『Play to Earn衰退の理由と次に進む方向性はCreativeFi』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.9.16

■Play-to-Earn(プレイ・トゥ・アーン)ゲーム衰退の理由と、ゲームファイが次に進むべき方向性は?

「P2Eゲーム衰退の理由と次に進むべき方向性」というタイトルの記事なのですが、記事の中に理由も方向性もほとんど書かれていません(笑)

続きは?と思ってしまう中途半端なところまでしか書かれていませんが、NFTNEWZの記事は全部短いのでこういうものなのでしょう。

ただ1点だけ、確かになぁと思える記述があったのでご紹介します。


■人間にボット化を強いるゲームは間違っている

高収入者層は、最高のプレーヤー(※筆者註:Axie InfinityでいうAxie、ポケモンのような対戦に使用するキャラ)を持っていながら、スプレッドシート上にマッピングされた計算ずくの動きでシステムプレイをする。ここでは、大多数8割のプレイヤーが損をする運命にあるという不平等な経済状況が、公平かつ理想的なゲーム界を遠ざけてしまっている。

損するからP2Eゲームは衰退した?

「大多数8割のプレイヤーが損する運命」「不平等な経済状況」がP2Eゲーム衰退の理由だと位置づけています。

しかし私はそうは思いません。競馬やパチンコなど、長期で見れば確実に損する仕組みになっているゲームであってもファンは大勢いますし長い歴史があります。

to Earnのせいで決められた最大効率の動きを強いられる

「スプレッドシート上にマッピングされた計算ずくの動きでシステムプレイをする。」

to Earn、つまりお金を稼ぐことが主目的になっているP2Eゲームでは、収益効率を最大化する操作方法が一定決まってしまいます

ゲームの「楽しい」部分を完全にそぎ落として、決められた最大効率の動きだけを長時間し続けることが、収益を最大化するために最も有効です。

ゲームはもともと「楽しい」ものなはずです。しかしto Earn、稼ぐことを主目的にした瞬間、「楽しい」要素をすべて排除して最大効率化することを目指すことが正義のようになります。

「RTA」っぽい操作を長期間やることになる

「RTA」というゲームスタイルがあります。

Real Time Attackの略で「RTA」です。
つまり最短でゲームをクリアすることを目指す遊び方です。

スーパーマリオの最短クリアが割と有名です。全力Bダッシュで駆け抜ければ最短クリアできそうなのがイメージしやすいと思います。(実際のRTAは裏技を駆使する部門があったりと、もっと奥深いものです。)

アクションゲームだけでなくドラクエのようなRPGでもRTAは行われています。歩く歩数すら最短を強いられ、物語もすべて無視してクリアに邁進します。

RTAは大会が開かれたりするエンタメ性の高い遊び方の一種で、これ自体は非常におもしろく楽しいものです。

しかしこれをto Earn、稼ぐために義務的に毎日毎日やらなければならないとしたら苦痛です。特にスカラーシップという名で稼ぐことを強いられている労働者プレイヤーの人はなおさらです。

無機的で楽しみや裁量のないゲームスタイルをto Earn目的で毎日やる。のは人間のボット化にほかなりません。もしくはボットの方が得意な領域なのでボットにやらせればいい。

これは現実の仕事もそうですよね。ボット的に最大効率で動き続けるだけだと楽しくありません。職場でそんな働かせ方をする経営者がいたらハラスメント問題になりそうですが、P2Eゲームのスカラーシップはその状態になりやすい構造です。

■結局、GameFiが次に進むべき方向性は?

この部分は元記事には書かれていませんでしたが、人間をボット化させない方向に進むべき、とは言えそうです。

得喪を賭けてEarnするゲーム=ギャンブルは一定のニーズがあるので「8割の人が損をする」ことが悪いとは必ずしも言えません。賭博法に引っかからないやり方で、よりGameFiのEarnを運任せにする楽しみ方もあり得ると思います。

かたや人間をボット化させない方向に向かうとしたら、より楽しいゲームを目指す方向性か、Earnする方法が画一的な作業操作にならない方向性=ユーザーがクリエイティブ性を発揮する方向性が考えられます。

「より楽しいゲーム」を追求するのは本質っぽく見えますが、Earnという要素を入れる以上はやっぱり稼げた方がいい。稼げるようにするための重要な要素のひとつは「低コスト」であることです。

「より楽しいゲーム」を追求するあまり何億もかかるリッチなゲームにするのはto Earnと非常に相性が悪いと考えています。ライトゲームでも楽しいものは非常に多いですし、ライトゲームの方がto Earnとの相性はいいはずです。

重要なのは、ライトゲームが作業的にならないようにすること、人間をボット化させない、クリエイティブな参加の仕方ができること=「CreativeFi」だろうと思います。直接的な創作活動はもとより、コミュニティの中で良好な人間関係が創造されることも、新たなビジネス自体が創造されることもCreativeFiと言えます。コミュニティ重要です。

そして「Fi」と言うとto Earnだけを主眼に置いてしまい最大効率で稼ぐことが追求されボット化しがちですが、Earn色が今後は薄まっていく方向だと思います。スターバックス・オデッセイのように既存ビジネスがありロイヤルカスタマー戦略が有効なケースだとなおさら直接的なEarnを避けるSocialFiモデルの方向に向かうと思われます。

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