に流出してしまう!」とよく言われるやつです。確かに海外で始めるのもひとつの手だと思いますが、声高に流出を促すのも気が引けます。

残る2点が、わりとすぐに広く多くの人がWeb3に取り組める部分だと思います。

FT、NFTを自社グループで取り扱わないスキームを構築する

自社グループでトークンやNFTを発行したり所有することが難しいのであれば、他社のものを使わせてもらうことはできます。

(その「他社」を英国領バージン諸島(BVI)などで自ら立ち上げてしまうスキームもよく使われますが、「他社を自ら」というところがトリッキーですし誰にでもできることではないためここでは割愛します。)

また特にトークン(FT)がそうですが、必ずしも金銭的な価値を持たせて暗号資産取引所で売買される状態にしたものを使うサービス設計にしなくても、Web3の理念を体現したソリューションを作ることは可能だと思います。

たとえばフィナンシェでは「スポーツチームやエンターテインメントなどさまざまなジャンルの団体や個人が発行するトークンを購入し支援ができる新しいクラウドファンディングサービス」をやっています。

ここでいうトークンはいわゆる暗号資産でも前払式支払手段の電子マネーでもありません。あくまでも文字通りの「トークン」です。

クラウドファンディングの支援先アイテムをトークンとすることで、トークン保有量に応じたインセンティブ提供や意思決定投票での票数に連動させることができるようになります。

この先のもっと純度の高いweb3なトークンにすることで、ファンの支援の結果トークンが値上がりして差益を得られたり、トークンが不要になった時に手放せる(からこそ初期支援額を大きくできる)なども実現できるようにはなるのですが、「今やれることをやる」ことは大事です。

NFTを中心にサービスを設計する

日本は世界的に見てもNFTに寛容な国です。発行・保有スキームや会計処理が複雑なトークン(FT)を避け、NFTだけでサービスを組み立てるのも今やれるひとつの方法です。

私も過去にNFT売買を中心にした設計のゲームが流行るだろうということを書いてます。

ゲーム以外にも応用できますが、わかりやすくゲームで例えると

・武器NFTを買う
・ゲーム内で武器NFTを錬成して強くする
・強くなった武器NFTを市場で売ることで差益を得る

というゲーム内アイテムのRMT(Real Money Trade)を軸とした設計ならトークンが絡まず比較的実行しやすいものになります。

他にもシンプルにNFTに会員権機能などのユーティリティを付けてOpenSeaなどNFTマーケットプレイスで売買することも今すぐにできることです。


■web3で今やれることをやろう

web3スタートアップは日本でも既にたくさん出てきていますし、やり方やパートナリングなどによって今すぐやれることもたくさんあります。

もちろん「超純度の高いWeb3」は今すぐできない、日本ではできない、というものもあります。しかしいずれ何らかのかたちでできるようになると思っています。

その時のために今からやれることを経験しておくことはとても大事ですし、やれる範囲に留めたとしても先行者利益が取れたり3年後に有意なポジションを取れたりするはずです。

レガシィでレッドオーシャンなビジネス領域で抜きん出るよりも伸びしろもあるはず。今を伸ばすだけでなく未来への種まきも同時にやっておくことは重要ですよね。


明日のウェビナーではこんな「web3で今やれることはなんだろう?どうやったらできるだろう?なぜできなくて、どうやったらできるようになるだろう?」を中心に原さん・水地さんとワイワイニギニギお話できればいいなと思っています。

みなさまのご参加を心よりお待ちしております!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?