■IPOとIEOのダブルオファリングがなぜ難しいのか?web3会計士 水地先生の考察を紹介
株式上場している公開企業が独自トークンを取り扱うことが非常に難しいのが現状です。これは日本に限った話ではありません。
さらにその独自トークンを暗号資産取引所にそのトークンを上場させるIEOを株式上場企業が行うのは非常に困難とされています。
いまは独自トークンを自社発行しIEOさせるような使い方をすると株式上場企業に義務付けられている会計監査を監査法人から忌避されます。監査忌避されれれば株式の上場が維持できませんので、独自トークンの自社発行やそのIEOの方をあきらめざるを得ません。
このことは会計監査事務のテクニカルな事象、つまり「上場企業が独自トークンを自社発行する=監査忌避される」くらいの理解だったのですが、昨日web3会計士の水地一彰先生が、監査忌避問題に留まらないIPOとIEOのダブルオファリングが難しい根本的な理由と解決法についてツイートされていましたのでご紹介します。
ただ、水地先生が挙げている原因と解決法についてコメントを現段階で持ち合わせていない検討不足な段階なので、ツイートを広くご紹介させていただき最後に個人的な感想を述べるに留めます。
≪困難な理由≫
≪解決方法≫
感想:使途を細分化したうえでのルール化を是非
困難な理由と解決方法案はいずれもそうだよなぁと納得しました。
独自トークンを株式の代替物のようなセキュリティトークンとして活用するケースについては特に株式上場企業としてのガバナンスルールが無効化してしまいますし、だからこそ米SECは頑なに「全部ガバナンストークンだから株式同等に規制する」と言い張っているわけです。
かたやGameFiなどで使うユーティリティトークンではガバナンス投票などの機能を持たせる前提がない場合が多く、それも一緒くたにして株式同等の規制をかけられてもトークンの使い道が狭まりすぎます。
最終的にはルールやガイドラインが策定され、準拠していれば監査が受けられてIPOとIEOのダブルオファリングが叶えられるようになるのだろうとは思いますが、トークンの使途を細分化したうえでルール策定するなど使い道をできるだけ幅広く選択できるとありがたいなと思います。
またトークンIEOだけで資金調達する企業群が株式公開の道を選ばなくなる「棲み分け」の状況はむしろ投資家や市場に対しての情報公開やガバナンスの透明性を失いやすくなりますので、トークン経済の信頼性を高めるためにもダブルオファリングが実現できるルールは必要だと思います。
株式上場企業がweb3業界に参入することは市場活性化やイノベーションの加速のためにも必要なことだと考えています。水地先生は最低5年かかるとおっしゃいますが、それが1年でも早く実現できることを願ってやみません。